心はあなたのもとに の商品レビュー

村上龍【著】

2012/03/03

８時間程度で読了。

人生に不自由のない投資家と、Ⅰ型糖尿病患者である元風俗嬢との話。

こう書いてしまうと非常に軽い内容に思えてしまうが、
なんとも葛藤の多いシーンが多く感じた。
また時系列での登場人物の心情変化が非常に細かく描かれており、感情移入がしやすかった。
微細なところまで表現されているからこそ、惹きこまれるのかもしれない。

I'll always be with you ,always.非常に深い言葉だと思います。

2017/07/02

１型糖尿病に苦悩する香奈子のパーソナルな希望を記した小説。
昨年発行で龍さんの長編では最新作ですが主題は彼の過去作品群から連なるもので、
「迷ったら、最優先事項を明らかにして決断すること」と
「誰かを幸せにしたいなら、先ずは自らが自立するための基盤を創ること」、
この２つのメッセージが本作でも強烈に描かれています。
生き残るために風俗嬢となった香奈子、支える投資家の西崎。
５００ページを超える長編ですが、２日で読了するほど惹きこまれます。

2012/02/03

この忙しいときに、逃避するように恋愛小説にのめりこんでしまいました。
後半はほぼ義務感で読んでいた。

結局は不倫の話で、何の参考にもならないのだけれど、
相手と一緒にいられない時に送るメールに「心はあなたのもとに」と添える可愛げはいいなぁと思った。

2012/01/21

自分は1型糖尿病です。
普段、村上龍なんて全く読まないけど、
1型が出てくると聞いたので、読んでみた。

1型のデタラメがたくさん書かれていると聞いたけど、
それほど、多くの間違いは無かったように思う。
確かに肘の裏になんか注射打たないし、毎回食後に打つという事もない。
血糖値を測定している描写もなかったり、
1型人にしてみたら、「ん？」って感じはあるかも。
それに香奈子さんの死因も体調不良も原因は不明。
1型が原因とは書いて無い…
それよりも、村上龍の小説で1型を取り上げてくれた方が大きい。
これ読んで、糖尿病に型があるんだって、
凄い美人さんでもかかる糖尿病があるんだって知ってもらえれば、それでよし。

ただ・・・ツマラナカッタ。
文章は巧いなぁと思うけど、 イライラするし、まったく共感できない。
久し振りに途中で投げ出しそうになったよ。

もう村上龍読むことないだろうなぁ…
買わないで図書館にしといて良かった。

2011/12/25

2011/12/25 18:23
村上龍が、今、どういう対象に接しているのか、が知りたかったから読む。
「神経がすり減っている→ゴールを意識しないで、前進
はしているという意識を持って進む。」

2011/11/21

何か色々イラッとする。
金持ち親父の道楽恋愛と男に依存する元風俗嬢…
何一つ共感出来ない。

「I'll always be with you,always.」

2011/10/24

経済的には十分に余裕がある中年男「わたし」と糖尿病Ⅰ型という難病を患う30歳過ぎの元風俗嬢「香奈子」との不倫の物語。

というと下世話に聞こえるが、決して厭らしいだけではない。
生々しい性描写もけっこう出てくるが、それなのにどこかプラトニックに私が感じるのは、成功者である「わたし」がお金には不自由せず妻と娘のいる家庭でも幸せだと思いながら、「香奈子」との関係に絶えず葛藤と憂鬱と幸福感を感じているからだろう。
この二人の心の距離感にとても共感する。
近づき過ぎず、離れ過ぎず。
若い頃には保てなかったであろう間合いに哀愁と心地良さを感じる。

村上龍の作品はグロテスク（血が流れ肉片が飛び散る系）なものしか読んだことがなかったので、こういう作品も書くのかととても新鮮。
直近が『歌うクジラ』だったし。
この人のこういう作風のものをもっと読んでみたい。

2011/10/15

1型とか2型とか糖尿病に型があることは初めて知りました。それにしても、ストーリーに説明的内容といったらいいのか、情報量が盛り込まれ過ぎなきらいがありました。それでも、公園に白木のベンチを寄贈。I'll always be with you,alwaysのプレートをつけて…での終わり方にはぐっときました。

2011/10/15

投資組合を経営する既婚の西崎健児と
風俗嬢で１型糖尿病を患う四条香奈子との
不倫関係を綴る物語です。
印象に残ったところを引用に残したいと
思います。

2011/09/25

お金と女の子が好きな方に読んでいただきたい作品。
村上龍の、贅を知り尽くした表現が、下々の僕らの欲望をかき立てます。