逝年 の商品レビュー
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久しぶりの石田衣良。 非合法な世界に生きるものの、その恋心は清く美しい。 ふしだらな意味ではなく、読後は愛する人とセックスをしたくなった。 ただし、やっぱり、「死」を前提としてスタートする物語は好きくないな。そのため、読了までにえらく時間がかかってしまった。 ★3つ、7ポイント。 2017.07.24.図。 ※石田衣良はやっぱり、「街もの」が好き。 池袋、秋葉原、下北、上野、月島、六本木、までは全部読んだし、下北以外は全て大好きな作品となった。 さて、次はドコを舞台に「街もの」を描いてくれるか、楽しみ。
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人生にも恋愛にも退屈していた二十歳の夏、「娼夫」の道に足を踏み入れたリョウ。所属するボーイズクラブのオーナー・御堂静香が摘発され、クラブは解散したが、1年後、リョウは仲間と共に再開する。ほどなく静香も出所するが、彼女はエイズを発症していた。永遠の別れを前に、愛する人に自分は何がで...
人生にも恋愛にも退屈していた二十歳の夏、「娼夫」の道に足を踏み入れたリョウ。所属するボーイズクラブのオーナー・御堂静香が摘発され、クラブは解散したが、1年後、リョウは仲間と共に再開する。ほどなく静香も出所するが、彼女はエイズを発症していた。永遠の別れを前に、愛する人に自分は何ができるのか?性と生の輝きを切なく清澄にうたいあげる、至高の恋愛小説。傑作長編『娼年』続編。
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正直、娼年の方が好きなストーリーだった。ただこれはもしかしたら、始めてこのシリーズに触れた新鮮感がそう思わせているのかもしれない。前作に引き続き、女性の描き方がいい。歳をとることを魅力的に感じさせる。 ぼくは死の秘密を見つけた。それはとても単純なことだった。死は恐れるべきものではなく、ぼくたちのすぐそばにあるとても親しいものだ。 人の骨ほど清潔なものはない。
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そもそもこの作品の前作を読んでいないのに偉そうに語るのもどうかと思うが、なんというか、おばさんが男を買うならやっぱ金も持ってて、もちろん男は美少年タイプだぜよ、もちろん若くないとダメぜよ、って事なんで、なんだこの異世界は、まだロトの剣で巨人を狩りに行くって話の方が現実感があるくら...
そもそもこの作品の前作を読んでいないのに偉そうに語るのもどうかと思うが、なんというか、おばさんが男を買うならやっぱ金も持ってて、もちろん男は美少年タイプだぜよ、もちろん若くないとダメぜよ、って事なんで、なんだこの異世界は、まだロトの剣で巨人を狩りに行くって話の方が現実感があるくらい。とはいえおばさんを満足させるのにも情熱が必要なんだぜぇとのたまう小僧の話には、ああ、それは分かるけど、でも無理、っていうね、このアンビバレンツっていうかね、いや知ったような口をきいてるけどもね。まぁ結局のところ妬んでるだけじゃろうなぁ、という事なんだろうね。しかし最近性欲が猛烈に落ちてきてて困りもの。この小僧くらい常にギンギンだったらいろいろと良いんだけどなぁ、とは思いました。
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ホントは娼年から読みたかったけど、図書館でこちらを見かけたので先に。 読み進めているうちに、既読感が…。 多分コレ読んだことある。 でもほとんど忘れてたので、初読のように楽しめました。 咲良とリョウのその後が知りたい。
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前作を読んでからずいぶん経ちました。おしゃれなな雰囲気が漂っている背景から、ディープな内容。このアンバランスさが、読後感の爽やかさに通じていると思います。好き嫌いは分かれると思います。でも、読み切ってほしい作品です。
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良かったなぁ〜 * 御堂静香はいない。けれど、確かに生きている。 (中略) 人は死なない。ただ消え去るだけだ。 それでも、この世界はこれまでどおり、すこしバカらしく、だいぶ無理のある方法で続いていく。 ぼくたちはこの世界で肉を持って生きているので、明日もただ生きなければならな...
