蜘蛛女のキス の商品レビュー
ブエノスアイレスの刑務所で同房となった同性愛者のモリーナと革命家のバレンティン、本作は主にこの2人の対話--夜にモリーナがバレンティンに映画のストーリーを語って聞かせる--から成り、いわゆる地の文は無い。 微に入り細を穿つモリーナの話はなかなかおもしろかったが、対話そのものや...
ブエノスアイレスの刑務所で同房となった同性愛者のモリーナと革命家のバレンティン、本作は主にこの2人の対話--夜にモリーナがバレンティンに映画のストーリーを語って聞かせる--から成り、いわゆる地の文は無い。 微に入り細を穿つモリーナの話はなかなかおもしろかったが、対話そのものや時々あらわれる註釈の役割や意味は全然解らなかった。元ネタを知らなくてはパロディーを楽しむどころか、パロディーに気付くこともできない。
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有名な小説でタイトルはずいぶん前から知ってたのだが読んだことはなかったので読んでみようと手に取った。 読みにくい…表現もそうだし、途中かぎかっこに入ってるのにセリフじゃないみたいな文章があったり、原注とかいって専門的な文章がはさまったりしてこっちは何言ってるのかさっぱりわからなか...
有名な小説でタイトルはずいぶん前から知ってたのだが読んだことはなかったので読んでみようと手に取った。 読みにくい…表現もそうだし、途中かぎかっこに入ってるのにセリフじゃないみたいな文章があったり、原注とかいって専門的な文章がはさまったりしてこっちは何言ってるのかさっぱりわからなかった。 刑務所内の恋愛の話、と聞いていたけど恋愛の話にさかれてる文字量より圧倒的に登場人物が語る映画の話が多くて何の本を読んでいるのかと言う気になった。映画の話が始まるたびにうんざりした。 ただ登場人物のいう 私の人生いつ始まるのかしら、というようなセリフは私もまったく同じこと考えたことがあったので、いつの時代も人の考えることって大差ないのかなと思ったりした。 あんまりいい小説ではなかった。気分が明るくなる終わり方ではないし、表現はわかりにくいし、内容も面白くないし、どうしてこの作品がすごく評価されてるのかわからない。ホモが出てくる小説だからか? だったらおとなしくBLでも読んでた方がずっと心に優しい気がする。
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ずいぶん昔に読んだのだが、もう一度読みたくなり購入。 一度目は、雑に読んで、それでもモリーナの心の揺れ動きや二人の信頼感が深まっていくところに面白さを感じた。 筋だけならシンプルなこの小説の、どこが引っかかって再読したのかというと、時々挟まれる読みにくい文体、会話のかけ合いだけ...
ずいぶん昔に読んだのだが、もう一度読みたくなり購入。 一度目は、雑に読んで、それでもモリーナの心の揺れ動きや二人の信頼感が深まっていくところに面白さを感じた。 筋だけならシンプルなこの小説の、どこが引っかかって再読したのかというと、時々挟まれる読みにくい文体、会話のかけ合いだけで進められる部分、モリーナの語る映画のストーリー、それらが重層的に作り出す広がりや展開が特別なのかなと思う。うまく言えないけれど、作者に弄ばれる喜びというか、仕掛けの楽しみというか。 すんなり先に進まないので、途中で止まってしまったりするけれど、気がつくとまた手に取って読んでいる。そんな小説。 原注部分がまた長くて、読めていないので、次回の再読の楽しみもまだあったりする。 野谷さんの翻訳ももちろんとても良い。モリーナをオネエ言葉でしゃべらせたらイキイキし始めたと後書きに書いてあったが、日本語ならではの効果で、翻訳で読めることの嬉しさもある。
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話としては面白いけど読み終わったあとに特に感想が浮かばなかった。途中で2度ほど挟まる長い注釈もよくわからず読まなかった。
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「人生において、あらゆることは一時的であって、永久に続くことなんて何もないんだ。」 「起きたことはそのまま受け入れる、それができなくちゃいけない、そして自分に起きたいいことは大事にする、たとえ長続きしなくてもだ。」P401 モリーナ、そんじょそこらの女の人より余程情が深い。
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映画がよかった。原作は独特の文体と聞いて、買ってみたが、濃密さが自分には合わず、断念した。太字、注釈など仕掛けの意図がわからなかった。モリーナが延々語る映画の話、映画ではナチスのプロパガンダだけにしていたのは正解だと思った。
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テロリストの若者とホモの中年が牢屋で同じ房になり、寝る前にホモが映画の話をしていく。 作者(アルゼンチン人)はもともと映画監督を志していたとの由で、良い感じに投影されていると思う。
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昔ハードカバーで読んだものを文庫版で久々に再読。小説は同性愛者のモリーナと政治犯の青年バレンティン、二人の対話が地の文なしで延々と続き、半分くらい読んでようやく二人が刑務所の同じ監房にいることがわかるという凝った仕掛け。 1970年代のアルゼンチンでは独裁政権により数万人が殺害さ...
昔ハードカバーで読んだものを文庫版で久々に再読。小説は同性愛者のモリーナと政治犯の青年バレンティン、二人の対話が地の文なしで延々と続き、半分くらい読んでようやく二人が刑務所の同じ監房にいることがわかるという凝った仕掛け。 1970年代のアルゼンチンでは独裁政権により数万人が殺害されたという。同性愛やトランスジェンダーへの理解もない時代。だがそんな状況をふと忘れるほど、二人の会話は互いへのいたわりに満ち、哀しいほどに優しい。それは多分、愛に限りなく近い何か…だったのかもしれない。
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鼓直の翻訳で読んだが見つからないのでこちらに書きます。「人生というものは短いかもしれないし長いかもしれない。それはともかく人生においてあらゆることは一時的で永久に続くことなんて何もないんだ」ブエノスアイレスの刑務所でテロリストに語りかけるホモセクシュアルの男。これまでに観た映画の...
鼓直の翻訳で読んだが見つからないのでこちらに書きます。「人生というものは短いかもしれないし長いかもしれない。それはともかく人生においてあらゆることは一時的で永久に続くことなんて何もないんだ」ブエノスアイレスの刑務所でテロリストに語りかけるホモセクシュアルの男。これまでに観た映画の話をしながら2人の会話を通して現実のストーリーは進む。その言葉が2人に特別な絆を育み、美しい愛情を紡いでいく。
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南米の小説、もっと重くて複雑な印象だったけど、これはドラマティック。映画のエピソードと本編が絡み合って、「この先どうなる?」が2本線で楽しめる。2人の主人公に見えるけど、魅力的なのは間違いなくモリーナ。
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