発光地帯 の商品レビュー
「食」の印象が極めて薄い、「食」のエッセイ。 エッセイというよりも、散文詩を読むように読みました。 自由に、何の制限もなく、泳ぐように書いているように見えるけれど、実は、細部まで練りこまれて構築されているのではないかなと。 人間の思考って、脈絡があるようで、実は次から次へと違...
「食」の印象が極めて薄い、「食」のエッセイ。 エッセイというよりも、散文詩を読むように読みました。 自由に、何の制限もなく、泳ぐように書いているように見えるけれど、実は、細部まで練りこまれて構築されているのではないかなと。 人間の思考って、脈絡があるようで、実は次から次へと違うことを考え、景色はテレビのチャンネルをかえるように移り変わり、結局答えなど一つも出ない。そんな人間の思考回路をぱつんと割ってそのまま見ているような、全てに意味を持たせなければならない、現実世界の言語になる前の段階の言語を見せていただいているような、気分になりました。 大きな感動も発見もびりびり痺れるものもない。 それなのに、永遠に読んでいたいと思う、不思議な一冊。 夜、眠る前に、あてずっぽうにページを開いて読むのも、楽しいです。
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「食を中心とした随筆を書く資格がじつはないのではないか」なんて著者が心配する食のエッセイ。 たしかに食べ物の話の印象はあまりないかも‥。 でも、ゆるやかに重ねられる言葉が心地よくて、するすると読める。 川上さんはのんびりした方なのかな? ゆったりしたペースを崩さずに、日常の諸々...
「食を中心とした随筆を書く資格がじつはないのではないか」なんて著者が心配する食のエッセイ。 たしかに食べ物の話の印象はあまりないかも‥。 でも、ゆるやかに重ねられる言葉が心地よくて、するすると読める。 川上さんはのんびりした方なのかな? ゆったりしたペースを崩さずに、日常の諸々に対処されるのではないだろうか。 そして、ズバッと切りつけるような鋭い言葉をふわりと口にするのではないか。 もうちょっとエッセイを読んでみたい。 川上さんが歌を歌っていたというのも初めて知った。 聴いてみたいな。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
川上未映子さんのエッセイ集。 これを読む前に「すべて真夜中の恋人たち」を読んでいて、なんとなく仄暗さの漂う雰囲気が彼女の作風なのかなと勝手に思い込んでました。 食のエッセイ、という割にあまり食には触れていないです。ただ、わたしも食に興味のない人間なので妙な親近感が沸いたりとか、あとはただただ美しい言葉の羅列にぐっときたり、美味しい文学が詰まった一冊だと思います。 あとは装丁が、個人的にとても気に入ってます。読み終えたあと、本棚に並べて眺めていたい。
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図書館で見つけた本。 川上さんの文章は、おもしろい表現が多い。 くねくねしている文章とでも言う感じかな。 つきはなされる。 エッセイ集しか読んでいない。 小説は未読だ。 こんどは、いつか読んでみよう。
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特に食に対して人一倍興味があるわけでもない、むしろ三食同じスパゲッティ食べるのも苦にならないくらいのテンションの著者が綴る食に関するエッセー。 そんなエッセーがあってもいいと思わされますよ。 日常から切り取ったみずみずしい何かを取り上げる言葉が耳にきもちいい。
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グッとくる装丁。どこかに書いたような気もするけど、川上さんはエッセイの方が好きだなあ。この人の感受性に惚れ惚れしてしまう。
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エッセイなんだけど、詩集のような小説のような。 『 世界なんかわたしとあなたでやめてしまえばいい』を 筆頭に、美しい文章。 文字も大きめで、フォントも美しく。 私はとても好きだった。
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散らかっている文章なのに、 ひとが言葉にできず困っている内側のもやもやをすんなり言葉にして ある程度整理してこちらに投げかけてくれる、そんなイメージのエッセイ。 とても女性的な文章なので、わたしは共感してしまうのだとおもいます。
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普段誰もが経験しているような 出来事を作者の繊細な感性と独特な 表現で纏められたエッセイ。 文章にテンポがありつらつらと 読める。 はな歌のような呟きのような独り言のような。イマジネーションが広がる一冊。
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日常の中で感じたことを、心が呟くままに書いているような、自由な文章の書き方が好きです。共感できる事が多くて、安心できたりします。川上未映子さんの書く本の、そういう所が好きです。
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