良かったなぁ〜 * 御堂静香はいない。けれど、確かに生きている。 (中略) 人は死なない。ただ消え去るだけだ。 それでも、この世界はこれまでどおり、すこしバカらしく、だいぶ無理のある方法で続いていく。 ぼくたちはこの世界で肉を持って生きているので、明日もただ生きなければならない。 そこに理由はないのだ。 * アイ子もいない。けど、確かに生きているんだわよねぇ。その母が言ってた、母が亡くなって、自分がどんなにショックを受けていても、信号は変わるし、太陽は昇るし、そこに日常は流れていたのが、不思議な気持ちだった、と。 その世界で何をするかは自分次第で、どんな生き方だとしても、素敵に歳を重ねていきたいものだと改めて思う。そして、いつか分からないけど、会うことになってる死に対して、拒絶しつつ、でも受け入れられればと思う。 やっぱり石田衣良さんは、優しいな〜 2015.11
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本来違法な仕事をしているリョウだけれど 人として魅力的。 他者に対して向き合い、ぶれず、何が起きても堂々としている(ように見える)ところがいいんだろうな。 きれいにまとまった話だけれど、それでいて読み終わって落ちどころに落ちた満足があった。
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娼年に続編があるなんて知らず、娼年を読んでからだいぶ経って読んだので、ちょっとお話を忘れかけてた。 相変わらずリョウや咲良、静香の関係は不思議で普通じゃない。でも、何が普通かなんてわからないんだよなぁとこの本を読むと思う。 皆、普段は普通を演じていて、でもセックスとか自分の性癖は...
娼年に続編があるなんて知らず、娼年を読んでからだいぶ経って読んだので、ちょっとお話を忘れかけてた。 相変わらずリョウや咲良、静香の関係は不思議で普通じゃない。でも、何が普通かなんてわからないんだよなぁとこの本を読むと思う。 皆、普段は普通を演じていて、でもセックスとか自分の性癖は好きな人にもさらさずに、娼夫の前だけで晒すんだろうなと。そういう意味では皆本当は欲望を隠していて普通なんて上辺なのかもねぇ。。。 でも、咲良と静香は親子だし親の前でセックスをしたり、娘の前でセックスをする、それでいてリョウを息子とかわいがるなんて異常だろ!と思わずにはいられない。 不思議な関係の不思議なお話。
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「娼年」を再読してこちらの本を続けて読む。 前回の最後にクラブが解散。 これからの見通しもつかず、リョウはこれからどのように生きていくのか。 前作で十分成長を遂げてしまったリョウ。 今作では歳に似合わぬ責任を負わされることになる。 クラブの再開、新人の発掘、そして自分自身の商...
「娼年」を再読してこちらの本を続けて読む。 前回の最後にクラブが解散。 これからの見通しもつかず、リョウはこれからどのように生きていくのか。 前作で十分成長を遂げてしまったリョウ。 今作では歳に似合わぬ責任を負わされることになる。 クラブの再開、新人の発掘、そして自分自身の商品価値の引き上げ。 何もかもが愛する人のためならば、ぐずぐずいってはいられない。 トランスジェンダーのアユムの登場はあるものの、前作ほどのインパクトはなく、前作を一貫して貫く優しさのようなものも薄まってしまっている感じ。それはおそらくメグミのせいだと思う。 赦すというのが許される場合とそうでないと時があるのかな。 赦されてはいけない場合もあると思う。 赦した瞬間から苦しみを負ってしまう。 リョウも静香も。きっと。 人生最期のセックスのシーンはあまりに、なんといったらいいんだろう。むごたらしい。いくら美しく描こうとしてもどうしても無理を感じる。秘めたる部分が全て晒されるというのは気持ちのいいものではない。いくらクラブだからといって。 いつか「爽年」を読む時に読み返すことになると思うけれど、そのときはまた違ったように感じるんだろうか。
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