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プラ・バロック の商品レビュー

3.2

124件のお客様レビュー

  1. 5つ

    11

  2. 4つ

    35

  3. 3つ

    47

  4. 2つ

    20

  5. 1つ

    5

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2021/07/18

女性刑事が倉庫となっているコンテナから大量の遺体を発見し、それがやがて大きな事件となって翻弄されていくというもの。 登場人物の表記がカタカナなので多少読みづらい。何か意味があるのかと思ったが私にはわからなかった。

Posted byブクログ

2020/10/29

ネット上の仮想空間と現実世界をリンクさせたミステリー小説。始まりからグイっと惹きつけられる展開だ。 苦言を呈すならば、主要な人物についてはもっと丁寧に書かれるべきではないか、と感じた。 作者の意図も併せて考えるべきなのだが、私にとっては情報があまりにも少なすぎたようだ。 最初か...

ネット上の仮想空間と現実世界をリンクさせたミステリー小説。始まりからグイっと惹きつけられる展開だ。 苦言を呈すならば、主要な人物についてはもっと丁寧に書かれるべきではないか、と感じた。 作者の意図も併せて考えるべきなのだが、私にとっては情報があまりにも少なすぎたようだ。 最初から途中まで出てくる登場人物はそれぞれフワッと存在感が無くなってゆく。読者としては、もっと掘り下げて書いてほしい人物像も、終わってみればかなり不明瞭であったことに気付く。何となく、誰でも良かった感があるのが残念。 主人公の性格も、ちょっと掴みどころのない印象で、明確な人物像を描くには至らなかった。 3Dデータ云々もちょっと印象が弱すぎない?せっかくおもしろそうなのに。もっと強烈な必要性を示してほしかった。犯人の目的と執着心にいまいちカチッと嵌らないというのが本音。 とは言え、物語の要所と言える箇所はおもしろく読めるし、仮想空間とリンクする設定も良い。 もう一度読む機会があれば、再評価したい作品だ。 以下ネタバレ要素有り 主人公はクロハ。女性警官である。 頸動脈を切られて殺害された遺体が見つかり、クロハは一連の大事件へと足を踏み入れてゆく。 その後、海上輸送コンテナを利用した貸倉庫群から多数の遺体が発見されることで物語は大きく動き出す。 タカハシという人物の復讐劇に巻き込まれていくというのがストーリーの概要であるようだが、それに読者が気付くのは後半に差し掛かってから。 ラスト、犯人はタカハシによって殺されているだろう展開へ。復習を遂げたタカハシは仮想空間でクロハに別れを告げ消えた。 文庫版297P 【大柄で作業着の男】とエレベーターですれ違っている。これって『鼓動』だったのかな。伏線なのかな? どこで回収されたかはわからないので勘違いか。 読了。

Posted byブクログ

2020/10/02

集団冷凍自殺が立て続けに起こる。その一方で首を切り裂いた連続殺人事件も起こっていた。小説の世界なので、これが関係ないわけがないのだが、ある共通点にあとで気付くことになる。機動捜査隊の女性隊員クロハは集団自殺の捜査に当たるが、捜査主任のカガといきなりぶつかることになって仕舞う。クロ...

集団冷凍自殺が立て続けに起こる。その一方で首を切り裂いた連続殺人事件も起こっていた。小説の世界なので、これが関係ないわけがないのだが、ある共通点にあとで気付くことになる。機動捜査隊の女性隊員クロハは集団自殺の捜査に当たるが、捜査主任のカガといきなりぶつかることになって仕舞う。クロハが訪れるインターネット上の仮想空間が事件の鍵を握っているのだが、登場人物の名前がのきなみカタカナになっているのは、仮想空間の雰囲気を小説全体に漂わせるためかもしれない。さて成功しているか。 主人公のクロハは、同じ作者の別シリーズのイルマほど強烈ではないが、活力があって結構魅力的だ。ストーリーも後半になるにつれ盛り上がり面白い。

Posted byブクログ

2020/08/26

人間関係やそれぞれのキャラクター自体が薄い気がして、あまりのめり込めなかった。会話の感じも少し読みづらい気がする。シリーズものだとは知らずにこれを読んだのだけど、あまり他も読みたいとはならなかった。

Posted byブクログ

2020/06/02

ー コンクリートの地表に、また新しい要素が加えられていた。水たまりのテクスチャ。薄く透明な膜が地面を装飾している。 そこに雨点が当たり、波紋を広げては消し、広げては消しを繰り返していた。アゲハは空を覆う雨雲を仰いだ。雲を突き抜けて聳える塔の姿。近代的にも宗教的にも見える、刺々し...

