オジいサン の商品レビュー
びっくりするくらい日常の一幕。でも思考が次から次に飛んでしまう辺りとか、老人でなくてもとてもリアルでわりと身に覚えがあることばかりだったり。最後は微笑ましくって良かった。
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京極作品ですが、思わず純文カテゴリに入れてしまいました。 益子徳一さんという、ほどよく枯れた素敵なオジいサンの1週間を書いた老人小説(!)です。 独身で親戚も親しい友人もいないという典型的独居老人の徳一さんですが、その毎日は淡々としているようで、結構波瀾万丈。 特に”じでじ”に...
京極作品ですが、思わず純文カテゴリに入れてしまいました。 益子徳一さんという、ほどよく枯れた素敵なオジいサンの1週間を書いた老人小説(!)です。 独身で親戚も親しい友人もいないという典型的独居老人の徳一さんですが、その毎日は淡々としているようで、結構波瀾万丈。 特に”じでじ”に悩む徳一さんには、共感を覚えました。 徳一さんには申し訳ないみたいですが、おもろいw ところで字が大きいのは、やはりお年寄りに読んで欲しいからでしょうか?
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悲しいねえ・・・運命というものだろうけど~益子徳一は「オジいサン」と呼ばれたのが何時だったか,朝の寝床で思い出そうとする。そうだ,水曜。田中電気の倅が新しいテレビを買えと云ってきた日。友達の倅が送ってきた佃煮の礼状を書こうと葉書を買ってきた日に,目の前の公園でこどもに声を掛けられ...
悲しいねえ・・・運命というものだろうけど~益子徳一は「オジいサン」と呼ばれたのが何時だったか,朝の寝床で思い出そうとする。そうだ,水曜。田中電気の倅が新しいテレビを買えと云ってきた日。友達の倅が送ってきた佃煮の礼状を書こうと葉書を買ってきた日に,目の前の公園でこどもに声を掛けられ,葉書を無駄にせずに済んだんだ。翌日,公園に行くと月曜の日中だというのに中学生がいる。見ていると自分を気味悪く思ったのか立ち去った。肉屋の亭主だった男が孫と連絡をするのにメールを送りたいらしいのだが,携帯の操作などは自分には縁がない。火曜,ゴミ出しをし,カセットテープが燃えるのか否か分からずに持ち帰った。回覧板が回ってきて隣の住人が十日ばかりいないことがわかったが,故郷の鉄道が廃線になると聞いて乗りに行っていたのだという。水曜は買い出しの日,スーパーで試食したウィンナーを買ってしまい,元八百屋の店主と会話し,田中電器の倅とも。木曜,昼食にウィンナーを利用しようとして,案外食べられると気付くが,目玉焼きは卵焼きに,果ては炒り卵になってしまった。金曜,木曜に続けて田中電気の繁が地デジの説明にやってきた。先代は徳一の事を立派な人だと云っていたと世辞も述べる。アナログのテレビを付けると年寄り相手の地デジ詐欺を働いた男がいるとワイドショーは喋り,繁は笹山眼鏡店のジュンちゃんだと驚き,テレビを売るのが嫌になっちゃっと抜かす。1台買ってやることに決める。土曜,近所のおばさんがおじいちゃん・おばあちゃんのパトロールのボランティアに参加しないかと云ってきた。失礼なので断りたいが,早く解放されたくて引き受けると,嫌なのかと思ったと失礼なことを云う。帰って貰って居間を見回すと,要らなくなるテレビの始末をしていたところだったが,田中電気の繁は玄関先から携帯で様子を聞き,訪ねてきて何を云うのかと思ったら,親代わりとして結婚相手に会ってほしいのだという。結婚したこともない人間が親代わりはおかしいし,おじいさんじゃ変だろうというと,オジいサンで良いのと云うので,カセットテープの処分と引き替えに引き受けることにした~悲しくて,ちょっと心温まる話でした。お化け話より良いですよ,絶対
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色々なタイプの本が書けるので器用だとは思います、が、だからなんだというような本だなー。 おじいさんのなんの変哲もない日常。なんの変哲もない日常を描いても何かがあるのが小説なのに、本当に何もなかった。 もう京極はシリーズ物以外は読まなくていいかな。変にミステリ畑出身なだけに、無...
