オジいサン の商品レビュー

京極夏彦(著者)

2011/04/23

”い”だけひらがなで　「オジいサン」
徳一さんの心のつぶやきが目に見える

年寄りだっていろいろ考えている。
ペースは中年や若者とは違うけど

ふっと心に浮かぶことを言葉にすると結構長くなるもんだと思う。
私にとってはお父さんに近い年齢かと思いながら
徳一さんの一週間につきあうと、おじいさんの気持ちじゃなくて徳一さんの気持ちによりそえる。
私はオバあサンになるんだけどね

2011/04/22

齢72歳の独身老人の1週間を7編の短編で綴ったお年寄り物語。そう遠くない将来の自分と重ね合わせたらちょっと哀しく、でも、最後はほっと切なくなりました。

2011/04/17

現役引退した老人の日常、ただそれだけ。
でもそこはかとない面白さでなんだかニヤニヤしてしまいました。
なんだかほんわかといい気分で読めます。読後感がいいです。
オジいサンをどう発音すればいいのかは全くわからんけど。

2011/04/14

ずっと独身で生きてきた益子徳一72歳の日常をただ淡々と描いた物語。
老人には無駄に時間がある。
一時間が一分が呆れるくらい長いのに一年はあっという間だ。
律儀で慎ましく真面目に生きていく独居老人の独白が繰り返され思考が堂々巡りする。
なんなんだ、この小説は？なんなんだこの不思議な感覚は？
大きな事件があるわけでも大きな感動がやってくるわけでもないけど、なんか妙に味わい深い小説でした。
こういう小説を読ませてしまうってのが京極さんの力ですね。

2011/04/13

これは何だか不思議な作品ですね。さほど京極作品を
読み込んでいる訳ではないんですが、こういった作品も
書かれる事に意外さと驚きを覚えます。
正直、読んでいて怖かったんです。後数十年後に訪れる
まるで自分の姿の様で、その余りにも滑稽かつ、枯れ果てた
姿にまるで自分を写してしまい、読み進めてもいいのか
微妙な心境でした。この主人公の七十二歳の「徳一」氏
の思考と行動が繰り返しループされる、一見濃いようで
その実薄く、長いようで短い時間の描写は余りにも
リアルに感じてしまいます。怖いなー。

終盤にまさか予想もしない方向へ転がっていくのは
サービスなのか、それとも希望なのか...良く解らないですが、
誰とも関わらずに生きているような「徳一」氏でも
こうやって結果的に誰かと繋がっているんだね。
数十年後の自分もそうであって欲しいな...と思うばかりです。

余談ですが...電子書籍が今後どうなるのか分かりませんが
やはりこういった素敵な装丁を手にして読むのは楽しい。
いち早く電子書籍に対応した京極さんだけに、その実感は重いです。

2011/04/08

益子徳一さんの日常。大きな事件が起きるわけじゃないし、ドラマティックな展開があるわけでもない。いや、最後はドラマティックでしたけどね。

2011/04/08

オジいサンの日常に始まって日常に終わる。
妖怪も憑き物落としも出てこないけど、語り口が京極さんらしくて、いつの間にか徳一の思考と一緒に、わたしの頭もぐるぐるしていた(笑)
終わりが良いね◎

2011/04/06

珍しい、お爺さんの日常モノ。まさに日常で日常の謎とかも何もない。けど、徳一さんのぐるぐる回る思考をトレースするように読み続けると自分の頭もぐるぐるしてきて、ちょっとトリップしかけた。京極夏彦のこういう頭オカシイ感じの文章表現はやっぱりすごい。いや、徳一さんはマトモなんだけど。

2011/04/06

オジいサン日常が描かれている。
些細なことなのだけど、オジいサンが色々考えている事とか、感じた事が描かれている。
京極さんにしては、新しいタイプの物語のような気がした。
終わり方がなんとも良かった。
オジいサンのポンポン出てくる言葉が面白い。
しかし、その年齢でそんなに忘れっぽくなるものなのかなとも思った。

2011/03/29

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