1,800円以上の注文で送料無料

円卓 の商品レビュー

4.1

188件のお客様レビュー

  1. 5つ

    55

  2. 4つ

    72

  3. 3つ

    28

  4. 2つ

    5

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2018/07/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

小学生って何も考えずに生きてたっけなと。眼帯や吃音、不整脈に憧れを抱いたり、特殊な家庭環境をうらやましく思ってみたり。純粋だからこそ、どうしてダメなのかが伝わりにくい。石太がぽっさんの吃音をいいと思うことに責任を持ってと言ったのが素敵だった。あーそういう伝え方があるんだな。 最後の紙吹雪の演出も良かった。「しね」を書き続けるよりも、楽しい言葉を見つける方がいい。時々文字やフォントが情景の中に溶け込んでいて、<言葉>自体がいい味を出してるなと。 時折挟まれるツッコミは落語のようなテンポだった。

Posted byブクログ

2018/06/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

おもしろかったー。本当に心があったかくなる きれいごとばかりじゃなくて、キャラクターに癖があってリアリティあるんだけどwでも、いやなことがあっても、どこか後味明るく乗り越える ほっこりした

Posted byブクログ

2018/04/05

祖父母、両親、3つ子の姉、そして自分。 7人の大家族で公団に暮らす小学3年生のこっこ。 友達の吃音にカッコいいと憧れ、ものもらいで眼帯をすることを羨ましく思う。 こっこの感性は独特です。 でも、この年頃の子供には少なからずあるのことなのかな。 リズミカルな文章で、さらさら読めま...

祖父母、両親、3つ子の姉、そして自分。 7人の大家族で公団に暮らす小学3年生のこっこ。 友達の吃音にカッコいいと憧れ、ものもらいで眼帯をすることを羨ましく思う。 こっこの感性は独特です。 でも、この年頃の子供には少なからずあるのことなのかな。 リズミカルな文章で、さらさら読めました。 不思議な女の子の心のうちを感じながら、こっこの成長を見ていた気持ちになりました。 ぽっさんがいいですね。 姉理子の彼、森上の話を、こっこの両親になぞられて「歴史は繰り返すんや」と言ったぽっさん。 思わず吹き出してしまいました。

Posted byブクログ

2017/04/11

渦原琴子(こっこ)の大家族が織りなすドタバタ劇だが面白かった.祖母祖父,父母,三つ子の姉とこっこの都合8人の家族だが,食事の場面が良かった.これだけの人数の食事は読んでいるだけで顔がほころぶ.さらに部屋の真ん中に赤い大きな円卓が鎮座しているのだから.こっこの学校でのエピソードで朴...

渦原琴子(こっこ)の大家族が織りなすドタバタ劇だが面白かった.祖母祖父,父母,三つ子の姉とこっこの都合8人の家族だが,食事の場面が良かった.これだけの人数の食事は読んでいるだけで顔がほころぶ.さらに部屋の真ん中に赤い大きな円卓が鎮座しているのだから.こっこの学校でのエピソードで朴君の家を訪ねる場面で子供たちの韓国人に対する大らかな受け答えが良かった.香田めぐみさんの眼帯事件も面白かった.

Posted byブクログ

2017/06/11

16)麦粒腫。放たれる言葉にはっとする。明朝体の文字が空に解き放たれる。すべからく。それを捕まえ、一文字ずつ咀嚼する。石太の放つ文字は大変美味しいのである。 26)放課後の部活を夜なべと呼ぶ表現に、全く齟齬はない。既成品の枠を朗らかに飛び出す、さぞかし素敵な帽子になるだろう。 3...

16)麦粒腫。放たれる言葉にはっとする。明朝体の文字が空に解き放たれる。すべからく。それを捕まえ、一文字ずつ咀嚼する。石太の放つ文字は大変美味しいのである。 26)放課後の部活を夜なべと呼ぶ表現に、全く齟齬はない。既成品の枠を朗らかに飛び出す、さぞかし素敵な帽子になるだろう。 30)植物の名前はギリシャの神々のようで美しい。気に入った言葉があると声に出して読む。舌の上で転がすと文字は嬉しくてたまらぬという風に可愛らしく身をよじり、それが石太には愛おしいのだ。 58)仏滅。ノスタルジーにかまけ、思わず日めくりを音読してしまった。フルフェイス?日めくりの文字はHGP明朝Bである。 65)1週間ぶりに現れた左目はきらきらと光り、まるで早摘みの葡萄のようだった。 79)はりきって使う擬態語が、舞う舞う。 113)とてもディフィカルトな問題について話し合っている。その頭をかじりたい。がりがりと咀嚼し、自分のものにしたい。有益で役に立たなくて立派で阿呆な事柄が、彼らの汗臭い頭に詰まっているのだ。 136)ご尊顔を踏んでくれはるのん? 176)日向の草のような匂いが漂ってくる。それを追い抜くような夕餉の匂い、静寂。

Posted byブクログ

2017/03/27

西加奈子の文章の魔法。 これが普通の生活の普通の人の話を面白く、興味深くしていると、思う。 この人が紡ぐ言葉の羅列に物語の妙を見出す。 あぁ。と、納得する。腑に落ちる。 えぇ!と、驚く。 マジ!?なんで!?と、思ったりなんだか振り回されるわりには、出来事自体はまぁよくある...

