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トロンプルイユの星 の商品レビュー

2.9

44件のお客様レビュー

  1. 5つ

    2

  2. 4つ

    6

  3. 3つ

    20

  4. 2つ

    11

  5. 1つ

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2021/07/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

気がついたら自分の身の回りのもの、人、それに付随する記憶がなくなってゆく。確固たるものは何か?すべては自分の勘違い? 久坂さんの誘いかたが素敵で台詞回しは伊坂幸太郎さんみたいで好き。 「そりゃ俺だって」彼は笑った。 「一応生きているんだから。いろんなことを考えて一生懸命生きている」p35 久坂さんと藤田さんの関係については予想がついたものの、はっきりとしないラスト。坂本さん=久坂さんであれば良いと思った。なんどでも届くまで星に手を伸ばす人のお話。こういうふんわりとしてるけど、暖かみのあるお話は結構好みなので嬉しかった。クリームソーダ飲みたい。

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2021/03/20

イベント事務所で働くサトミのまわりで、異変が起きはじめていた。次々とひとやものが消えていき、最初から「なかった」ことになっていく。机のなかのハッカ飴、採用されたアルバイト、進めていたプロジェクト…。そんな時、同僚の久坂さんが、原因は自分にあると語りだす。彼もまた、失われ続ける世界...

イベント事務所で働くサトミのまわりで、異変が起きはじめていた。次々とひとやものが消えていき、最初から「なかった」ことになっていく。机のなかのハッカ飴、採用されたアルバイト、進めていたプロジェクト…。そんな時、同僚の久坂さんが、原因は自分にあると語りだす。彼もまた、失われ続ける世界のなかで、傷つきながら生きていた。第34回えんため大賞受賞作。

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2022/01/29

久しぶりの日本の作品で、読みやすく表現がすんなり頭に入ってきてサッパリ読めました。現実的な毎日に「物や人がすり変わっていく」非現実的なストーリーが混ざり合うプチ恋愛小説。爽やかな感じです。交差点が見えるお店や、星空鑑賞ピザ、私もやってみようと思うくらい惹かれました。ただラストが少...

久しぶりの日本の作品で、読みやすく表現がすんなり頭に入ってきてサッパリ読めました。現実的な毎日に「物や人がすり変わっていく」非現実的なストーリーが混ざり合うプチ恋愛小説。爽やかな感じです。交差点が見えるお店や、星空鑑賞ピザ、私もやってみようと思うくらい惹かれました。ただラストが少し残念だったので星3つ。

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2019/08/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「わたしはこの手の感触を知っている。しかも一度ではなく、何度もこの手に触れられている。懐かしい感じがした。しかしそれが具体的に、いつ、どこでなされたことと似ているのか思い出せない」 デジャヴなら誰もが一度は経験したことがあるはずだ。 けれどこれは違う。 彼がわたしの心に潜りこんで、わたしを掴んで離さない。 彼との記憶は全て「なかったこと」になったけれど、彼の手の温もりだけは心の片隅に残っている。 その手にわたしの手を重ね合わせたいのに、触れることが出来ない。 いつの日か再び、彼の温かな手に触れることが出来たなら、今度はきっと離さない。 彼と共に過ごした事実はトロンプルイユ(だまし絵)の「錯覚」などでは断じてないのだから。 ふわふわ浮かんでいるような、とても不思議な物語だった。 切ない気持ちと期待する気持ちが合わさった、複雑な余韻がいつまでも残る。

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2018/10/08

59:薄くて読みやすそう、そして装丁がカラフルできれいだったので手にとってみたのですが……うーん、ハウル? と首を傾げてしまいました。この前に読んだ「宇宙は何でできているのか」に絡めて、ものすごく高度な並行宇宙、高次元……と考えれば考えるほどどつぼにはまる気がして。正直、よくわか...

59:薄くて読みやすそう、そして装丁がカラフルできれいだったので手にとってみたのですが……うーん、ハウル? と首を傾げてしまいました。この前に読んだ「宇宙は何でできているのか」に絡めて、ものすごく高度な並行宇宙、高次元……と考えれば考えるほどどつぼにはまる気がして。正直、よくわかりませんでした。描写ははっとするほど綺麗だし、「彼に関わったものが消えてゆく」とかはすごく好きな題材でもあるのですが。

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2018/01/27

自分の周りで次々と人や物が消えていく。 それに気づいているのは自分だけで、他の人にとっては、最初から「なかった」ことになっている。 しかし、同僚の久坂さんも異変に気づいており、それだけでなく、原因は自分にあり、幼い頃から起きていることだと言う。 不思議な感覚にとらわれる、SF小...

