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錯覚の科学 の商品レビュー

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99件のお客様レビュー

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    23

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2018/10/20

クリストファー・チャブリス、ダニエル・シモンズ共著、木村博江訳の「錯覚の科学」を読みました。300ページほどありますが、興味深く読めました。 想定されないことは見えても見えない。自分の記憶は改ざんされる。自信ある態度にだまされる。相関関係があるとはいえ因果関係があるとは言えない...

クリストファー・チャブリス、ダニエル・シモンズ共著、木村博江訳の「錯覚の科学」を読みました。300ページほどありますが、興味深く読めました。 想定されないことは見えても見えない。自分の記憶は改ざんされる。自信ある態度にだまされる。相関関係があるとはいえ因果関係があるとは言えない。などなど、思い込みと錯覚の世界への招待。注意の錯覚、記憶の錯覚、自信の錯覚、知識の錯覚、原因の錯覚、可能性の錯覚を紹介する。

Posted byブクログ

2018/02/13

人が陥る錯誤について、様々なエピソードを交えて記述。注意、記憶、自身、可能性、直感等。知っているだけではどうしようもない部分もあるが、多少避けられるところも出てくるのかなと思った。

Posted byブクログ

2018/01/31

何かに注意を向けていると、目の前の異常事態すら見落としてしまう「注意の錯覚」、記憶を自分の記憶したいように記憶してしまう「記憶の錯覚」、自信のありそうな振る舞いや態度の持ち主をより信用してしまう「自信の錯覚」、偶然おきた前後の事柄に因果関係を見出してしまう「原因の錯覚」、未知なる...

何かに注意を向けていると、目の前の異常事態すら見落としてしまう「注意の錯覚」、記憶を自分の記憶したいように記憶してしまう「記憶の錯覚」、自信のありそうな振る舞いや態度の持ち主をより信用してしまう「自信の錯覚」、偶然おきた前後の事柄に因果関係を見出してしまう「原因の錯覚」、未知なる才能がいつか覚醒すると思い込む「可能性の錯覚」の5種類の思い込みについての研究。人間の脳がいかに都合のいいものだけを抜き出し、要約し、処理する構造になっているのかがよくわかる。そのおかげで人間は高度なことをやれるようになったわけだ。その反面でこういう誤りを常時行っていることを忘れがちになる。そのことに自覚的であれば、よりよい生活を送れるようになるだろう。各々の記憶に関する豊富で興味深い事例の数々が興味をひくので、まったく堅苦しくなく楽しい読み物として読めるのがいい。

Posted byブクログ

2017/11/23

大変興味深く読んだのだけど、どうしてもひっかかるのが「錯覚」という言葉の使い方。これって原書ではどんな言葉が使われているのだろうか。広辞苑では、「錯覚」は、「①(心)知覚が刺激の客観的性質と一致しない現象。②俗に、思いちがい。」となっている。①は心理学用語ではあるけれど、一般に使...

大変興味深く読んだのだけど、どうしてもひっかかるのが「錯覚」という言葉の使い方。これって原書ではどんな言葉が使われているのだろうか。広辞苑では、「錯覚」は、「①(心)知覚が刺激の客観的性質と一致しない現象。②俗に、思いちがい。」となっている。①は心理学用語ではあるけれど、一般に使うときにもそういうニュアンスであることが多いような気がする。本書で取り上げられている事柄は、確かに①の意味のものもあるけれど(「見えないゴリラ」など)、「思いちがい」とか「思いこみ」とよぶ方がずっとしっくりくるもののほうが多い。とりわけ後半の内容を「錯覚」という語でまとめるのにはかなり違和感がある。 しかしまあ、それはそれとして、内容はとても面白かった。人はいとも簡単に事実と違うことを思い込むが、それは脳が情報処理を適切に行うことの副産物であり、人のそうした性質を知って対処すべきことが多くある、という著者たちの考え方が説得力を持って語られている。 有名だという(私は全然知らなかった)「見えないゴリラ」をはじめとして、まさかそんなあと思ってしまう「錯覚」の事例が、実験や実際の事件という形で提示されている。いろいろある中で、特におもしろいと思ったものをいくつか。 ・記憶の捏造について。少し前に読んだ「脳はなぜ都合よく記憶するのか」を思い出した。記憶というものがいかに不確かか、考え込んでしまう内容だったが、本書でさらにその感を強くした。体験直後から記憶は不正確で、鮮明な記憶と思っているものも思いこみだとその証拠を示されてしまったら…、うーん、これはちょっとつらい。 ・「人は統計より実話に弱い」。あ~、これは例に事欠かないなあ。CMなんかそのオンパレードだものね。情報が洪水の如くあふれる今の世の中だからこそ、身近な(と思える)体験談に耳を傾けたくなるのかも。 ・「ふつうの人は、脳の潜在能力を10%しか使っていない」というのも思いこみ。え?そうなの?なんとなく本当らしく思っていた。これも「サブリミナル効果」とかと同じく似非科学的言辞らしい。 あと、まったくのシロートとして気になったのが、当然の前提として言明される「再現できることのみが科学的真実」という考え方だ。これが、実験心理学という分野では、言うまでもない自明なこととされるのはわかるが、臨床心理学などにおいては、どのように考えるのだろう。さらに、科学界一般(そういうものがあるとして)ではどうなんだろう。「真実」とはなんですか、とか突っ込まれたら困るけど。

Posted byブクログ

2017/11/14

冒頭で紹介しているゴリラのビデオを見てみた。パスの数を勘定してたら、ぼくは見落とすほうの50%入りだな。普通に見ていたら、見落しようはないけれど。 ぼくはもともと、自分の注意力や記憶力をぜんぜん信用していないので、ショックは受けなかった。でも自分は特殊なほうだと思っていたので、世...

