プラ・バロック の商品レビュー
興味の湧く設定で引きつけ、その後も確かな筆力でぐいぐいと進んでいく。これは相当に面白い!かなりの傑作に違いない!と思いきや、いろいろと気になるところが多すぎて、ところどころで説得力に欠け、収束が無理やりになっている感が否めない。 仮想空間が近辺者、関係者の集まりであるわけがないし...
興味の湧く設定で引きつけ、その後も確かな筆力でぐいぐいと進んでいく。これは相当に面白い!かなりの傑作に違いない!と思いきや、いろいろと気になるところが多すぎて、ところどころで説得力に欠け、収束が無理やりになっている感が否めない。 仮想空間が近辺者、関係者の集まりであるわけがないし、わからずやの上司は安っぽいドラマだし、自殺志願者が託した夢に納得感がないし、凄惨な殺人事件とのリンクが希薄だし、犯人があまりにもスーパーマンすぎるし、対決の舞台も現実感がなかった。 本当に面白くて夢中になれただけに、収束の無理やり感だけが悔やまれる。アゲハの成長物語としてだけ読めば、満足はできた。
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冷凍コンテナでの集団自殺と連続首斬事件。女性刑事クロハが颯爽としていて格好良い。仮想空間や自殺掲示板の絡む事件に片仮名表記の人名が解説曰くの明日か明後日的な近未来感でわくわくする。クロハの姉と赤ん坊の甥の存在がちょっとした違和感で気になっていたけれど結末はそうなっちゃうんだという...
冷凍コンテナでの集団自殺と連続首斬事件。女性刑事クロハが颯爽としていて格好良い。仮想空間や自殺掲示板の絡む事件に片仮名表記の人名が解説曰くの明日か明後日的な近未来感でわくわくする。クロハの姉と赤ん坊の甥の存在がちょっとした違和感で気になっていたけれど結末はそうなっちゃうんだという意外さだった。
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躯体上の翼に続き結城充考さんは二冊目。展開が気になって、先を知りたい面白さはあった。でも「今すぐ続きが読みたい!」っていう欲求には至らなかったな。気が向いたら次も買おうかな、くらい。
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ミステリー文学大賞新人賞受賞作ということで読んでみた。 ネット犯罪初期的なストーリーだが、とても面白かった。 登場人物個人の背景がしっかりしており、犯人や謎の人物「タカハシ」などにも共感出来る大作。一気に読めた。 次回作も読もうと思う。
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雨の降りしきる港湾地区。埋め立て地に置かれた冷凍コンテナから、十四人の男女の凍死体が発見された!睡眠薬を飲んだ上での集団自殺と判明するが、それは始まりに過ぎなかったー。機捜所属の女性刑事クロハは、想像を絶する悪意が巣喰う、事件の深部へと迫っていく。
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100ページまで読んで挫折。文章が頭に入ってこなくて、内容を捉えづらかった。カガのことをどうしてもガガと読んでしまうし。こんなに合わない文書は初めてです。女性刑事+猟奇殺人だったらグロいけど誉田さんの方が好き。
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なんだか読みにくくて入り込みにくい文章だった。 意図的にそうしているのか人物名がカタカナ表記になっているのも人間味とか現実感とか全く感じられなかったしただただ文章を連ねているだけで正直最後まで読むのが苦痛だった。
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セカンドライフみたいなポリゴン製電脳空間に殺人犯と女刑事が出会っていた、なんて、懐かしい感じの設定。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