西加奈子の文章の魔法。 これが普通の生活の普通の人の話を面白く、興味深くしていると、思う。 この人が紡ぐ言葉の羅列に物語の妙を見出す。 あぁ。と、納得する。腑に落ちる。 えぇ!と、驚く。 マジ!?なんで!?と、思ったりなんだか振り回されるわりには、出来事自体はまぁよくあることもよくあることで、下手したら自身の身の回りのほうが、この本の中の主人公よりドラマチックかも。と、思わされるほどなのに。とにかくこの人の文章に踊らされてしまう。 一番好きだったのが、ビールを一口飲んだ時の クゥーーーーーー!!!! とか、 カァーーーーーー、!!! っていうお父さんの一言を、主人公が 至福のカ行。 と、呼ぶくだり。 西加奈子。文章の使い手です。本当に。

Posted byブクログ

2017/03/22

図書館で借りたもの。 孤独に憧れる小学三年生のこっこ。 三つ子の姉や、吃音症のぽっさん。 西さんの描くリズミカルな文章が大好き。面白くてニヤニヤしてしまう。 限りなく、ゴシックに近い字。円卓。 好きだなぁ。

Posted byブクログ

2017/01/27

めちゃよみやすかった。西加奈子は読みやすいの読みにくいの別れるなぁ。 こっこちゃん、普通じゃないのがかっこよくて、小難しい言葉を使いたがって、なかなかかわいかった。かっこよさ求めて常識わかんないって、こどもながらの素直なこっこちゃんの気持ちもわかるんだけど、説明するの難しいなっ...

めちゃよみやすかった。西加奈子は読みやすいの読みにくいの別れるなぁ。 こっこちゃん、普通じゃないのがかっこよくて、小難しい言葉を使いたがって、なかなかかわいかった。かっこよさ求めて常識わかんないって、こどもながらの素直なこっこちゃんの気持ちもわかるんだけど、説明するの難しいなって。ぽっさんの考え方大人なとこ、ちゃんとこっこちゃんのことわかっててじっくり話してくれるとこ、惚れてまうわー。

Posted byブクログ

2016/10/08

一人にして悪かった、一緒に居てあげたかった、同じ気持ち感じて、分かち合ってあげたかった。ぽっさんの純粋な気持ちに涙が出ました。そんなこと言ってくれる友達が居てくれたら、どんなに良いだろう。一生の宝物になると思う。 紅く広がる夕日、夕日を浴びて艶々光る鹿。一人で辛い気持ちになった時...

一人にして悪かった、一緒に居てあげたかった、同じ気持ち感じて、分かち合ってあげたかった。ぽっさんの純粋な気持ちに涙が出ました。そんなこと言ってくれる友達が居てくれたら、どんなに良いだろう。一生の宝物になると思う。 紅く広がる夕日、夕日を浴びて艶々光る鹿。一人で辛い気持ちになった時、思い出せる風景があること。 家の真ん中にある、紅いまんまる。家族の幸せも喜びも悲しみも違いも、全部載せてくるくる回る。 あなたはあなたで良いんだって、作者にそっと言われたような気がしました。

Posted byブクログ

2016/01/31

一人の小学三年生の女の子が社会性を身につけていくプロセスがユーモア溢れる読みやすい文章で描かれている。 社会性を身につけるとは、決して簡単にAの場合はBが正しい、などの簡潔なロジカルな判断をすることではなく、相手の立場にたって考えるという高度な思考力が求められるという難しさを主...

一人の小学三年生の女の子が社会性を身につけていくプロセスがユーモア溢れる読みやすい文章で描かれている。 社会性を身につけるとは、決して簡単にAの場合はBが正しい、などの簡潔なロジカルな判断をすることではなく、相手の立場にたって考えるという高度な思考力が求められるという難しさを主人公こっこの姿を通して感じさせられる。 一方、社会性を身につけることで「言葉が重くなった」というこっこのいう通り、慎重さというか、考えすぎるというような側面もあり、ありのままの発言ができなくなることは寂しい気持ちにもなる。 こっこは

Posted byブクログ