ー コンクリートの地表に、また新しい要素が加えられていた。水たまりのテクスチャ。薄く透明な膜が地面を装飾している。 そこに雨点が当たり、波紋を広げては消し、広げては消しを繰り返していた。アゲハは空を覆う雨雲を仰いだ。雲を突き抜けて聳える塔の姿。近代的にも宗教的にも見える、刺々しい形。アゲハがいつも向かうのは、その足下だった。 崩れた壁や錆びた金網が視界を塞ぐ。 その隙間を縫うように、アゲハは歩いた。歩きながら瓦傑の金属的な質感を確認する。トタン板の仕切りの向こうに、その酒場はあった。 ー 独特な文体の警察小説。 めちゃくちゃ面白かった。 伏線が綺麗に無理なく繋がって、満足感が素晴らしい。 続編も読みたいなぁ〜。

Posted byブクログ

2020/05/17

イルマシリーズを先に読み終えた後だったため、イルマとクロハの違いに戸惑った。しかし、読み進めるに従いストーリーに引き込まれた。突然、登場した仮想空間のことが理解出来ず、狼狽えはしたが。

Posted byブクログ

2020/03/14

面白かったです。 ずっと雨の降っている、薄暗い世界観が好きです。 アゲハが訪れる仮想空間も素敵で、これ現実に欲しいです。かっこいい。。 クロハが対峙する事件は陰惨で悪意がとてもあり、捜査班でも軋轢があったりとキツイところもありましたが、クロハが揺れながらも守るものの為には強くてそ...

面白かったです。 ずっと雨の降っている、薄暗い世界観が好きです。 アゲハが訪れる仮想空間も素敵で、これ現実に欲しいです。かっこいい。。 クロハが対峙する事件は陰惨で悪意がとてもあり、捜査班でも軋轢があったりとキツイところもありましたが、クロハが揺れながらも守るものの為には強くてそこも好きでした。 死にゆく人々が望んだ記念碑を変える、とかまともじゃないです。 クロハ、好きなキャラクターです。続きも追いかけます。

Posted byブクログ

2020/01/06

いつの積ん読だかわからないくらい昔の積ん読。 煽り文句の割にはイマイチだったかな?なんとなくすべてがスッキリしないかんじ。人物像が掴みづらく、もっとガッツリ来るかと思ったカガも気がつけばフェイドアウト。ちょっと意図が分かりづらかった。

Posted byブクログ

2019/11/23

2019年11月22日読了。14人の凍死体が冷凍コンテナから発見され、その後も繰り返される連続殺人事件を追う刑事クロハは犯人に迫っていくが…。全選考委員一致で日本ミステリー文学大賞新人賞に選ばれた作品、という。無機質な街に雨が降りしきるような独特なムードは確かに面白いが、正直文章...

2019年11月22日読了。14人の凍死体が冷凍コンテナから発見され、その後も繰り返される連続殺人事件を追う刑事クロハは犯人に迫っていくが…。全選考委員一致で日本ミステリー文学大賞新人賞に選ばれた作品、という。無機質な街に雨が降りしきるような独特なムードは確かに面白いが、正直文章力・描写力やミステリ的技術はそんなに大したことないなあ…。「現実世界のあの人が仮想世界ではあの人だった!」なんて今どきそれでミステリのオチにするなよ、というほど当たり前のネタだと思うが、発表当時(2009年)は真新しかったのかな?女性警官であるがゆえの不自由さ、という描写も他の小説(「凍える牙」とか)に比べてうまいとかリアルという印象も受けなかった。同世界観でシリーズ化されているようで、それはよいことだ、とは思うが。

Posted byブクログ

2019/10/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

淡白な文章でテンポよく物語は進んでいく。 後半からの話の締め方には少々走りすぎでは?とも感じた。「プラ・バロック」というタイトルと14人の凍死体、集団自殺という設定に惹かれたもののミステリーというよりは主人公である機捜の女刑事・クロハの成長物語だ。 また、このクロハの造形がやや在り来りである。 孤独で美人な女刑事というのは擦り切れるほど使われてきたものであり、それが物語においてプラスに働いているようには思えなかった。終始クロハの像が定まらないのは何だろう。 姉が死んでしまう点については無理矢理話を進めようとした感じが否めない。現実的ではないな…。 仮想世界については現実への示唆的表現が散りばめられていて面白い。テクスチャと雨はキーワードだったようだ。しかし、ここでも身の回りの人間がそんな都合よく揃うか?という現実味に欠ける点が見えた。 設定にインパクトがあるだけに残念さも否めないが、筆者の淡白な人間味を一切出さない文章が最大の魅力だ。(好みはだいぶわかれるだろう) 途中からどんどん凍死体が発見されるが、そのあたりから物語がとっちらかってきた印象が見受けられる。タカハシについても、クロハ視点で話が進むので仕方ないがもう少し踏み込んで読みたい部分であった。 テンポは非常にいいし、名前を全てカタカナで記し、人間味の薄い文章も面白いがさらっとしすぎていて物足りない。話が進むにつれ、点と点がつながって線になっていく感じはとてもよかった。

Posted byブクログ