1,800円以上の注文で送料無料

円卓 の商品レビュー

4.1

187件のお客様レビュー

  1. 5つ

    55

  2. 4つ

    72

  3. 3つ

    27

  4. 2つ

    5

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2011/11/04

さすが西加奈子さん。ほんとおもしろかった。 主人公はまだまだ成長過程である小学三年生のこっこ。父母は深く愛し合っており、祖母に祖父、三つ子の姉にくわえ、もうすぐ弟か妹ができる。にぎやかな家族。 こっこのまっすぐなところがかわいい。一つ間違えるといやなやつなのに、まっすぐだからゆる...

さすが西加奈子さん。ほんとおもしろかった。 主人公はまだまだ成長過程である小学三年生のこっこ。父母は深く愛し合っており、祖母に祖父、三つ子の姉にくわえ、もうすぐ弟か妹ができる。にぎやかな家族。 こっこのまっすぐなところがかわいい。一つ間違えるといやなやつなのに、まっすぐだからゆるされるのかな。そしてそのまっすぐさがどんどん成長していく過程がおもしろい。

Posted byブクログ

2011/07/16

全編こてこての大阪弁が氾濫するこの小説、ちょっぴり皮肉のきいたユーモアに満ちた語り口がいい。ほっこりと心が温かくなるお話だ。「うるさいボケ」が口癖で、自意識過剰な小学3年生の琴子と団地の3LDKで一緒に暮らすのは、おじいちゃん夫婦、両親に加えて中学2年の三つ子の姉たちという総勢8...

全編こてこての大阪弁が氾濫するこの小説、ちょっぴり皮肉のきいたユーモアに満ちた語り口がいい。ほっこりと心が温かくなるお話だ。「うるさいボケ」が口癖で、自意識過剰な小学3年生の琴子と団地の3LDKで一緒に暮らすのは、おじいちゃん夫婦、両親に加えて中学2年の三つ子の姉たちという総勢8人の大家族。仲の良い嫁姑を中心に、囲む食卓のテーブルは、町の中華料理屋から払い下げて貰った大円卓だ。日夜、食事時にこの円卓を囲んで、渦原家八人の喧々諤々のおしゃべりが大声で飛び交う。家族全員の愛を一心に受けながら、あまりそれを意識しない琴子の行動が、たびたび皆を振り回す事件へと発展する。可愛らしい(大阪弁では「かいらしい」か?)小学生を中心に描かれる、大家族のひと夏の生活は、まさに大阪で生まれたささやかなおとぎ話だ。

Posted byブクログ

2011/05/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

同じ子ども、同じ人間でも色々な価値観でものごとを見ていると考えさせられる。 決して、子どもだからといって、ものごとを幼くとらえているとは限らず、年長者よりも深く、鋭く捉えていることな多いのかもしれない。 出てくる人物の個性や、関西弁の台詞が素敵。

Posted byブクログ

2011/03/30

西加奈子の言葉チョイスがすごく好きだ。言葉から、彼女がなにを思っているのかひとつでも多く汲み取りたいとおもう。 こっこははたからみたら幸せ。平凡な幸せをうっとおしがり、孤独を求めるけど、それを知って今の平凡な幸せに気づく。ぽっさんはかっこいい。ひとりにして、すまんかった。

Posted byブクログ

2011/03/21

孤独に憧れる”こっこ”こと琴子、8歳。 凡人の祖母と両親、三つ子の姉に不満を持ち、 世を憂う祖父にだけは親近感をおぼえている。 香田めぐみさんのものもらいと眼帯、 幼なじみのぽっさんの吃音、 横山セルゲイのロシア人とのハーフという状態、 ベトナム難民の子供というゴックんの生い立ち...

孤独に憧れる”こっこ”こと琴子、8歳。 凡人の祖母と両親、三つ子の姉に不満を持ち、 世を憂う祖父にだけは親近感をおぼえている。 香田めぐみさんのものもらいと眼帯、 幼なじみのぽっさんの吃音、 横山セルゲイのロシア人とのハーフという状態、 ベトナム難民の子供というゴックんの生い立ち、 単純な顔のちゅーやんの複雑な家庭環境、 学級委員の朴くんの不整脈、 心の底からこれらを格好いいと思っているのに どうやら周りはそう感じていないらしい。 イラスト:西加奈子 デザイン:大久保明子 西加奈子さんの小説を読むと 自分の価値観はなにをもとに作られているのか 考えさせられます。『きりこについて』しかり。 包帯や眼帯を格好いいと思ったり、 ベトナム難民や在日韓国人という生い立ちを羨んだり。 小学校高学年くらいになるといじめの対象になってしまう「違い」を 尊敬のまなざしで見る期間はあると思います。 こっこに関してはその憧れがとても強いのであって。 こっことぽっさんと石太が夏の夜の団地で話すシーンが好きです。 自分は格好いいと思って真似をしているのに どうして怒られるのかわからないこっこに、 真似される本人が嫌だと思っているかが基準となるのだと 導き出したぽっさん、 そして「イマジン」が大切なのだと説く石太。 夏休み明けのジビキ同様、 成長の瞬間に立ち会っているような気持ちになります。

Posted byブクログ

2017/08/16

言葉の一つ一つがいちいちおかしくて笑いました。小学3年生のこっここと琴子を主人公とする家族小説です。三つ子の姉がいる大家族と友達に恵まれた学校生活。ラストがすごく良かったです。小学生が主人公ですが、小学生にはオススメできません。「ご尊顔を踏んでくれはるのん」がツボってしまい笑いが...

言葉の一つ一つがいちいちおかしくて笑いました。小学3年生のこっここと琴子を主人公とする家族小説です。三つ子の姉がいる大家族と友達に恵まれた学校生活。ラストがすごく良かったです。小学生が主人公ですが、小学生にはオススメできません。「ご尊顔を踏んでくれはるのん」がツボってしまい笑いが止まらなくなりました。

Posted byブクログ

2011/03/09

小学校3年の琴子は大家族に育つちょっと背伸びをした孤独を求む少女。彼女がいろんな経験を経て成長していく姿は微笑ましい。童話みたいな中で性、命、難民とかシリアスな事がさらりと語られてるのが印象的。最後の円卓のシーンは和みます!心暖まるキュートな作品でした♪

Posted byブクログ