旅する力 の商品レビュー
『深夜特急』の旅は、憧れると同時に、私にはできない旅だと感じていました。それは、『深夜特急』では“面白いことによくぶつかる。面白いことが向こうからやって来るという感じさえする。(p66)”ということを、読んでいて感じたからだと思います。 まず、私には“「面白がり方」の技術”が足...
『深夜特急』の旅は、憧れると同時に、私にはできない旅だと感じていました。それは、『深夜特急』では“面白いことによくぶつかる。面白いことが向こうからやって来るという感じさえする。(p66)”ということを、読んでいて感じたからだと思います。 まず、私には“「面白がり方」の技術”が足りません。日本から外国へ行くのではなく、外国を見て感動することが私にできるのかというと、自信がありません。 また、旅する力として、「食べる力」、「呑む力」、「聞く力」、「訊く力」が挙げられていますが、それらも私にはあまりないと思います。訊くよりも、調べてしまうと思います。 自分にできない、沢木氏にしかできない旅だからこそ、あんなにも生き生きとしていて魅力的に感じるのかもしれません。 しかし、そんな沢木氏でも旅で自分の無力さを自覚するようになったそうです。けれど、“それは、新たな旅をしようという意欲を奪うものにはならなかったのだ。(p345)”とあり、勇気をもらえた気がします。
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深夜特急の沢木耕太郎氏の作品。あの頃もたまたま古本屋で出会って読むことになったんだけど今回も前回同様です。「旅には適齢期がある」と言うことには賛成です。歳をとるごとに減る感動ということは確かにあるなと。「旅に教科書はない。教科書を作るのはあなたなのだ。」これの言葉がこの本の全てで...
深夜特急の沢木耕太郎氏の作品。あの頃もたまたま古本屋で出会って読むことになったんだけど今回も前回同様です。「旅には適齢期がある」と言うことには賛成です。歳をとるごとに減る感動ということは確かにあるなと。「旅に教科書はない。教科書を作るのはあなたなのだ。」これの言葉がこの本の全てですね。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
随分と前に家内が買ってきて、家に置いてあったのを見つけて読んでみた。 著者の旅とは全くの別物だけど、自分の旅の色々な感覚が蘇ってきて、胸を締め付けられるような懐かしさに浸りながら読んだ。 『知らないことによる悪戦苦闘によって、よりよく知ることができることもあるからだ。その土地を、そして自分自身を。』 『「窓の外を見たり、なにかほかのものを見るとき、自分がなにを見てるかわかるかい?自分自身をみてるんだ。ものごとが、美しいとか、ロマンチックだとか、印象的とかに見えるのは、自分自身の中に、美しさや、ロマンスや、感激があるときに限るのだ。目で見てるのは、じつは自分自身の頭の中をみているのだ。」』 『しかし、「移動」そのものが価値を持つ旅はさほど多くない。大事なのは「移動」によって巻き起こる「風」なのだ。いや、もっと正確に言えば、その「風」を受けて、自分の頬が感じる冷たさや暖かさを描くことなのだ。』
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旅をすることは自分を作ること 旅をして気付いたことは 無力だということ 自分の中で考えさせられる映画やドラマは Nのために きいろいゾウ 風に立つライオンだった。 この本のあとがきがインタビュー形式になっていて普段ならインタビュー形式のものはすっ飛ばして終わりだが、大沢たかおと...
