円卓 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
フォローしている方のレビューで絶対面白いに違いない!と図書館で借りた。大正解!!笑いのツボにドはまり。ありがとうございました。 西加奈子さんの本、どうしてこれまで読まなかったんだろう。「この凡人が!!」とこっこと石太に言われそう(;'∀') こっことは、この本の主人公・琴子。 小学校3年生。家族は、祖父母、両親、三つ子の姉。 みんな琴子のことが大好きで愛されてるけど、不満。 憧れは「孤独」とか「同情」とか。8歳にして中二病っぽい。クラスの大人びた女子が「ものもらい」で「眼帯」をしてくれば、じゆうちょう(ジャポニカ!『だれおもあけることならぬ』と書き込んだ)に「ものもらい」と書き留める。別名を教われば「ばくりゅうしゅ」も追加。そして、どうにかして眼帯を手に入れられないものかと考える。 「こっこは孤独になりたい。誰からも理解されず、人と違う自分をもてあまし、そして世界の隅で、ひっそり涙を流していたいのだ。」 前半はとにかくもう笑いすぎて、近くにいた家族が引くくらいだったのだけれど、後半は急展開。 「ものもらい」の真似はいいけど「ふせいみゃく」や「きつおん」の真似はダメなのはなぜか。こっことぽっさんの対話を読み進めながら、自分も一緒になって考えた。 薄めの本なのに、こんなに笑って考えさせられて。 子ども時代を懐かしく思い出し。。たかったけど、なんだか全然覚えていなくて寂しかった(-_-;) 映画にならないかなー絶対観るのに。と言っていたら、とっくに映画化されていた。芦田愛菜ちゃん主演。
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感覚を言葉にしてその言葉が他者の目に触れるとき、おそらく言葉はそこで意味を持ち、また感覚の持ち主だけのものではなくなる。感覚と言葉につながりはあっても、二つは同じものではないし、また永遠に続く結びつきでもない。 感覚をそのまま伝えることはできない。命は一人きりではない。言葉と感覚...
感覚を言葉にしてその言葉が他者の目に触れるとき、おそらく言葉はそこで意味を持ち、また感覚の持ち主だけのものではなくなる。感覚と言葉につながりはあっても、二つは同じものではないし、また永遠に続く結びつきでもない。 感覚をそのまま伝えることはできない。命は一人きりではない。言葉と感覚の結びつきを強くするには努力と時間が必要で、結びつきの広がりは雨が降る水面のように小さな波紋によって伝わっていく。
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誰かと比較する事で自分の価値を確認したいのは人の性だと思う。子供はそれをストレートに表し、大人は悟られないようにする。読んでて、むず痒くなる小説でした。
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忘れていたことを思い出すような、言葉に出来ず随分昔に流れていったものに触れられるような、そういうよさがあって大好き
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再読、二度目。西加奈子さんの作品の中でも、安定感、ユーモア、クオリティーが抜きん出てる作品。あっさりさっぱり読めるのに決して浅くなく、面白いのにちょっぴりホロっとくる。きっとこれから先、何回読んでも面白いと思う。 何が魅力的って、これでもか!というくらい個性的な登場人物たち。主...
再読、二度目。西加奈子さんの作品の中でも、安定感、ユーモア、クオリティーが抜きん出てる作品。あっさりさっぱり読めるのに決して浅くなく、面白いのにちょっぴりホロっとくる。きっとこれから先、何回読んでも面白いと思う。 何が魅力的って、これでもか!というくらい個性的な登場人物たち。主人公の小3女子こっこはもちろん、その家族、同級生、学校の先生、はては変質者まで、被りなしの個性が散りばめられててきらきらしてる。すごい。それぞれ決して軽くない事情を抱えてるのに読者を深刻にさせない、それすら愛すべき個性である!と感じさせる軽妙な語り口。すごい。でもこれは想像力(イマジン!)の足りないこっこ視点だからこそなのかもしれない、が、「吃音」「難民」「在日韓国人」という単語だけでわけもなくソワソワしてしまうよりも、よっぽど素直で誠実なのかもしれない、とも思う。 あと個人的に、うさぎが散歩のときに「外やで外やで」と歌う、この表現の仕方がめちゃくちゃ好き。何が好きって具体的に言えないけどめちゃくちゃ好き。多分うさぎは本当に歌ってると思う。こういう西加奈子節がみっちり詰まってるのも「円卓」の魅力の一つ。「外やで外やで」「外やけどー」 自分以外誰も気付かないけれど、決定的に過去の自分と隔たってしまった瞬間、というのは誰にでもあるだろう。その瞬間を切り取って、丁寧に、切実に、寂しく、愛おしく、悲しく、まるでコマ送りのように、文字に起こすこと、それが一等上手なのが西加奈子という作家である。この「円卓」はまさにそれ、こっこが憧れていた「孤独」を本当の意味で知ること、「寂しさ」を経験すること、成長すること。それでも、大丈夫だよ、という、そんな物語である。 ところでこの「円卓」、実写映画化されているのをTSUTAYAで発見、微塵も期待せず観たみたのだが、どちゃくそ面白かった。主演は流石の芦田愛菜さん、演技力がすごいです。拍手。
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子どもの頃ならではの、純粋であるがための鈍感さや、思い通りにいかない感じ、言葉にできない思いを、そのもどかしさを含めてきちんと表してくれている。心地良い。 やっぱり、想像することが大切。かな。
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西加奈子さんの作品の中で一番大好きな本になった。小学生時代くらいに抱えていた理由も分からない、言葉にもならない孤独や成長への不安が素晴らしく描写されていた。 いつまでも美しい感性を失わない西加奈子さんがやっぱりすごいと思う。
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小学3年生の“こっこ”が大家族の中で、学校の友達との中でちょっとだけ大人になっていく。 こてこての大阪弁があふれかえっていて、それだけでスピード感がアップするのはなぜだろう?
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ぽっさんいいね 小学生の時に不健康や孤独に憧れた気持ち、あったなーって懐かしかった あと手芸部での話も好き
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46:タイトルと登場人物から、「人間には上座も下座もなく」というような内容なのかと思っていたら、全然違いました……。何か、掴めそうなのに今ひとつ言葉になりません。孤独と、新しいいのちと、円卓。夕焼け。うーん、何かあるのはわかるのに、何だろう。そういう意味で、ちょっとモヤっと感が残...
46:タイトルと登場人物から、「人間には上座も下座もなく」というような内容なのかと思っていたら、全然違いました……。何か、掴めそうなのに今ひとつ言葉になりません。孤独と、新しいいのちと、円卓。夕焼け。うーん、何かあるのはわかるのに、何だろう。そういう意味で、ちょっとモヤっと感が残ります。
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