カササギたちの四季 の商品レビュー
「人間って、毎日毎日いろんあことを考えて、いろんなものに憧れて、曲がりくねってるものなんです。誰だってそうです。そうやって流れているあいだは、行き着く先なんてわかりません。でも僕は思うんです。曲がりくねることは、大事なことです」(「蜩の川」) ここ数本の道尾作品とは多少路線が異...
「人間って、毎日毎日いろんあことを考えて、いろんなものに憧れて、曲がりくねってるものなんです。誰だってそうです。そうやって流れているあいだは、行き着く先なんてわかりません。でも僕は思うんです。曲がりくねることは、大事なことです」(「蜩の川」) ここ数本の道尾作品とは多少路線が異なっている本作。 暗いという、いつものテイストも多少はあるのだけれど、 どこかコミカルで、ふふと笑ってしまうような面々のやり取り。 そして本当の探偵は誰なのか!? という、なんとも、面白い展開に。 私の読んできた限りだと、なんとなく『ソロノモンの犬』だとか 『片眼の猿』だとか、そういう辛いところは辛いのだけれど、 どこか面白くて、ニヤニヤ笑ってしまうような、物語系統かな。 そして、こういう系統も読ませる。 重くない分、読みやすくって、すごく、、物足りない!!! もっともっと!!!と心から思ってしまうシリーズ。 続編に期待したいところです。 【6/6読了・初読・大学図書館】
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7月-8。4.0点。 連作短編。リサイクルショップの友人二人と、中学少女。店長が、事件を推理。ほのぼのとした物語。この作家には珍しく、ドロドロ感がない。 やはり最後の一編が良かった。
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久々にほんわかあたたかい作風の道尾作品。 赤字続きの小さなリサイクルショップを中心に起こる日常の謎系のミステリー。ほのぼのとした気分でまったり楽しめました。 謎を求めて色んな事件に無理やり介入したがるマイペースな店長・華沙々木丈助。 物語の語り手であり、お人好しで気弱な副店長・...
久々にほんわかあたたかい作風の道尾作品。 赤字続きの小さなリサイクルショップを中心に起こる日常の謎系のミステリー。ほのぼのとした気分でまったり楽しめました。 謎を求めて色んな事件に無理やり介入したがるマイペースな店長・華沙々木丈助。 物語の語り手であり、お人好しで気弱な副店長・日暮正生。 店に入り浸る女子中学生・南見菜美。 探偵役は華沙々木なので、この登場人物たちの配置は、真備シリーズに似てるなぁ、なんて思ってたら、実は裏で日暮くんが相当頑張ってました。 この登場人物たちの絶妙な関係性が笑えます。 四話の中でも、最後の「橘の寺」が良かったです。 …なんというか、黄豊寺の住職がこの物語の良いところを全部持っていった気がしますね。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
開店して以降、赤字経営を2年継続中の「リサイクルショップ・カササギ」を舞台に 四季を通した4篇からなる短編集。 店長、華沙々木(かささぎ)と副店長、日暮(ひぐらし)と なぜかいつもお店に入り浸っている少女、菜美ちゃん。 このリサイクルショップの客先で起こる謎にちょっとズレた推理をする華沙々木。 真相を解明し、穏やかに淡々と後始末をする日暮。 謎の解明が二重になっているので、先に華沙々木の推理を楽しんでから、 そのあと日暮の語る真相を知るという設定はとても面白かった。 日暮が真相を語る前に、想像できてしまうお話もあったけど、全然がっかり感はない。 日暮がする隠れた行動は、華沙々木の謎解きを信じている菜美ちゃんを落胆させないため。 4篇を読み進めていくと、日暮がなぜ菜美ちゃんを落胆させないようにしているのかも明らかになり、最後には菜美ちゃんのある種の優しさも垣間見れる。 謎解き自体、ドロドロ感もなく、さらっと読める。 4篇とも親子愛が描かれているので、なんとなく安心して読める気がした。 全編に登場する悪徳な感じの黄豊寺の住職さんがとても良かった。 この人の作品は読後感が良くないものが多いけど、この作品はめずらしく穏やかに終わった。 ちょっと拍子抜けしたけど、こうゆうのも書くんだあと思った。 なんとなく三浦しをん著「まほろ駅前多田便利軒」に似てるような・・・
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名探偵とおもいきや本物はそばにいた普通っぽい人だった・・・ さらっと読めて あんまり読後感もなくおわりました
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一歩距離を置いたハートフル。 そんな感じのする、ライトミステリーでした。 謎の解明が二重底になっているので、まずは華沙々木の推理を楽しんで、そのあとの日暮の語る真相を知るという面白さがあります。 最終章の「橘の寺」は「光媒の花」に通じる叙情的な美しさが漂う物語になっています。 ...
一歩距離を置いたハートフル。 そんな感じのする、ライトミステリーでした。 謎の解明が二重底になっているので、まずは華沙々木の推理を楽しんで、そのあとの日暮の語る真相を知るという面白さがあります。 最終章の「橘の寺」は「光媒の花」に通じる叙情的な美しさが漂う物語になっています。 道尾さんらしさが随所に見られる作品だと思いました。 この本は装丁がとても素敵です。 カバーの絵もいい感じですし、表紙をめくったタイトル部分もおしゃれ。目次も奥付も面白いデザインになっています。 全体に大変凝ったつくりで、その部分も楽しめます。
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誰も死なず血も流れない、おまけにホロリと人情的なミステリー。好きなタイプ。作者の既読の作品とは一味違ったイメージ。色々な小説が書ける人なのね。次作に期待。
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突然のたなぞう終了の知らせにかなりショックをうけている。他の読書サイトはどうも…。これからどうしよう。おなじみになった方たちのレビューが読めなくなるのもつらいなあ。 気を取り直して。これまでの道尾作品の中で最も安心して読めるものかも。最初の二編はなかなか設定に入り込めなかったが...
突然のたなぞう終了の知らせにかなりショックをうけている。他の読書サイトはどうも…。これからどうしよう。おなじみになった方たちのレビューが読めなくなるのもつらいなあ。 気を取り直して。これまでの道尾作品の中で最も安心して読めるものかも。最初の二編はなかなか設定に入り込めなかったが、第三編で菜美ちゃんの家庭事情がわかるあたりから、登場人物それぞれの奥行きが増して、ひきこまれた。ちょっと「多田便利軒」を思わせる。
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やっと読めました(^^)/ 殺人が起きたりするような本格的な推理小説ではないけど 設定や謎解きの方法がユニークでおもしろかった(*^^)v
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なんか道尾秀介っぽくない、と思ったのは自分だけじゃないようで。こんな話も書くんだなーって少し新鮮でした。珍しくほんわか、読後感も悪くない作品で、嫌いではない…かな。 ミステリーが誰かを傷つけるのではなく、隠していた感情を浮き出すために使われていること、それぞれの短編に心温まるエン...
なんか道尾秀介っぽくない、と思ったのは自分だけじゃないようで。こんな話も書くんだなーって少し新鮮でした。珍しくほんわか、読後感も悪くない作品で、嫌いではない…かな。 ミステリーが誰かを傷つけるのではなく、隠していた感情を浮き出すために使われていること、それぞれの短編に心温まるエンディングが用意されていることは、さすがだなあと思うし、うまいと思う。 でも申し訳ないことに、華沙々木と奈美が好きになれなかったのです。こういう突き抜けて明るくて周りを知らず知らずのうちに苦労させてるタイプって苦手なんだ。だからちょっと低評価。 それでもなんだかんだで続編が出たらやっぱり読むんだろうなあ。 [2011.06.10]
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