旅をすることは自分を作ること 旅をして気付いたことは 無力だということ 自分の中で考えさせられる映画やドラマは Nのために きいろいゾウ 風に立つライオンだった。 この本のあとがきがインタビュー形式になっていて普段ならインタビュー形式のものはすっ飛ばして終わりだが、大沢たかおと沢木耕太郎のインタビューだったため、最後まで漏れなく読んだ。 ドラマがやっていたことはこの本を読んで初めて知ったし大沢たかお演じる沢木耕太郎という点でもドラマを見たいと思った。 サイン会の話で、旅に出る前の億劫さを実感した女の子について、私も同じ感覚になったことがあり、これは誰しもなることなんだと思った。 旅をする前にバッグやリュックに必要なものを入れる行為がすごく苦手だったが、それは旅に出たくないという意志の表れだったんだなと認識 再度読みたいと思う。 自分のやりたいことがようやく見つかり、これから突っ走る勢いで指南書になれば良いと軽く手に取った本であったが、突っ走って疲れた後に再度読みたいと思った。
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深夜特急の旅に至るまで、深夜特急を書くまで、タイトルの由来が書かれてる! 持っていった荷物も参考になる! 旅をしていると自分が人として小さいことに気づき、1人が好きでも人といることが好きなことに気づける! 危険を察知する力と危険を回避する力は自然に身につく! 恐れずに。しかし、気...
深夜特急の旅に至るまで、深夜特急を書くまで、タイトルの由来が書かれてる! 持っていった荷物も参考になる! 旅をしていると自分が人として小さいことに気づき、1人が好きでも人といることが好きなことに気づける! 危険を察知する力と危険を回避する力は自然に身につく! 恐れずに。しかし、気をつけて。
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沢木耕太郎が、「旅」と『深夜特急』についての思い・エピソードを綴った作品。 著者は、序章「旅を作る」を、「旅とは何か。その問いに対する答えは無数にあるだろう。だが、私には・・・次の定義がもっとも的を射たもののように思われる。《家ヲ出デテ、遠キニ行キ、途中ニアルコト》 旅とは途上に...
沢木耕太郎が、「旅」と『深夜特急』についての思い・エピソードを綴った作品。 著者は、序章「旅を作る」を、「旅とは何か。その問いに対する答えは無数にあるだろう。だが、私には・・・次の定義がもっとも的を射たもののように思われる。《家ヲ出デテ、遠キニ行キ、途中ニアルコト》 旅とは途上にあること、と言うのだ。ここから人生は旅に似ている、あるいは旅は人生のようだという認識が生まれてくる。人生もまた「途上にあること」と定義されうるからだ」と書き出す。 そして、 第一章「旅という病」~その病に冒された小学生の頃から、26歳で旅立つまでの旅にまつわる思い出 第二章「旅の始まり」~ユーラシアからロンドンへ向かう旅となった経緯 第三章「旅を生きる」~書かれなかった旅中のエピソード(ここには、後に『流星ひとつ』のインタビューを行うことになる藤圭子とのパリ・オルリー空港での出会いも書かれている) 第四章「旅の行方」~旅から帰って、10年後に第一便を書き始め、更に6年後に第三便を書き終えるまでの長い道程 第五章「旅の記憶」~完結後の後日談 が綴られ、 終章「旅する力」を、「私が旅という学校で学んだのは、確かに自分は無力だということだった。しかし、それは、新たな旅をしようという意欲を奪うものにはならなかったのだ。」と結んでいる。 著者はコラム集『シネマと書店とスタジアム』で「私にとってピート・ハミルは、書いているすべてが共感をもって理解できるという、アメリカのジャーナリストの中では例外的なひとりである」と書いているが、私にとって沢木耕太郎はそうした書き手であり、本書についても旅に関する全て(技術的なものは除く)が語られていると言っても過言ではない。 「旅にはその旅にふさわしい年齢があるのだという気がする。たとえば、わたしにとって『深夜特急』の旅は、二十代のなかばという年齢が必要だった。もし同じコースをいまの私が旅すれば、たとえ他のすべてが同じ条件であったとしてもまったく違う旅になるだろう。残念ながら、いまの私は、どこに行っても、どのような旅をしても、感動することや興奮することが少なくなっている。・・・年齢が、つまり経験が、感動や興奮を奪ってしまったという要素もあるに違いない」。。。全く同感である。 それでも、旅の計画を立てているとき、見知らぬ街を歩いているときの心の高揚感はなんとも言えないもの。これからも、新たな旅を続けたいと思う。 (2008年12月単行本了)
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旅の熱未だ冷めやらず… 日曜日、夢中になって駆け抜けた深夜特急に続編があることを知り図書館のweb検索で見つけたが奇しくも月曜は休館日、そうそのたった1日が待てずにブックオフを2件ハシゴしてまでも読みたい情熱。 内容としては裏話、秘話という程でもなく淡々としたエッセイ然とした造り...
