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ジェノサイド の商品レビュー

4.3

1481件のお客様レビュー

  1. 5つ

    711

  2. 4つ

    462

  3. 3つ

    156

  4. 2つ

    32

  5. 1つ

    14

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2011/07/13

超大作! 日本、コンゴ、アメリカを舞台として、人類の命運をかけたストーリーが展開する。 同種間で大量虐殺を行う唯一の種であるヒトに未来はあるのか。 難病の息子の治療費を稼ぐために困難な極秘任務を引き受けたアメリカの傭兵、父の遺志を継ぎ新薬開発を目指す日本人大学生、巨大な権力を握る...

超大作! 日本、コンゴ、アメリカを舞台として、人類の命運をかけたストーリーが展開する。 同種間で大量虐殺を行う唯一の種であるヒトに未来はあるのか。 難病の息子の治療費を稼ぐために困難な極秘任務を引き受けたアメリカの傭兵、父の遺志を継ぎ新薬開発を目指す日本人大学生、巨大な権力を握るアメリカ大統領と彼のやり方に疑問を持つスタッフなど、異なる視点からヒトの様々な側面を鮮やかに描き出している。中盤までは専門用語や、視点が頻繁に切り替わるので物語がどこに向かっていくのがが読めず少々苦労したが、あとは一気読みだった。 研人の薬物合成のエピソードは、いくら万能のソフトがあってもそんなにうまくいかないだろという気はするが、彼が事件を通して科学者として目覚めていく過程はいいなと思った。ラストの父からのメッセージは泣ける。 フィクションとはいえ、描かれているアフリカの惨状はほぼ事実であるのだろう。読み進むとヒトがいかに愚かな生物であるかを突きつけられるが、それでも希望を感じさせるラストなので読後感はいい。お見事。

Posted byブクログ

2011/07/13

なんて美しい小説なんだろう。 ラスト数ページで、それまでのハラハラドキドキ早くページを繰りたくて仕方のない気持ちから、一気に印象が変わる。 人間の醜さ、残虐さをこれでもかこれでもかと見せつけられておきながら、ラストはとてつもなく美しかった。 泣けた。 こんな小説を読めるのだから、...

なんて美しい小説なんだろう。 ラスト数ページで、それまでのハラハラドキドキ早くページを繰りたくて仕方のない気持ちから、一気に印象が変わる。 人間の醜さ、残虐さをこれでもかこれでもかと見せつけられておきながら、ラストはとてつもなく美しかった。 泣けた。 こんな小説を読めるのだから、人生って楽しいじゃありませんか。

Posted byブクログ

2011/07/11

かなり面白かった!アメリカ、コンゴ、日本の流れが次第に一つになっていく流れにワクワクしてドキドキした。

Posted byブクログ

2011/07/10

見事な作品! 設定は斬新、ストーリーはよどみなく、スリル満載。科学的な考証などもしっかりとして、安定感がある。直木賞とってほしいです。 

Posted byブクログ

2011/11/19

2011ナンバーワンはもう決定かも。噂にたがわぬエンタテインメント超大作!こんなすごいものを日本人の作家が書き上げたなんて…。 現人類の知性では予測困難な複雑系の世界。もし、それを瞬時に把握するほどの新たな知性が現れたらー。 何といってもこの命題が秀逸だと思う。 人類を、「ジェ...

2011ナンバーワンはもう決定かも。噂にたがわぬエンタテインメント超大作!こんなすごいものを日本人の作家が書き上げたなんて…。 現人類の知性では予測困難な複雑系の世界。もし、それを瞬時に把握するほどの新たな知性が現れたらー。 何といってもこの命題が秀逸だと思う。 人類を、「ジェノサイド」のタイトル通り、同種間で大量虐殺(ジェノサイド)を行う唯一の存在と定義。人智を超えた新たな知性を巡り、人類の残虐性を描く。

Posted byブクログ

2011/07/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読みました…。今年読んだ本たちの中では、今のところ最高です。この疾走感、ストーリーの組み立て、大学院生のケント、傭兵のイェーガー、CIAのホランド、ルーベンス、そしてアメリカ大統領バーンズ。人物設定が驚くほど巧みです。 ジェノサイドというタイトルと、物語の冒頭で紹介されるピグミーの話から、アフリカの部族の虐殺をテーマにしているんだろうという先入観で読み始めたんだけど、物語は、新人類の誕生と、それを抹殺しようとするアメリカ大統領と、それを守ろうとする国籍や国境を越えたチームとの戦いへと進んでいく。ジェノサイドは、一民族や一指導者の狂気が生み出したものではなく、現人類たるホモサピエンスが、生物的に内包するDNAに刷り込まれた業のようなものなのか と問いかけてきます。 作者の科学的な教養・知識に、脱帽です。 ところで、本の内容とは一切関係ないんだけど、文中に気になった情報が: 世界中を征服して殺戮と美女とのセックスライフを毎日楽しんだチンギス・ハンは、存命中に数限りない子孫を残したのだが、彼のDNAを受け継ぐ子孫は、現在世界中に3200万人になっているとのこと。すこしうらやましいね。