冒頭で紹介しているゴリラのビデオを見てみた。パスの数を勘定してたら、ぼくは見落とすほうの50%入りだな。普通に見ていたら、見落しようはないけれど。 ぼくはもともと、自分の注意力や記憶力をぜんぜん信用していないので、ショックは受けなかった。でも自分は特殊なほうだと思っていたので、世間一般の人の注意力や認知もあてにならないんだと知って、逆にショックを受けた。怖いな。相手に悪気がないのが更に怖い。痴漢や暴漢と間違えられたらどうしよう。 事例は豊富で、研究が元になっているから論理的だし、説得力ある。たいへん面白かった。 ただ後半の主題になっている「俗説」のたぐいは錯覚とは別物だ。サブリミナル効果の嘘や、ワクチン接種が自閉症の引き金になるという「説」、モーツァルト効果などは、感覚や記憶の間違い=錯覚ではなく、論理的な研究や追跡調査の結果を説かれても信じようとしないというもっと根が深い問題だ。一緒にしちゃまずいと思う。

Posted byブクログ

2017/07/04

所在:展示架 請求記号:145.5 C31 資料ID:11700483 有名な錯覚の話からあの人の言動まで色々な錯覚を取り上げています。

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2017/03/10

まずはこのリンクにアクセス www.youtube.com/watch?v=vJG698U2Mvo 日常的な錯覚は、私たちの思考や決断や行動に影響を与え、人生まで変えてしまうことがある。人は自分の能力を過大にプラス評価しがちである。また、私たちは自分に簡単にできることを、うまくで...

まずはこのリンクにアクセス www.youtube.com/watch?v=vJG698U2Mvo 日常的な錯覚は、私たちの思考や決断や行動に影響を与え、人生まで変えてしまうことがある。人は自分の能力を過大にプラス評価しがちである。また、私たちは自分に簡単にできることを、うまくできることと混同しやすい。 決して錯覚が根源的に有害というわけではない。ただ錯覚を意識しておくと、自分の心の働きについて新たな理解が出来、結論に飛びつく前に直感や勘がはたして正しいかを見直すことができるであろう。 何かにイライラしてしまう・・・それは相手が問題なのではなく、自らの日常的な錯覚が影響を与えたせいかもしれない。

Posted byブクログ

2017/01/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2011年刊。  本書の感想とは外れるが、年初、BSの放送大学で本書の同名講座が一挙再放送されていた。その講義内容は、騙し絵や手品等の錯視に加え、記憶や原因の錯覚等にも及び、本書と被る事項が大半であった。  つまり本書は、古くから日常的に感得されてきたヒトの認知上の誤謬を適宜命名し、科学的な光を当てて叙述したと言えそうだ。  本書が錯覚として叙述するのは注意、記憶、自信(自信ありげな振る舞い)、知識、原因(因果関係)、可能性(原因と被る。因果関係で包摂か)の点。  これらの誤謬の根拠に関し、実験内容・結果を広く開示していく。  統計データは物足りなさを感じるが、いかに我々が錯覚(認知的誤謬)の中で生活していることを感得するには十分な内容である。  もとより、これが個人的なレベルに止まっていれば大して問題はない。が、自信ありげな態度(態度と裏腹に実は根拠に乏しいことが多い)や記憶の錯覚が冤罪を生むといった、第三者に与える悪影響を考えると、ここで書かれている内容を熟知し、自分の認知には誤謬が混ざっていること、あるいは、第三者から受け取る情報についても、かかる誤謬・錯覚が介在する可能性があることを熟知しておく必要は高いだろう。  ちなみに本書には「詐欺師は自信家」との小見出しがあるが、腑に落ちる上に経験的に実感できる名言である。自信家への目線は眉唾くらいで丁度よいのだろう。  そもそも、本書では、こういう錯覚を理解し、意識下に置くだけでも、かなりの問題は回避できる可能性がある旨示唆するが、この点はここでも指摘しておく必要があるように思う。  著者チャブリスは米ニューヨーク・ユニオンカレッジ教授。同シモンズはイリノイ大学教授。

Posted byブクログ

2018/10/31

注意を向けないものは見落とす(注意の錯覚) 記憶は改ざんされる(記憶の錯覚) 自分の実力は過剰に評価する(自信の錯覚) 知識が多すぎると誤りの原因になる(知識の錯覚) 相関関係を因果関係と間違いやすい。人は統計より実話に弱い(原因の錯覚) モーツァルト効果、サブリミナル効果、脳ト...

注意を向けないものは見落とす(注意の錯覚) 記憶は改ざんされる(記憶の錯覚) 自分の実力は過剰に評価する(自信の錯覚) 知識が多すぎると誤りの原因になる(知識の錯覚) 相関関係を因果関係と間違いやすい。人は統計より実話に弱い(原因の錯覚) モーツァルト効果、サブリミナル効果、脳トレの効果はない(可能性の錯覚) 様々な場面で個人の行動を形づくる性格特性のビッグファイブは、情緒安定性、外向性、開放性、協調性、勤勉性。

Posted byブクログ

2016/01/08

例の動画に引っかかった一人です。実際の実験で例証されると説得力が違う。内容も簡潔にまとめられていて面白い。

Posted byブクログ