カササギたちの四季 の商品レビュー
リサイクルショップ・カササギは いい加減で探偵きどりの社長の華沙々木と 交渉に弱いがリペア技術は確かな日暮の2人で営んでいる。 ある出来事をきっかけに彼らの元に通いだした 中学生の菜美を加えた3人が身近に起きた事件を解決していく。 『ブロンズ像放火未遂事件』の犯人をつきとめるべ...
リサイクルショップ・カササギは いい加減で探偵きどりの社長の華沙々木と 交渉に弱いがリペア技術は確かな日暮の2人で営んでいる。 ある出来事をきっかけに彼らの元に通いだした 中学生の菜美を加えた3人が身近に起きた事件を解決していく。 『ブロンズ像放火未遂事件』の犯人をつきとめるべく 店を訪れた少年を尾行し、ブロンズ像制作販売会社にたどりつく 「春―鵲の橋―」 新しい女本弟子のために家財道具一式を運びにいった木工所で、 加工を依頼されていたご神木に傷がつけられるという事件に出くわす 「夏―蜩の川―」 高価な調度品を買い取りに行った先で菜美に出会った2人は 母親から猫泥棒を疑われた菜美の名誉挽回に挑む 「秋―南の絆―」 いつもガラクタを買わされている住職の寺にみかん狩りに行くと 死んだ妻からのラブレター入りの貯金箱が壊され、 養子の宗珍が自分がやったのだと告白する 「冬―橘の寺―」 装丁:坂野公一+吉田友美(welle design) 装画:牧野千穂 白道尾と言えるかな、直木賞受賞作の『月と蟹』とはうってかわって ユーモアあふれるのミステリです。 二段構えのミステリ仕掛けが面白い。 ミスリード通りの推理を披露する華沙々木と事件の真相を暴く日暮、 どちらも予想しながら読むのですが予想の斜め上をいく真相に 驚かされます。 物語の構成パターンがつかめてからは 日暮と一緒に華沙々木の推理を 先回りして予想するのも楽しいです。 そして事件の裏に隠された人間関係も読みどころ。 今後が気になる登場人物がたくさんいます。 特に菜美は、母親と和解できるのか。父親はどこへ行ったのか。 華沙々木と日暮のことをどう思っているのか。等々。 お気に入りのキャラは断然住職です。 お金にうるさく息子と死んだ妻への愛を惜しまない、 俗にまみれているとも言えるかもしれませんが、魅力にあふれています。
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開店して2年。店員は2人。「リサイクルショップ・カササギ」は、赤字経営を2年継続中の、ちいさな店だ。店長の華沙々木は、謎めいた事件があると、商売そっちのけで首を突っ込みたがるし、副店長の日暮は、売り物にならないようなガラクタを高く買い取らされてばかり。でも、しょっちゅう入り浸って...
開店して2年。店員は2人。「リサイクルショップ・カササギ」は、赤字経営を2年継続中の、ちいさな店だ。店長の華沙々木は、謎めいた事件があると、商売そっちのけで首を突っ込みたがるし、副店長の日暮は、売り物にならないようなガラクタを高く買い取らされてばかり。でも、しょっちゅう入り浸っている中学生の菜美は、居心地がいいのか、なかなか帰ろうとしない―。 近頃、とんと“文学”寄りな作品ばかりだった著者。 もう、「待ってました」とばかりのミステリー作品。 趣向もちょっぴり変わっていて、 華沙々木が推理する真相をあたかも“真相”のように見せるべく、 奔走し、華沙々木を名探偵に仕立て上げ、 本当の真相を解き明かし、影の名探偵たる日暮。 ほんわかした、ちょっと残念な日暮のキャラはいい! くすっと笑えて、人情話でもあるミステリー。 こっち路線の作品を今後も熱望いたします。 《2011年2月28日 読了》
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4つの短篇ミステリー。リサイクルショップで働く2人の若者が主人公。最初にボケた推理を見せておいて、一工夫させた上でひっくり返す…これがなんとも軽妙でテンポがいい!決めセリフもあったり和みます。今までの大どんでん返しが大技一本なら、今回のは合わせ技一本って感じ。チェックメイトでは問...
4つの短篇ミステリー。リサイクルショップで働く2人の若者が主人公。最初にボケた推理を見せておいて、一工夫させた上でひっくり返す…これがなんとも軽妙でテンポがいい!決めセリフもあったり和みます。今までの大どんでん返しが大技一本なら、今回のは合わせ技一本って感じ。チェックメイトでは問題は解決しませんね♪
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いつの間にか直木賞作家!になってた道尾秀介の受賞後第一作。どうしても「向日葵の咲かない夏」とかのダークなイメージが強く、直木賞受賞作もそうだっから、これもかなー、と買ったらびっくり予想外。ちょっと伊坂幸太郎テイストでもある。面白かったけど道尾秀介ならやっぱりダークなものを期待した...
いつの間にか直木賞作家!になってた道尾秀介の受賞後第一作。どうしても「向日葵の咲かない夏」とかのダークなイメージが強く、直木賞受賞作もそうだっから、これもかなー、と買ったらびっくり予想外。ちょっと伊坂幸太郎テイストでもある。面白かったけど道尾秀介ならやっぱりダークなものを期待したいかな。よくある設定、話、な印象でした。面白かったけど。
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道尾さんの小説にしては量も少なくてすごく読みやすい。ただ道尾さんらしい「えっ!」というストーリーのどんでん返しがないし、情景の描写もシンプルすぎるなー。個人的にはもっと重いのが好き。
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道尾秀介さんの作品の中でも明るい雰囲気の作品。華沙々木の奇抜な発想を日暮がおぎなう。このコンビネーションが良かった。菜美の存在も重要ですね。
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面白い推理物の形。シリーズ化希望。すごく読みやすく、キャラクターも親しみやすい。マキビさんシリーズとは違った楽しさがある。
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直木賞受賞第一作。 リサイクルショップカササギを舞台に巻き起る事件を描いた連作短編集。 華沙々木の的外れな推理を日暮が真実となるように細工をするという斬新な展開。 的外れな推理にも一応の筋道を立てつつ、さらに深い真実をその奥に忍ばせおり、非常に作り込まれているので感心いたしました...
直木賞受賞第一作。 リサイクルショップカササギを舞台に巻き起る事件を描いた連作短編集。 華沙々木の的外れな推理を日暮が真実となるように細工をするという斬新な展開。 的外れな推理にも一応の筋道を立てつつ、さらに深い真実をその奥に忍ばせおり、非常に作り込まれているので感心いたしました。 また最後の短編「橘の寺」では感動で思わず涙がこぼれました。 道尾さんの作品のラストは、どれも深い余韻が残ってとても気持ち良く読み終えることができます。
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