自分の周りで次々と人や物が消えていく。 それに気づいているのは自分だけで、他の人にとっては、最初から「なかった」ことになっている。 しかし、同僚の久坂さんも異変に気づいており、それだけでなく、原因は自分にあり、幼い頃から起きていることだと言う。 不思議な感覚にとらわれる、SF小説なのか。 思い出を共有できる人がいない、失われ続けるというのは、虚無感や悲しみしか残らないものだと考えさせられる。 結末が謎に包まれたままなのがすっきりしなかったが、他の結末を描いてもすっきりできないような気もする、何とも表現し難い作品。

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2017/07/11

トロンプルイユとは騙し絵のこと。 大事なものが失なったら悲しい。でも、大事な物がなくなったことにすら気づけなかったら、悲しむことさえできなかったらそれこそ悲しい。 失われることに慣れるのなんて嫌だ。 でも、現実に消失しなくても常に形あるものも無いものも失われる可能性はあるわけで、...

トロンプルイユとは騙し絵のこと。 大事なものが失なったら悲しい。でも、大事な物がなくなったことにすら気づけなかったら、悲しむことさえできなかったらそれこそ悲しい。 失われることに慣れるのなんて嫌だ。 でも、現実に消失しなくても常に形あるものも無いものも失われる可能性はあるわけで、それを再認識した。 この本では物理的に身の回りのもや、仕事、人が消える。しかしそれは、その場を卒業して別の世界に入り、過去の記憶が薄れていくことと表面的には変わらない。しかし、ふと思い出すことは無くなる。元からなかったように、記憶の中に欠片が存在しない。 でも、日常的になくなってしまうかもしれないという危機感を持ち続けることは、よりそれらを大切にすることにつながるといい。 大事な人が自分を忘れてしまったとしても、それでも自分はその人を大事に思い続けることができるだろうか。

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2017/01/19

カバーが可愛かったのと内容を見て興味をそそれたので購入。文中の”忘れることは死ぬことよりある意味こわい”という表現に確かにと思うものがあったが内容自体はあまり伝わって来るものがなかった。2017.1

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2016/11/24

小さなイベント事務所で働く藤田サトミは、職場の久坂から「気になる交差点があるから、次の休みに一緒に観察に行こう」と誘われる。戸惑いながらも、喫茶店で並んで、ひとで溢れかえる休日の交差点を見下ろすことに。「通行人の中から、あるひとを探したい」という久坂と話すうち、職場とは違う彼の一...

小さなイベント事務所で働く藤田サトミは、職場の久坂から「気になる交差点があるから、次の休みに一緒に観察に行こう」と誘われる。戸惑いながらも、喫茶店で並んで、ひとで溢れかえる休日の交差点を見下ろすことに。「通行人の中から、あるひとを探したい」という久坂と話すうち、職場とは違う彼の一面に触れ、不思議と心惹かれていく。  時を同じくして、サトミのもとに人材コンサルティング会社の遠野と名乗る男が現れ、業界大手への転職を持ちかけてくる。けれど、その頃からサトミの周りで物や人が不意に消滅しはじめる。引き出しにいつも入れていたハッカ飴の缶、採用されたはずのアルバイトスタッフ、進行中だったイベント。自分の記憶と周りの人の記憶に食い違いが生まれ、混乱するサトミに対して、久坂は自分のせいだと語り出す。失われ続ける世界のなかで、失いたくない人を見出した里美は、必死に消滅に立ち向かうが・・・・・・。 「Amazon内容紹介」より 不思議な読後感の作品.トロンプルイユ(だまし絵)というだけある、という感じか.絵で見せられると分かりやすいところを文章で想像させるというのはなかなか高度なことだと思う.抜け落ちて残るものとものをつなぎあわせて…日常がこうであったら怖いな.

Posted byブクログ

2016/03/09

藤田カナコはある時から周囲にあるものが消えていくのを感じた。そんな世界にパニックをおこしかけていると、同僚の男性から「自分のせいだ」と言われる。 自分の記憶が本当なのか、他の人の記憶が正しいのか、自分が間違っているのか、あやふやな世界でカナコはどう生きていくのか。

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