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紫式部の欲望 の商品レビュー

3.6

35件のお客様レビュー

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2023/09/08

源氏物語を作者の紫式部の隠れた欲望の表れとして、読み解いたエッセイ。 軽めに、現代の女性が抱きそうな感覚で書かれているので、サラサラと読み通せた。 紫式部に対する観察眼が鋭く、心の中のもやっとした意地悪さだったり、妄想や、願いをを物語の中に吐き出しているという考察に、なるほど...

源氏物語を作者の紫式部の隠れた欲望の表れとして、読み解いたエッセイ。 軽めに、現代の女性が抱きそうな感覚で書かれているので、サラサラと読み通せた。 紫式部に対する観察眼が鋭く、心の中のもやっとした意地悪さだったり、妄想や、願いをを物語の中に吐き出しているという考察に、なるほどなと思わされた。 現代女性は光源氏のキャラに、いい印象は抱かない人が多いように思うが、男性は、どう感じるのだろうかとも思った。 筆者は、光源氏は、精神を少々病んでいるのではないかと最初は思ったそうだが、原文を辞書を引きながら読み解き、その面白さを直に知ったという。 原文を読む気には、なれないが、また現代語訳の源氏物語を読んでみようという気になった。

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2023/04/10

『源氏物語』は紫式部の希望を散りばめた作品、ですね。 紫式部さんは、意地の悪い方でもありますね。おかげで、面白い小説になりました。 1000年経っても読みつがれるなんて、まだまだこれから先も読みつがれていきますね。

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2022/06/17

「はじめに」でいきなり出会った「まがまがしい」という形容詞。昔から、それこそ『あさきゆめみし』の少女時代から、光源氏の漁色に対して感じてた、気持ち悪さ。膝ポン。そう、正にコレでしょ。さて、小見出しの「…したい」に紫式部の鬱屈した思いを解説している体を装いつつ、実は現代女子の「ある...

「はじめに」でいきなり出会った「まがまがしい」という形容詞。昔から、それこそ『あさきゆめみし』の少女時代から、光源氏の漁色に対して感じてた、気持ち悪さ。膝ポン。そう、正にコレでしょ。さて、小見出しの「…したい」に紫式部の鬱屈した思いを解説している体を装いつつ、実は現代女子の「あるある」が炸裂。面白かったー。 ところで光源氏の二大タブーって、最初に気づいたのは寂聴さんなんですね。さっすがー。

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2019/04/29

本書の冒頭で指摘されているのだけれど、『源氏物語』って創作物(物語)なのだということを改めて思い出させてくれた。「宇治十帖」まで達して何か既視感のような感じ。そこで、はたと気がついたこと。匂宮:キリト、薫:ユージオ(by「ソードアート・オンライン」)という見方ができるのではないか...

本書の冒頭で指摘されているのだけれど、『源氏物語』って創作物(物語)なのだということを改めて思い出させてくれた。「宇治十帖」まで達して何か既視感のような感じ。そこで、はたと気がついたこと。匂宮:キリト、薫:ユージオ(by「ソードアート・オンライン」)という見方ができるのではないかと。光源氏が「ボロ屋萌え」なのだという指摘は、たしかにと納得しつつ苦笑してしまう。何冊か読んだ『源氏物語』関連の本の中で、いちばん登場人物の気持ちが汲み取れた。買ってもう一度読んでもいいと思う一冊でした。

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2017/01/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『源氏物語』の解体新書とでも言うべきか。 改めてこうやって解説されると、光源氏ってホント屑だな……という感想になる。 仕事はできるし優秀なんだろうけど、女関係だらしなさすぎ……みたいな。 現代に生きる私たちが思う『源氏物語』ってなんだか高尚なもののように感じるけど、同時代人にとっての『源氏物語』は、今でいう少女漫画とか官能小説みたいな感じだったんだろうなあ。 同時代人の読者たちはきっと、私たちが「はぁ~( *´艸`)」とか、「萌え~(*´Д`)」とか思うのと同じ感覚で読んでいたのではないだろうか。

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2016/08/29

源氏物語を通じて紫式部や時代を考察している本です。 サバサバと言い切っていく書き方に面白く読ませてもらいました。 おそらく酒井さんの本は読むの初めてだと思うんだけれど好きになりました(笑) 紫式部って人や物事に対しても何でも考えすぎる人なんでしょうね。 もうちょっと楽になれば...

源氏物語を通じて紫式部や時代を考察している本です。 サバサバと言い切っていく書き方に面白く読ませてもらいました。 おそらく酒井さんの本は読むの初めてだと思うんだけれど好きになりました(笑) 紫式部って人や物事に対しても何でも考えすぎる人なんでしょうね。 もうちょっと楽になればいいのに…。 多分私も紫式部と同じタイプだから何となく気持ちがわかります。

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2015/02/09

源氏物語を原文で読み終えた酒井氏は、紫式部という女性に興味を持った。受け身であることが女性に求められた時代に彼女が源氏物語を書いた理由を鬱屈した己の欲望を発散させるため、と定義して読み解く。 氏の軽めのエッセイを読み慣れた身にはかなりしっかりと読み応えを感じる作品だった。氏はど...

源氏物語を原文で読み終えた酒井氏は、紫式部という女性に興味を持った。受け身であることが女性に求められた時代に彼女が源氏物語を書いた理由を鬱屈した己の欲望を発散させるため、と定義して読み解く。 氏の軽めのエッセイを読み慣れた身にはかなりしっかりと読み応えを感じる作品だった。氏はどちらかと言えば清少納言タイプだと思うけれど…

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2015/02/03

狭い自由の中で発酵していく嫉妬や憧れ、尊敬や復讐心。 こうあるべき、が強すぎる環境にいると人はいやな人間になって行くのだなあ それが人間臭さと言われればそれまでなのだけれど、感じたくない腐臭でしかないや

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2014/11/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

女性の心理は複雑で面倒だとおもう。 紫式部は「自信」と「卑屈さ」を持っていて、「自己顕示欲」は強いけれど、一方で「世間体」を気にして自分の気持ちをストレートに表現できない。 生きるのがしんどい人だった。 だから自分の持つ感情をたくさんの登場人物に代弁させて、自己顕示していたのが面白い。

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2014/06/12

「源氏物語」に登場する光源氏や女性たちを掌で扱うように、切れ味よく、ユーモアたっぷりに心理分析をしています。著者は「源氏」を読んだのは三十路になってから、辞書を引き引きだったといいますから、羨ましい才人ですね。

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