旅の熱未だ冷めやらず… 日曜日、夢中になって駆け抜けた深夜特急に続編があることを知り図書館のweb検索で見つけたが奇しくも月曜は休館日、そうそのたった1日が待てずにブックオフを2件ハシゴしてまでも読みたい情熱。 内容としては裏話、秘話という程でもなく淡々としたエッセイ然とした造りに少々興醒めは否めないがロンドンその後などシリーズ走破した者にだけ与えられる記念メダルみたいなもんかな。 旅の記録は役に立った、こう書けばいいのかと目から鱗…今更ながら。 旅は学校、老いぼれの特待生で復学しますか(苦笑)
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バックパッカーのバイブルと謳われた『深夜特急』の裏側を、著者の沢木氏自身が語っている。 なんとなく勝手に学生時代の沢木氏が主人公なのだと想像していたが、実はその当時から執筆の仕事をしていて、旅に出発したのは26歳の頃だったらしい。更に深夜特急が作品として世の出たのは、旅が終わっ...
バックパッカーのバイブルと謳われた『深夜特急』の裏側を、著者の沢木氏自身が語っている。 なんとなく勝手に学生時代の沢木氏が主人公なのだと想像していたが、実はその当時から執筆の仕事をしていて、旅に出発したのは26歳の頃だったらしい。更に深夜特急が作品として世の出たのは、旅が終わってから10年も経ってからだったそうだ。 本作のタイトルでもある『旅する力』とは、旅だけではなく日常生活や仕事など、人生の局面においても必要な力であるのだと思う、作品中の印象的な言葉を記しておきたい。 ”面白がり方の技術” ”ほんとうにわかっているのは、わからないということだけ” ”風景の中に、不意に私たちの内部の風景が見えてくることがある” ”重要なのはアクションではなくリアクション” ”経験は大きな財産だが、未経験もとても重要な財産なのだ” ”問題は予期しないことが起きるということを予期していないところにある” あの旅が沢木氏に与えた影響は計り知れないものだったと思うし、1970年代の旅行記がいまだに多くの人々に与えている影響は、それ以上に計り知れないのかもしれない。
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深夜特急に書かれていない事がすこしぐらい書いてあったりする本。知らなかったけど、大沢たかおでドラマ化されたんだね。DVD見てみたい気もする。 旅に出たい。ここから抜け出して先(ゴール)が決まっていない冒険に出てみたい。
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「深夜特急」の旅に出るに至った経緯や後日談、サイドストーリーなどを纏めたエッセイ。「深夜特急」自体がそうなんだけど、この人の文章って何となく自分でだんだん悦に入ってくるところがちょっとかわいい(失礼)。しかも、歳のせいかその傾向がますます。このナルシストな旅はどこかで読んだことあ...
「深夜特急」の旅に出るに至った経緯や後日談、サイドストーリーなどを纏めたエッセイ。「深夜特急」自体がそうなんだけど、この人の文章って何となく自分でだんだん悦に入ってくるところがちょっとかわいい(失礼)。しかも、歳のせいかその傾向がますます。このナルシストな旅はどこかで読んだことあるな、と思えば、金子光晴じゃないか…。深夜特急ではあまり重要なパートを占めてこないヨーロッパ編は何だったのかのあたりは新しいストーリーでふんふんと読んだ。そして旅の適齢期、って言うあたりは、ちょっと寂しい気分にもなりつつ、今の年にふさわしい旅をしようと言う気にも。
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