色々なタイプの本が書けるので器用だとは思います、が、だからなんだというような本だなー。 おじいさんのなんの変哲もない日常。なんの変哲もない日常を描いても何かがあるのが小説なのに、本当に何もなかった。 もう京極はシリーズ物以外は読まなくていいかな。変にミステリ畑出身なだけに、無駄に前ふりが長く、その上ミステリ要素がなかったら無駄話でしかない。
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もしこの作品を映像化するなら・・・ 「ねこばん(主演:伊武雅人)」みたいな感じになるのかもしれない。 益子徳一(72)、独身。いわゆる、独居老人である。 そんな老人の日常がかかれている。 徳一は、ちょっと理屈やサンだけど、筋の通った良識のある老人。 時代の変化と流れに取り残され、...
もしこの作品を映像化するなら・・・ 「ねこばん(主演:伊武雅人)」みたいな感じになるのかもしれない。 益子徳一(72)、独身。いわゆる、独居老人である。 そんな老人の日常がかかれている。 徳一は、ちょっと理屈やサンだけど、筋の通った良識のある老人。 時代の変化と流れに取り残され、孤独を感じつつ、受け入れ日々を送る。 世間の人は、自分のことを「役立たずの老人」だと思ってるのだろう というベースで物事を思考する。 実に筋が通ってるのだが、ちょっと古い認識なので、 周りとのペースがあわない。 古き良き時代を懐かしみつつ、今を生きる老人。 少しほろ苦く、考えさせられた。 電気屋の二代目との関係が素敵だった。 なかなか面白い作りの装丁で、 偶数ページには、ページ数と本のタイトル、 奇数ページには時計のイラストと章のタイトルが載っている。 ここで注目したいのが、奇数ページの時計のイラスト。 よく見ると時間が、少しずつ経過している。 流石は、京極の本である。 おそらく本の装丁に名前を連ねているのだろうと思っていたら、 やはりである。 装画:ヒロミチイト 装丁:山影麻奈 組版:京極夏彦 DTP:嵐山英治
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ひたすら老人の日常で、途中でリタイアしてしまいました。 地デジについて、わかってないお年寄りっているんだろうな…実際…
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最初は「理屈っぽくて苛々するなぁ」(それが京極節)と思ったけど、読み進めていく内に、理屈っぽさの中にある正論や諧謔性が面白くなってきた。淡々と繰り返される毎日。の中にもドラマは潜んでいる。
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72歳・独身の益子徳一。独居老人の日常。 自分の知っているお祖父さん=祖父とあまりにかけ離れていることもあり、淡々と進む物語に慣れにくい。 何を意図しているのかが分かりにくかったが、ラスト、じんわりとあたたかくなるものに、このための物語だったのかなと思った。
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世の中の不思議なことをズバっと斬って捨てる憑き物落としとか、御行奉為~と芝居を打っちゃう人とかを期待する方には不向き。 自分がおじいさんと呼ばれることに違和感を感じる72歳の独居老人の話。考えているうちに何を考えていたのかわからなくなってしまったり、世の中の流れについていけなくな...
世の中の不思議なことをズバっと斬って捨てる憑き物落としとか、御行奉為~と芝居を打っちゃう人とかを期待する方には不向き。 自分がおじいさんと呼ばれることに違和感を感じる72歳の独居老人の話。考えているうちに何を考えていたのかわからなくなってしまったり、世の中の流れについていけなくなってきたことを不安に思ったりする気持ちに何故だかやたら共感してしまった(笑)。 そして「ちょっと億劫なだけだ」というモノローグに「わかる!超わかる!」と激しく同意してしまった。ヤバい。 どういう結末になるのやらと思っていたけど、思いがけず素敵な結末でよかった。 わたしはこのオジいサンとお友達になりたいです(笑)。
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