カササギたちの四季 の商品レビュー
道尾秀介さんの作品と言えば、まずは殺人事件の絡む話が第一印象として浮かびますが、「カササギたちの四季」のような、ちょっと心があったかくなる話も、この人の持ち味なんじゃないかな、と思います。 華沙々木さんの的外れな(あながち的外れともいえないけど)推理を、彼に憧れに似た気持ちを持...
道尾秀介さんの作品と言えば、まずは殺人事件の絡む話が第一印象として浮かびますが、「カササギたちの四季」のような、ちょっと心があったかくなる話も、この人の持ち味なんじゃないかな、と思います。 華沙々木さんの的外れな(あながち的外れともいえないけど)推理を、彼に憧れに似た気持ちを持っている菜美ちゃんをがっかりさせないように、裏で辻褄が合うようにフォローする日暮さんの優しさに微笑ましい気持ちになりました。 第一話「鵲の橋」の純江さんと、日暮さんのその後が気になるので、続編発表されるといいなぁ。 面白かったです!
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アンティークショップを営む青年二人と、そこへ入り浸るわけありの女子中生。彼らが出会う不思議な事件が、連作短編で綴られていきます。ユニークな語り口と軽いタッチのお話で、事件の意外性よりも人と人との感情の齟齬や繋がりに重みを置いたふうで、猟奇的だったり意地悪だったりすることもないので...
アンティークショップを営む青年二人と、そこへ入り浸るわけありの女子中生。彼らが出会う不思議な事件が、連作短編で綴られていきます。ユニークな語り口と軽いタッチのお話で、事件の意外性よりも人と人との感情の齟齬や繋がりに重みを置いたふうで、猟奇的だったり意地悪だったりすることもないので、とてもしっとりしんみりした印象の短編集に思えました。どれもパターンにのっとって、カササギが推理を披露して日暮がそれを覆して…という流れですが、そのあたりの日暮の歯がゆい感じが味があって良かったです。冬のお話が一番重みがあって愛情の深みが感じられて、好きです。なによりネタ的存在だった和尚にそんな秘密があったなんて、イイキャラクタです。 たいしてカササギがただのボケな存在になってしまっているので、邪魔だなあと少し思ってしまったりも。彼がこんなだという理由がいつかどこかでわかる日が来ると愛着が持てるような気がするので、そんな続編を待ちたいと思います。
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初、道尾作品。すぐ読めた。人よりちょっとズレた我が道を大真面目に驀進する、憎めないアホ華沙々木と、器用貧乏な苦労人日暮さんと意外とロマンチスト和尚さん。と、反抗期ヒロイン奈美ちゃん。男性作家っぽくない気がしたけど、男性だからこんな感じなのかな?レビューを見ると他のは違う雰囲気...
初、道尾作品。すぐ読めた。人よりちょっとズレた我が道を大真面目に驀進する、憎めないアホ華沙々木と、器用貧乏な苦労人日暮さんと意外とロマンチスト和尚さん。と、反抗期ヒロイン奈美ちゃん。男性作家っぽくない気がしたけど、男性だからこんな感じなのかな?レビューを見ると他のは違う雰囲気のようなので、気が向いたら他の作品も読んでみようと思った。個人的には和尚さん好きです。 p.124 「どうして川が曲がりくねっているか、知ってますか?」 答えはなかった。それでも僕はつづけた。 「水が高いところを避けて通るからです。だから川は、こうして曲がりながら延びていく。この川なんて、とくにそうです。でもすごく綺麗だと思いませんか?」(中略) 「人間って、毎日毎日いろんなことを考えて、いろんなものに憧れて、曲がりくねってるものなんです。誰だってそうです。そうやって流れているあいだは、行き着くさきなんてわかりません。でも僕は思うんです。曲がりくねることは、大事なことです」 ●やさしい、言葉だと思った。でも、この時の彼女には必要な言葉だったんだろうな。もう少しして、この言葉が染み込んだとき、早知子が自信をもって道を進めたら素敵だと思う。 p.179 彼女はたしかに嘘をついた。しかし、嘘をつくその気持ちはこの上なく本当だったに違いない。彼女の嘘がどうしてばれたのか。それは、彼女が嘘をつけない子だからだ。実際には声を放って泣いているその顔を、無表情という嘘で覆っても、哀しみを隠すことなどちっとも出来ないのと同じだ。 ●“少女”の清潔さは、たぶんこういうこと。いびつで悲しい、原石。 読みやすかったけど、こういう物語なら、私は坂木司さんの方が好みかな、と思いました。
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相変わらず上手いな道尾、毎回の和尚との駆け引き、ダブル解決等、これぞ連作短編! ダークじゃない道尾も良いな、短編でちょっと物足りないけどネ
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これは!!!大好きな感じだ。 華沙々木丈助の「チェックメイトだよ、日暮くん」っていうのもいいし、しかも、華沙々木がチェスをやらないっていうのもいい。 華沙々木丈助を名探偵と信じているように見える 南菜美も可愛いし。 で、二人のために頑張る日暮正生はもっといい。 いいなぁ、いいな...
これは!!!大好きな感じだ。 華沙々木丈助の「チェックメイトだよ、日暮くん」っていうのもいいし、しかも、華沙々木がチェスをやらないっていうのもいい。 華沙々木丈助を名探偵と信じているように見える 南菜美も可愛いし。 で、二人のために頑張る日暮正生はもっといい。 いいなぁ、いいなぁ。 読みたいけれど、読み終わるのがもったいない、そんな感じ。
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気が弱いけど優して頭がいい青年がメイン主人公の話。 小道具屋のオーナーで一緒に働いているカササギは、自分が名探偵だと思い込んでしまっているため、毎回主人公がその推理に合うように右往左往している楽しい本でした。 この2人と仲の良い中学生の女の子・南見も生意気で可愛く、話に花を添...
気が弱いけど優して頭がいい青年がメイン主人公の話。 小道具屋のオーナーで一緒に働いているカササギは、自分が名探偵だと思い込んでしまっているため、毎回主人公がその推理に合うように右往左往している楽しい本でした。 この2人と仲の良い中学生の女の子・南見も生意気で可愛く、話に花を添えてます。 シリーズで読みたいけど、終わりから考えると続刊はないかもですね……。……残念。 道尾さんはこういう優しい作品のがあってる気がします
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
いままでの道尾作品とは全然ちがう! めちゃくちゃ「さわやか」な探偵話でした。 これドラマっぽかったなー 普通にドラマ化しそうだな。映像が浮かぶわ。 キャスティング考えるのも楽しそう。
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あらっ道尾秀介ってこんな爽やかな優しいミステリーも書くんだ。いつもどこかに絶望が滲んでいるような印象だったのに。
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はじめはくだらない感じだなーと思ったけど、だんだんと引き込まれていった. ちょっと現実離れしているけど楽しめた.
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リサイクルショップを営む華沙々木(かささぎ)丈介の的外れなホームズぶりを蔭でつくろう従業員の日暮正夫が一人称で語る連作短編集。ふとしたきっかけで華沙々木の信奉者になった中学生の南見菜美や、強欲和尚と見えて実は…な黄豊寺の住職もいい味出してた。この著者の作品とは思えない、軽いノリの...
リサイクルショップを営む華沙々木(かささぎ)丈介の的外れなホームズぶりを蔭でつくろう従業員の日暮正夫が一人称で語る連作短編集。ふとしたきっかけで華沙々木の信奉者になった中学生の南見菜美や、強欲和尚と見えて実は…な黄豊寺の住職もいい味出してた。この著者の作品とは思えない、軽いノリの連作短編。こういう作風の方がわたしは好きかも。
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