TPP亡国論 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
遅ればせながら呼んだTPP関連の本。あいかわらず、中身が分からないTPP交渉。農業VS工業。保護貿易VS自由貿易。そんな二項対立しか見えてこないが、本書はそうした議論を超えて論じていた。TPPは実質日米FTAで、日本の輸出は伸びないどころか、アメリカの金融と農業輸出が日本向けに拡大するという議論は納得できる。政府はTPPを通じてグローバル企業の収益拡大を経済成長につなげたいとしているが、グローバル企業の利益と国の利益は一致しない現状であり、国内の労働力はますます安価になる上に、関税障壁をなくし安い産品が入ってくると、デフレがさらに進むと指摘。経済成長は達成できない。アジアの成長を取り込むとしながらも、韓国や中国の参加が見られな矛盾。こうした指摘に政府はどう応えるのか…。 「知的財産」「国有企業」「環境」など多様な議論の背景を知りたかったのと、安全保障とTPPは結びつかないとしつつ、日本のアメリカ追随批判・尖閣・北方領土問題を背景に「アメリカから軍事的に自立」を匂わせたナショナリズムはもう少し議論を深めて欲しい。
Posted by
TPPについてはTVや新聞ではなく、ネットで情報を集めた方が本質がしっかり見えてくる。 この人の解説は分かりやすくて頭に入りやすい。 TPPは問題点が多すぎると感じる。 けど、賛成派の人がものも読んで比べてみようと思う。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
TPPに対して真剣に考えるきっかけをつくってくれる本。ここに書かれていることが正しいのかどうかは知識がないのでわからないが、なるほどそういう見方もあるかという気持ちにさせてくれる本。
Posted by
他に何冊かTPP関連を併読しているが、反対論としては的を射た内容。中国韓国が乗ってこないTPPは、実質的に日米二国間関税協議となり、かつてのカナダと同じ道をたどるとの指摘。格差社会が広がることだけは確か。
Posted by
TPP参加など論外、という結論に至るまで客観的なデータとともに分かり易く描かれている。この分野の知識がなくても十分読み込める。
Posted by
TPP反対論者の本。 ・日本にとって輸出はGDPの二割にしか過ぎないし、日本の関税率はすでに低水準。だから今更TPPに参加したからって日本への恩恵は少ない。 ・参加国の貿易額の内の約65%はアメリカ。日本が約27%。その他の国はわずか5%にしか過ぎない。結局はアメリカと日本のF...
TPP反対論者の本。 ・日本にとって輸出はGDPの二割にしか過ぎないし、日本の関税率はすでに低水準。だから今更TPPに参加したからって日本への恩恵は少ない。 ・参加国の貿易額の内の約65%はアメリカ。日本が約27%。その他の国はわずか5%にしか過ぎない。結局はアメリカと日本のFTA交渉に過ぎない。 ・APEC会議の成果として急遽、当時の菅直人首相が掲げたことが始まり。本当の狙いはアメリカではなく、EUとのFTA締結。 ・日本はアメリカからの依存を脱却せねばならない。 TPP。先日の参院選でも争点で、この前日本も交渉入りした。けど未だに内容がよく分かっていない。だからこそ反対論者と賛成論者の本をそれぞれ購入して読んでみた。 結局、TPPの参加すべきかどうかは分からない。どちらにとっても都合のいい論理を並べているような気はするし、僕の頭のレベルでは理解できていない。 けど、結局アメリカと日本のFTA交渉にしか過ぎないというのは納得出来るし、それで自動車関連の関税が撤廃されないのであれば日本にとってメリットはほとんどない気はする。それよりもASEANだとかロシアだとかの交渉に精を出した方が国益があるんじゃないのとも思う。 そもそもこんなことをしようがしなかろうが、世界はグローバリゼーションに向かっていて、農業なんてそのうち飲み込まれてしまうし、工業だって競争力がなければ衰退してしまう。それには通貨水準も有効だし、何より世界で戦える技術、iPhoneのようなヒット商品が重要になってくる。そういう技術開発に時間とお金を割いた方がいいんじゃないかな。
Posted by
TPPの一面を、面白くそして分かりやすく説いてくれる一冊です。 これを読み終えると、とてもTPPに賛同は出来ません。
Posted by
少子高齢化などに関し多少間違った解釈なども含まれているが、全体として説得力がありTPPに対する日本の浮ついた姿勢に真っ直ぐ疑問を投げかけている。
Posted by
反TPP本として話題になったきがする。METI官僚が反対してるって点でもキャッチーな気もするけど、論理的に解説すると言ってる割には微妙だったりする。METI内でもキワものらしく、やはりキワモノ本と言わざるを得ないかな。
Posted by
以下まとめ 政府の考える意義 1.経済効果の側面 2.外交戦略上の側面 TPP参加国は小さい国(GDPは日米で9割)⇒実質日米FTA 最終消費地であるアメリカの消費の落ち込み⇒従来までの貿易構造は破綻(グローバル・インバランス) アメリカの輸出倍増計画の目的 1.グローバ...
以下まとめ 政府の考える意義 1.経済効果の側面 2.外交戦略上の側面 TPP参加国は小さい国(GDPは日米で9割)⇒実質日米FTA 最終消費地であるアメリカの消費の落ち込み⇒従来までの貿易構造は破綻(グローバル・インバランス) アメリカの輸出倍増計画の目的 1.グローバル・インバランスの是正による世界経済の再建(互恵的) 2.国内雇用の拡大(利己的) TPP参加 アメリカの目的 ⇒利害一致国と協力した、日本市場の開放に伴う輸出増 経常収支とは ⇒黒字:貯蓄>投資 赤字:貯蓄<投資 ⇒経済成長という観点でみれば、それ自体に適切な水準はない。 デフレとは ⇒需要不足・供給過剰が続くことにより発生する、継続的な物価の下落(貨幣価値の上昇) ⇒投資の抑制 デフレと自由貿易 自由貿易には物価を下げる効果 ⇒デフレ時の自由貿易推進は望ましくない 日本人の思考のブレーキ ⇒対米依存感情
Posted by