〇 概要 冷凍コンテナから14人の男女の凍死体が発見される。睡眠薬を飲んだ上での集団自殺と判明するが,それは始まりに過ぎず,同様の集団自殺が続いた。連続殺人事件も起こり,捜査が続く。機捜所属の女性刑事,クロハは1週間の期限で捜査に携わる。クロハが事件の深部へと迫る。その真相は…。 〇 総合評価 ★★☆☆☆ 冒頭から,コンテナから14人の男女の凍死体が発見され面白そうな謎と思わせるが,それだけ。そこからの展開は,ミステリ慣れした読者の裏をかかず,素直な展開が続く。情報過多にならないように,起こった事件や登場人物のセリフなどの伏線をしっかり回収している点はいいのだが,それだけ。少しは裏をかいてほしかった。 集団自殺者達が作ろうとしていた記念碑が揚羽蝶から揚羽擬態になっていた点は,もう少しふくらませれば面白くなりそうなのだが,この作品では単なる鼓動の嫌がらせにとどまっている。鼓動の存在もありがちで,タカハシの存在もありがち。読者の予想を裏切らず,割り切れない部分や説明がつかない部分がないので,玄人好みの作風なのかもしれない。「どこかで見たような作品」どまりだと感じてしまった。★2で。 〇 サプライズ ★★☆☆☆ 集団自殺は,その動機が謎になるかと思いきや,謎は首謀者は誰かという点と記念碑とは何かという点。首謀者は鼓動という「蒼の自殺掲示板」の管理者。これはミスディレクションとなりそうな人物がいなかったので,さほど驚くことができなかった。人選としてはなかなか,渋いところをついているので,うまくレッドへリングを用意していれば驚けたと思うが…。記念碑が揚羽蝶ではなく,揚羽擬態という蛾だったという点は,プロットは面白いのだが生かされていない。もう少し,深みがほしいところ。集団自殺と連続殺人が絡み,どちらも真犯人が鼓動だったという点は全く驚けず。むしろ,これ以外のストーリーが思いつかない。タカハシがVR空間の管理人であるという点も同じ。「お約束」というか,読者の予想どおりにストーリーが続くという分かりやすさ。サプライズは乏しい。 〇 熱中度 ★★★☆☆ 読者の予想どおりに話が進むので,話の展開としては読みやすいのだが,文章が読みにくい。よく言えば詩的,悪く言えば鼻に付く文章。それなりに熱中できるのだが,物語に入り込みにくい。まるで,出来の悪い翻訳モノを読んでいる印象。話の作り方は,それなりにうまいので,熱中度は普通か。 〇 インパクト ★★★☆☆ 集団自殺が立て続けに起こり,記念碑を作ろうとしている。その記念碑が,揚羽蝶ではなく揚羽擬態になっていたという点はインパクトがある。扱っている事件は新鮮。VR空間を取りまぜた作品全体の雰囲気もインパクトがある。連続殺人とその真犯人が,集団自殺の首謀者だったという点は平凡。取って付けたようなタカハシの存在も平凡。何より,主人公のクロハの存在がどこかで見たような立場で平凡。トータルでは普通のインパクトか。 〇 読後感 ★★★☆☆ クロハの姉の子どもである「アイ」という赤ちゃんが生きているというラストなので,読後感は悪くない。とはいえ,スカッとした終わり方ではなく,それほど良くもない。 〇 キャラクター ★☆☆☆☆ ヒロインのクロハの立場,存在感を始め,捜査主任のカガや,捜査メンバーが,どれもステレオタイプで,警察モノのテレビドラマを見ているような印象を受ける。個性が薄いので,読みやすいといえば読みやすいのだが,キャラクター性は薄い。名前を漢字ではなくカタカナで書いているのは,没個性を狙っているのかもしれない。キャラクター性は薄い。 〇 希少価値 ★☆☆☆☆ 2015年にテレビドラマ化されたこともあって,今はブックオフの100円コーナーでいくらでも手に入る。しばらくはこの状態が続きそう。 〇 メモ 集団自殺は,「蒼の自殺掲示板」の管理人「鼓動」というハンドルネームの人物が指示していた。自殺者達には,集団自殺を行い,遺書を警察にメールで送付して,その添付ファイルで描かれる画像を構築すると「揚羽蝶」になると思わせ,「揚羽擬態」という蛾になるという悪意を有していた。 鼓動は,それだけではなく,自殺志願者を殺害するという連続殺人(自殺ほう助)も行っていた。 そのことがばれそうになると,復讐としてクロハの姉を殺害する。最後は,鼓動は,「タカハシ」という男に殺害される。「タカハシ」はかつて,鼓動が殺害した高橋倖の恋人であり,クロハが訪れていたVR空間の「管理人」だった。
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うーん、なんか警察内のごたごたの方が印象に残って、あんまりはっきりしないまま終わった感じ。クロハの雰囲気は個人的には好きなのだけど。
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