小銭をかぞえる の商品レビュー
本作は女性と同居する様になった著者のエピソードが二本収録されている。 どちらもほんの些細なきっかけで怒りのあまり我を忘れて女性に罵声を浴びせてしまう自分の狭量さを悔やみつつも、その喧嘩を丸く収めようとする女性の態度が自分を懐柔するための醜い所作にしか見えずに、また余計な事を口に...
本作は女性と同居する様になった著者のエピソードが二本収録されている。 どちらもほんの些細なきっかけで怒りのあまり我を忘れて女性に罵声を浴びせてしまう自分の狭量さを悔やみつつも、その喧嘩を丸く収めようとする女性の態度が自分を懐柔するための醜い所作にしか見えずに、また余計な事を口に出して(時には手を出して)泣かせてしまう骨の髄までしょうもないクズ男の話だ。 徹底的に自身のクズっぷりを文章で表現し、道化とする事で人間誰もが持っている浅ましさ、醜さを描き出し、読む人の胸を突き刺す手法は相も変わらず見事。 ただ本作は献身的な女性に、ほんのチョットしたミスで激昂し相手を傷つけてしまうのかが(特に女性には)理解し難い部分がチラホラ見受けられた。 著者の夢である某作家の私家版全集発行のために、実家から300万円も借金をしてくれた内縁の妻であり、「私」はほぼヒモのような生活を送っているのだから大切にするならともかく、(言葉の)暴力を浴びせる事は無いだろうに。
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クソ本。 主人公(私小説だから作者本人?)は俺の一番嫌いなタイプの人間。 苦役列車はまだ読んでないからなんとも言えんけど同じようなかんじだったらよく芥川賞とれたなぁというかんじ。
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『苦役列車』を読んで、西村氏の本を読んでみたくなり、手に取りました。 相変わらず、読みやすい文章は好きで楽しかったのですが、 主人公の横暴さが『苦役列車』以上に増していて、ところどころ辟易する部分も^^; 貫太のその後も気になり、もう一冊読んでみたいとは思いますが、 主人公の...
『苦役列車』を読んで、西村氏の本を読んでみたくなり、手に取りました。 相変わらず、読みやすい文章は好きで楽しかったのですが、 主人公の横暴さが『苦役列車』以上に増していて、ところどころ辟易する部分も^^; 貫太のその後も気になり、もう一冊読んでみたいとは思いますが、 主人公の屈折し過ぎる性格がうつってしまいそうなので。。。^^;、 ちょっと他の本を読んでから、また読んでみたいなと思いました。
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それなりに面白い。ただ、ネタが同居していた元ウェイトレスの女ばかりなので、ちょいと飽きてきたというもの事実。
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元来、本好きだが、文学的な小説は滅多に読まない。練り込んだ話ではなく、私の話と言うのがどうも読んでてしっくり来ないから。でも、この私小説は少し楽しめた。それは作者の私のハチャメチャさ故だろう。実際こんな人物、近くにいたらさぞかし迷惑なんだろうな。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
苦役列車が映画化される西村賢太の代表作である私小説。 モノを書くことや作ることの創造性と、カネにならなさの乖離は今さら言うまでもないことだが、それに加えて仕事ゆえか元来の性分なのか、どうしようもない社会性のなさが、あくまで主体的な視点から描かれる。時代感は昭和40年か50年代の感じなのだが、このメンタリティーは普遍なのかもしれぬ。 グローバルにつながるネットワークの外におかれる人物に焦点を当てて、さらに時代を切り取っていく感じになるともっと話に深みが出るのだと思うが、なかなか取材も大変なのかもしれぬし、まあこれはこれで、西村賢太だから許される世界、ということになればよいのかも。 町田康のあとがきは、これまた素晴らしく言い得て妙。 映画化される苦役列車が、どのように現時代性を持つか、山下監督にも今から期待している。
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自分の読書は芥川賞より直木賞!であるが、受賞したときの風貌とコメントが印象に残っていた西村さん。中編2本が収まったものが文庫であったので、このくらいなら読めるかも、と手に取ってみました。私小説というのは読んでいて他人の日記帳(公開前提のブログとかではなくひっそり付けるもの)を覘い...
自分の読書は芥川賞より直木賞!であるが、受賞したときの風貌とコメントが印象に残っていた西村さん。中編2本が収まったものが文庫であったので、このくらいなら読めるかも、と手に取ってみました。私小説というのは読んでいて他人の日記帳(公開前提のブログとかではなくひっそり付けるもの)を覘いているようで何とも言えない気持ちになった。同居する女がパートで働いた金で暮らしながら、敬愛する作家の没後弟子として作家の全集を出すために古本を蒐集し全集原稿の校正をする男。全集を出したいという純粋な気持ちにうそ偽りは無いが、実益のあることは一切しないくせにタバコを吸い酒を飲み、生活費をかせぎ家事をしてくれる女につまらぬことで小言を言い、小言を言っている間に自分の感情に振りまわされて罵詈雑言を投げつけてしまい、言ったそばから後悔するその様を、独特の明治のような日本語で語っています。人間というものは理屈で全く説明できない面倒な生き物だと思いました。しかし、漢字が読めない、、、。読めないから検索もできず、かといって漢字辞典を引く手間を惜しみ、読めない箇所はなんとなくフンイキで流し読み。すみませんという気持ちと、読めなくて悲しい悔しいという気持ちと半分半分。言い回しや使われている漢字は日常的にふれないものも多かったですが、内容は特に難解なわけではなく、特に苦労したりせずに読了。
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西村賢太、ちょっとくせになりそう。ここまで書いちゃう?感じが太宰的?もっとヘビーだし、嫌悪感があるのにもっと読みたくなってしまう感じがすごい。読後一週間くらい経って、「あー・・・自分にもそうい所あるなぁ・・・」と思わされる感じも不快感なのに、怖い物みたさ?のような感覚になりました...
西村賢太、ちょっとくせになりそう。ここまで書いちゃう?感じが太宰的?もっとヘビーだし、嫌悪感があるのにもっと読みたくなってしまう感じがすごい。読後一週間くらい経って、「あー・・・自分にもそうい所あるなぁ・・・」と思わされる感じも不快感なのに、怖い物みたさ?のような感覚になりました。町田康が解説に書いている内容に納得です。
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2012/01/13 これは酷い…。しかも、私小説というのだから。 でも、文句無しに面白い。 狂人、奇人、蛮人、人非人。
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2011年の芥川賞を受賞した西村賢太さんの代表作。私小説。自分はろくに働かないわ、女の金を奪い取るわ、暴力は奮いまくるわ、はっきり言ってウジ虫以下の男である。読後、いやな気分になる。でも、気がついたらまた読んでる。みたいな本です。
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