カササギたちの四季 の商品レビュー
この直木賞作家の本は初めて読んだが、このような作者の魂が感じられない、漫画よりつまらない本が世に受けているのが疑問。
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や〜、道尾さんこれはまた新たな作風を見せてくれたもので。今年読んだ中で一番かも。『リサイクルショップ・カササギ』を営む華沙々木と日暮の関わる4つの事件とその真相。どの話も頭は『軽トラの運転席を降りると、―』で、ヤクザな和尚に無理強いされた取引から始まる。その辺の趣向もうまいけど、...
や〜、道尾さんこれはまた新たな作風を見せてくれたもので。今年読んだ中で一番かも。『リサイクルショップ・カササギ』を営む華沙々木と日暮の関わる4つの事件とその真相。どの話も頭は『軽トラの運転席を降りると、―』で、ヤクザな和尚に無理強いされた取引から始まる。その辺の趣向もうまいけど、探偵きどりの華沙々木が『薔薇十字社探偵』榎木津礼二郎なみで楽しい。その陰で日暮がつじつまを合わせるために奔走する様子とその理由もいい。そして明かされる意外なせつない真相。特に最終話の「橘の寺」は落涙必至の出来だ。道尾さんに笑わせたり泣かせたり 自在に操つられてる気がしますよ。ほんとにうまい!これは、買って手元に置きたい本。
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この間読んだ「向日葵の咲かない夏」がかなりのインパクトだったので、ちょっとドキドキしながら読み始めた。 「向日葵の…」に比べると小さい事件とトボけた感じのストーリーが個人的には良かった。
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ライトな作品。登場人物それぞれの個性が分散されてしまい曖昧。日暮を軸に回るのか、華沙々木を中心とするのかが描ききれていない。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
珍しく誰も死なない日常生活における失せ物とかにかかわる平和な謎を解く短編集。いつもの作品を期待した方にとっては評価が分かれるだろうけど、言葉の意味を取り違え、勘違いから始まるというような謎かけという部分は、いつもの作者らしいが、そんなミステリーの要素よりも、素直に登場人物の掛け合いを楽しんだ方が良いだろう。主人公が何故、少女を悲しませないという一点に拘り続けるのかというストーリーの根幹にかかわる要素については、主人公の生い立ちにかかわる部分がある旨の伏線がありながらも、最後まで明かされていないので、シリーズ化させたいという意向があるのが窺える。次回作は長編にしてほしいと思うが、それでこの作品の軽妙な掛け合いがなくなるもの何なのではあるが、ある意味、期待を裏切るような意外な展開も、この作者ならあると思われるので、また期待したい。
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直木賞受賞後第一作ですから、周囲の期待も大きかったのではないでしょうか。もともと「自分が読みたいものを書く」が信条だと言ってきた作家さんですので、そんなプレッシャーはなかったのかな。 しかし、きつい言い方をすれば、直木賞などの賞をとったから読んでもらえる作品であるといっても...
直木賞受賞後第一作ですから、周囲の期待も大きかったのではないでしょうか。もともと「自分が読みたいものを書く」が信条だと言ってきた作家さんですので、そんなプレッシャーはなかったのかな。 しかし、きつい言い方をすれば、直木賞などの賞をとったから読んでもらえる作品であるといってもいいでしょう。これまでの作品に比べてあまりにひねりがない。まるで劇団ひとりの「陰日向・・・」レベルです。つまり誰でも書けるもの。 かささぎと日暮の二人組みのレンタルショップは、三浦しをんさんの多田便利軒の二番煎じみたいだし、かささぎの陳腐な推理を日暮が懸命にカバーする理由が「ただ彼女(中学生・菜美)をがっかりさせないため」だけだとしたら、なんだかつまらないです。 おそらくシリーズ化しようともくろんでいるんでしょうね。楽しく書けている気はします。 ここまでネームバリューを勝ち取ったのだから、あとは本人の好きなようにすればいいってことですね。いっそ正面からヤング向けにして、読書離れの若者を救ってやってください
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迷推理を繰り広げる古道具屋の店長と、こっそり後始末に走り回る、実は名探偵の副店長。道尾作品らしからぬ?読後感の良さ。賛否があるでしょうが、僕は好き。
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リサイクルショップを経営する男二人と、故あってそこに入り浸る女子中学生の連作短編4編。ミステリ的な要素もありますが、それはおまけみたいなもの。様々な形の親子愛が切なく描かれます。
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さいたま市でぱっとしない「リサイクルショップ・カササギ」を共同経営する華沙々木(カササギ)と日暮という若者二人が登場するユーモア・タッチのミステリ。社長でありホームズ役を自認する迷探偵・華沙々木の暴走気味の推理を、主人公である日暮がワトソン役を演じながら裏からフォローする探偵日記...
さいたま市でぱっとしない「リサイクルショップ・カササギ」を共同経営する華沙々木(カササギ)と日暮という若者二人が登場するユーモア・タッチのミステリ。社長でありホームズ役を自認する迷探偵・華沙々木の暴走気味の推理を、主人公である日暮がワトソン役を演じながら裏からフォローする探偵日記の風情。シリーズ読み切り4編を収録。四季の移り変わりを織り込み、「マーフィーの法則」を愛読書として、とんちんかんな推理を振り回す華沙々木とそれを陰ながら補佐して密かに名探偵ぶりを演出する日暮の苦労が読みどころ。どちらかといえば、日常の謎を解き明かすストーリー展開は、人間心理を追究した道尾さんらしい本格ミステリ作品を期待する向きにはちょっと物足りないかも。
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心優しく、能天気な華沙々木くんと、心優しく、お人よしで惚れっぽい日暮くんの迷コンビが優しく人の心を救っていく。 温かい気持ちになれます。
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