Posted byブクログ

2011/07/10

なんとなく図書館でてにとったら、高野氏の本だった。幽霊人命救助隊、13階段、グレイヴディッカーに続いて4冊目。この作品も、超面白い。人類を超える人類の登場をめぐってアメリカ、アフリカ、日本と3つの場所で人類滅亡を防ぐストーリーが展開される。他地点での展開はいつも頭がついていきにく...

なんとなく図書館でてにとったら、高野氏の本だった。幽霊人命救助隊、13階段、グレイヴディッカーに続いて4冊目。この作品も、超面白い。人類を超える人類の登場をめぐってアメリカ、アフリカ、日本と3つの場所で人類滅亡を防ぐストーリーが展開される。他地点での展開はいつも頭がついていきにくいのだが、ぐいぐいひきこまれてあっという間に読めちゃった。 読んでそんなし。星4つ。ありがとう!

Posted byブクログ

2011/07/08

壮大でハイレベルな物語。 日本の作家の手による作品とは驚きだ。 コンゴのジャングルでのミッション、 アメリカでのポリティカルサスペンス、 日本での難病の新薬開発、 3 つの流れが複雑に絡み合い、 徐々に真相が明らかになる物語は見事である。 傑出した作品であると思う。 形而上的な領...

壮大でハイレベルな物語。 日本の作家の手による作品とは驚きだ。 コンゴのジャングルでのミッション、 アメリカでのポリティカルサスペンス、 日本での難病の新薬開発、 3 つの流れが複雑に絡み合い、 徐々に真相が明らかになる物語は見事である。 傑出した作品であると思う。 形而上的な領域にやや踏み込みかけているが、 ドップリにならなかった分、 リアリティが増しているのかも。 やや予定調和なエンディングも今回は気にならなかった。 平成 23 年度上半期の直木賞候補になっているのはご愛嬌?

Posted byブクログ

2011/07/08

同一種族内で大量殺戮を行う唯一の生物である人間。その理性や知性、残虐性。人間の持つ本能こそ人間が越えられない壁。久々に読み応えのあるサイエンスフィクションでした。

Posted byブクログ

2011/07/07

怒涛の展開に一気読み。知的好奇心と、日常では得難い感情を刺激され、久々に小説の素晴らしさを実感できた。 急死した父の謎の遺志を追うという導入部分からして引き込まれる。序盤は専門用語に苦労したが、後の展開を予想させるしっかりした文体と構成に助けられた。アメリカ政府と大学院生、そ...

怒涛の展開に一気読み。知的好奇心と、日常では得難い感情を刺激され、久々に小説の素晴らしさを実感できた。 急死した父の謎の遺志を追うという導入部分からして引き込まれる。序盤は専門用語に苦労したが、後の展開を予想させるしっかりした文体と構成に助けられた。アメリカ政府と大学院生、そして組織に雇われた傭兵──視点は目まぐるしく変わり、全員が何を問題視してるのか判明する中盤までの運び方は素晴らしい。もうここまで読めば傑作だと確信してるので、あとはストーリーの流れに沿って身を任せるだけ。 中盤以降は色々と考えさせられた。知能という武器を手にする一方で、醜い欲望のままに増殖してきた下等動物としての人間の、現在・過去・未来とはいかに残酷で不安定か。人を救うことと滅ぼすことが、実は表裏一体かもしれないと思わせる警告の書でもある。  謎の遺志を発端に、科学、戦争、さらには謀略や狂気まで、エンタメ小説としてのボリューム感は半端ない。善悪の描き方に多少のデフォルメが見受けられるものの、どちらか一方に偏らないバランスや、綿密な取材に裏打ちされたリアリティなど、ただのエンタメでは終わらない。作品のスケールと、そこから突き破ってこちらを攻撃するインパクトは、最近では『犬の力』と同じような感触かも。読後は疲労感が襲ってくるが、健全で心地よい疲れである。 間違いなく作者の代表作。この手のジャンルの代名詞となるかもしれない。国内はもちろん、翻訳でも本作品を超えるのは困難だろう。国内ミステリでは数年に一度の大ヒット。今年の後半は消化試合の様相を呈してきたが、これ一作で十分と言わせる傑作だった。

Posted byブクログ