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TPP亡国論 の商品レビュー

3.9

186件のお客様レビュー

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2011/04/02

本書を読むまでは、TPPはグローバル経済の象徴として、当然参加すべき、参加しないのは農業保護と選挙のため、と正直なところ考えていました。反省します。あまりにも思考停止でした。 TPPの参加国を見ると実質日米間の契約であり、既存の日本の低関税や現在の円高の状況からみると日本の輸出...

本書を読むまでは、TPPはグローバル経済の象徴として、当然参加すべき、参加しないのは農業保護と選挙のため、と正直なところ考えていました。反省します。あまりにも思考停止でした。 TPPの参加国を見ると実質日米間の契約であり、既存の日本の低関税や現在の円高の状況からみると日本の輸出が拡大することは難しい一方で、アメリカからは大量に農産物が輸入されることになる。それこそ、リーマンショック後の国内経済復興を図るアメリカの意図である。 さらに、日本のデフレの現状において、低価格の商品が輸入されると、デフレがさらに深刻化する恐れがある。 日本が当面とるべき策はTPPではなく、積極的な公共投資によるデフレの克服である。 この主張について、公共投資の有効性以外については同意せざるを得ないと思います。確かにTPPは危なさそうだ。。 では、なぜこれほどまでにTPPを強引に進めようとするのか。ここからは著者の主観も入っているとは思いますが、それは、アメリカの軍事力の傘下で経済成長と繁栄を謳歌した日本の政府、経済人の多くが、変化を望んでおらず、今回もアメリカに追従することで、これまでの繁栄を維持したいという心理の表れだと。 政府、経済界、メディアのほとんどがそこまで同じ考えを持っているのかについては疑問ですが、確かにここまでTPPに同意する論調が多いと、逆に不安にはなります。同じレベルで、TPP賛成者からもきちんとした論拠をもとにした意見を聞いてみたいです。

Posted byブクログ

2011/04/04
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※このレビューにはネタバレを含みます

本の言いたいことはTPPはいらないってこと。 政治主導、外交においてのTPPの意義を考えるべきだと思う。将来のアジアで日本が果たすべき主導力は何かという点を真剣に考える時期なのでは? アメリカに頼る貿易ではなく、将来台頭して来るアジア諸国に対してより大きな影響力を発揮できるという可能性があるなら、この変化も必要なのではないだろうか。 日本で内需がGDP8割あるのだから、輸出を積極的に進めるべきだろう。米国も輸出拡大で国内雇用の拡充を図ってるのだから、参考にすべき。 ただし最大の障害として、外国に対してプレッシャーを与えられる輸出品(例えば、石油、食料)が日本には無いことだろう。 この問題にこそ、貿易戦略を集中させることが大事だろうと感じた。

Posted byブクログ

2011/03/26

経済産業省から出向し、現在、京都大学大学院助教の著者が、日本のTPP参加に対する警鐘を鳴らしたもの。 本書を読み、自分でいろいろ考えても、メリットよりも圧倒的にデメリットが多いのがTPPかなと。 是非多くの方に読んでいただきたい本です。

Posted byブクログ

2011/03/21

マスメディアも今やTPPに大賛成。何か違和感を感じないだろうか?本当に日本のためにTPPはいいのだろうか?賛成論者にも普通の反対論者にも読んで欲しい。日本という国を守ることをしっかり考えた上でのTPP反対論がここにある!

Posted byブクログ

2011/03/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

著者は経済産業省出身者。TPPが良いとか悪いの前に、総合的な判断もないままTPP加盟という方向で進んでいる現状を危惧している。そもそも、TPP加盟すると関税は撤廃されるが、日本から輸出できるような対象市場は米国のみ。米国は貿易赤字を少しでも減らす政策を打っており、そうすると、米国の輸出対象市場は日本市場ということになる。つまり、日本に加盟のメリットはほとんどないのではないか。そのような分析もなされず、“開国”などのワードで世論を導く手法を批判。また、それにより、世界に対して日本のネガティブな面をキャンペーンすることになってしまう。 世の中のゆがみ、政策の手法に対して再考するよう促すような書籍となっている。 なお、経済学の基本的な仕組みについても記述されており、経済の仕組みやデフレ脱却のためにはどうするべきか、等についても非常に勉強になった。

Posted byブクログ

2011/03/20

気鋭のTPP評論。ほぼ同時期に出た『TPPが日本を壊す』(廣宮孝信)が国民生活や地方政治の観点からTPPに反対していたのに対し、本書ではマクロ経済や政治(特に外交)の面からTPPを批判しているのが大きな違いと言えると思います。 主要なTPP賛成論を次々に俎上に乗せて検証していく前...

気鋭のTPP評論。ほぼ同時期に出た『TPPが日本を壊す』(廣宮孝信)が国民生活や地方政治の観点からTPPに反対していたのに対し、本書ではマクロ経済や政治(特に外交)の面からTPPを批判しているのが大きな違いと言えると思います。 主要なTPP賛成論を次々に俎上に乗せて検証していく前半も面白いですが、一番の読みどころは後半のTPPをきっかけに食糧安保としての外交政策を考え、日本人の思考法の根っこにある「歪み」をあぶり出していくところでしょう。あまり馴染のない外交戦略について非常に勉強になると同時に、TPP問題の根深さを思わずにいられません。

Posted byブクログ