発光地帯 の商品レビュー
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いまの私にグサリとささった部分 2011年の本なんですね。そんなに前の本だと思っていなかった。 ___ けれど問題は「動けなくても動かないといけないとき」なのではなく「動けないけど動かないでいいとき」で、そうするともう、これまで一生懸命ごまかしごまかし積みあげてきた、おおげさに言えば生きることに必要なあらゆる理由がなくなってしまう、気がする、わたしたちがなんとなく、ここにいてもいいようなそんなゆるやかな言い訳めいたもろもろがさあっと霧散してしまう。沈めるうちは、大丈夫、沈むことのできる場所やものがあるうちは、それは賑やかでいいけれど、そういったものが総じてなくなるときも、あるので注意。 ___ 行きたいところも、行くべきところもわかっているのに、到着だけができないなんて。なぜなんだろうって、思うかな。
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この本が世に出て早十年以上経つんですね。自由気儘な文体は著者の思考がそのまま複写されているというか、まさに日常から零れ落ちる言葉たちを拾い集めた、という感じです。こんこんと眠り続けたり、食が偏ったりしてしまうのは、非凡な才能に恵まれた者の宿命なのか、或いは若さ故でしょうか。奔放だ...
この本が世に出て早十年以上経つんですね。自由気儘な文体は著者の思考がそのまま複写されているというか、まさに日常から零れ落ちる言葉たちを拾い集めた、という感じです。こんこんと眠り続けたり、食が偏ったりしてしまうのは、非凡な才能に恵まれた者の宿命なのか、或いは若さ故でしょうか。奔放だった自分自身の若き日を思い出して懐かしさを覚えました
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言葉の連なりが独特でありながら日常と非日常を行き来しているようなエッセイだった。川上未映子さんの息遣いを感じるようで、読んでいて本が私化されて、密集地帯。寂しくないね。発光地帯があるなら。
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2019.03.25読了。 今年3冊目。 川上 未映子さんのエッセイ。 自分も日々こんなふうにあれやこれやととりとめのないことを常に考えているので、読んでて親近感がわいた。 改めてそれを文にしてみるとすごく読みづらいなとは思ったけど、こういう書き方というか、自然な感じが面白いな...
2019.03.25読了。 今年3冊目。 川上 未映子さんのエッセイ。 自分も日々こんなふうにあれやこれやととりとめのないことを常に考えているので、読んでて親近感がわいた。 改めてそれを文にしてみるとすごく読みづらいなとは思ったけど、こういう書き方というか、自然な感じが面白いなと思った。 独身時代の感じに川上さんの生活が似ていてふと昔を思い出し懐かしくなったりもした。 あとは食に関しては本当にこだわりがない方なんだなとも笑
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川上未映子さんのエッセイはいくつか読んでいるけれど、本書は「ヘヴン」を書き終えたばかりの状態だからなのか、軽快なノリや痛快な感じは一切なく、全体的に気鬱な(それこそ理由もなくちょっと間違ったらうっかり死んでしまうような)状態で書かれている。 私もよくこんな状態に陥りやすいので、親近感が湧く。感受性が強いと日常を生きるのもとっても困難であったりする。 弟さん夫婦とラグビーの試合を観戦に行った回が印象的だった。〜勝ち負けとは関係ない部分での「人生の豊かさ」を得ている〜というくだりでは、本当にそうだなって思った。試合をしている選手にとっても、応援して一喜一憂するサポーターにとっても、「何かに夢中になれる」それだけで豊かなことだと思う。 遠い未来、母親が亡くなった時に、その悲しみを共通して分かち合え、語り合えるであろう姉弟か・・・。そういうのって憧れる。 エッセイで時折出てくる親友「ミガン」のキャラがとても好き。
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「ああもうぜんぶのことに感想を持つのやめればいいのだつまり生きる生きられる生きてゆくための方法はたったそれだけなのだ」という一文に、一番ぐっときた。些細なことについても感想を持ってしまう、考えてしまう性分は生きにくくて面倒くさくてどうしようもなく、これが捨てられなくて苦しく思う...
「ああもうぜんぶのことに感想を持つのやめればいいのだつまり生きる生きられる生きてゆくための方法はたったそれだけなのだ」という一文に、一番ぐっときた。些細なことについても感想を持ってしまう、考えてしまう性分は生きにくくて面倒くさくてどうしようもなく、これが捨てられなくて苦しく思うことがしばしばあるけれど、こうした一文を読むことで救われた気持ちになる。
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日常の呟き…。日記…。食レポがテーマだったらしいが、かじる程度。後発の短編集「愛の夢とか」に繋がる文章がちらほら。小説ってのは人生の切り売りってのが良く分かった気がした。
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2015/04/03 読了 魔法飛行→安心毛布→発光地帯という順で読んでしまいました。一番発光地帯が好きです。こうゆうモヤモヤというかモヨモヨというか右にも左にもいかない時期があったんだなぁと思うと勝手に親近感を抱いたりスパゲティばかり食べてたりと勝手に心配したりと今現在のこ...
2015/04/03 読了 魔法飛行→安心毛布→発光地帯という順で読んでしまいました。一番発光地帯が好きです。こうゆうモヤモヤというかモヨモヨというか右にも左にもいかない時期があったんだなぁと思うと勝手に親近感を抱いたりスパゲティばかり食べてたりと勝手に心配したりと今現在のことじゃないのにワクワクというより同じようにモワモワふわふわして読みました。 図書館で今回借りて読んだんですがまた読みたくなると思うので手に入れたいなぁと思っています。他の方が雨の日に読みたい本と綴っていて、私も雨の日に読み終わりなんとなく桜待ちの微妙に寒い三月の曇った日ばかりに手にとり読み進めたような気がします。
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言葉のセンスがおしゃれ。エッセイってこんなに面白いんだと思えた一冊。川上さんの文章はたくさんの人に読んでもらいたいです。
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死にたくなったり、生きたくなったり。 日常のちいさなことが素敵だったり、突き刺さるような一言にハッとしたり。 ふわっとやってくる感情をぎゅっと凝縮したようなエッセイだった。 小説になる前の文章。文章になる前の言葉の羅列。磨かれる前の言葉の鋭さ。 そういったものを感じた。
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