新世界より(上) の商品レビュー
読まず嫌いでSFにはあまり興味がなかった為、あらすじを読む限りでは特に惹かれるものはなかったけれど、貴志祐介の「黒い家」が面白かったのと、評価の高さに圧されて購入。 上中下巻に渡る長編という点に憂鬱さすら感じながら読み始めたが、それは完全に杞憂に過ぎず、ページを捲る手が止まらなく...
読まず嫌いでSFにはあまり興味がなかった為、あらすじを読む限りでは特に惹かれるものはなかったけれど、貴志祐介の「黒い家」が面白かったのと、評価の高さに圧されて購入。 上中下巻に渡る長編という点に憂鬱さすら感じながら読み始めたが、それは完全に杞憂に過ぎず、ページを捲る手が止まらなくなった。 舞台は今から1000年後、呪力の行使が当たり前となった日本。 そんな途方もない未来でありながら、自然豊かな風景描写にはどこか懐かしさすら感じられる。また、呪力が日常化している世界においても、子供たちの感性や会話の素朴さは現代と変わらない。そういった、現実離れしつつも読者を置いてきぼりにしない要素がふんだんにあしらわれているのがこの作品の妙味であり、SFに馴染みのない私でもすんなやのめり込めた所以だろう。
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読み始めた当初は「少年少女が主人公」「中世日本の長閑な農村風景」「呪力」「架空の生物」といった設定からファンタジーぽいのかな~ハリーポッターぽいのかな~と思っていました。 しかし、序盤が終わる辺りから世界観が見えてきまます。 景色がうっすらと拓けていくように、少しずつ明らかに...
読み始めた当初は「少年少女が主人公」「中世日本の長閑な農村風景」「呪力」「架空の生物」といった設定からファンタジーぽいのかな~ハリーポッターぽいのかな~と思っていました。 しかし、序盤が終わる辺りから世界観が見えてきまます。 景色がうっすらと拓けていくように、少しずつ明らかにされる物語は異質です。 現在私達が住んでいる「科学技術が高い社会」 その社会が「愚かしい」紛争によって絶滅しており、本書においては忌むべき「古代文明」として記録されています。 「現代日本」の風景は、まるで近代以前の農村を思わせる小さなコミュニティ単位の生活を成している。 そこには自動車、携帯電話、高層ビルも存在しない... 科学に代わって人々が「コントロール」するのは呪力.。 かなり悲惨な展開の中で主人公の強さという設定の物語。 でも、どちらかというとこれは話の流れ的に不可欠で、与えられた属性でテーマは人間の業の救いの無さにあるようにも読めます。 人間の心の中に潜んでいる善と悪。 そして、差別と排他的暴力について考えさせられました。 「破滅的な力の制御」「異端者をどう処遇するか」「支配・被支配の矛盾」など、社会派なテーマも感じさせられる作品です。 しかし、物語としてそこまで深く考えなくてもあっという間に読めてしまう作品でもあります。 青春、恋愛、友情、ミステリー・サスペンスなども盛り込まれています。 多少、血なまぐさい内容がありますが、そういったのが苦手な方でなければ楽しく読み終える事ができると思います。 時間を忘れて想像力は働かせて、どっぷり世界観に浸りたい方には特にオススメの作品です!
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この話の面白いところは禁を犯したことによってあることを知ってしまった主人公たちが、様々な出来事を得て大人になっていくというかなり長い期間をとった物語の展開にあります。 今と全く違う文化の日本、特殊な力という舞台設定、それらを使ったその展開は自分の想像の範疇の上を行っていて良い意味...
この話の面白いところは禁を犯したことによってあることを知ってしまった主人公たちが、様々な出来事を得て大人になっていくというかなり長い期間をとった物語の展開にあります。 今と全く違う文化の日本、特殊な力という舞台設定、それらを使ったその展開は自分の想像の範疇の上を行っていて良い意味で期待を裏切ってくれました。 続きは↓で公開してます。 http://deepbluewill.blog122.fc2.com/blog-entry-206.html
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世界観がとてもよく練りこまれており、すごい。 ただ、ストーリーは先が読めてしまうところがあったのが残念。
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帯と、レビューの高さに惹かれて購入 SFとかファンタジーはあまり読まないし、読んでみても挫折してしまうことが多いからちょっと警戒しつつ上巻だけとりあえず買ってみることに 結果買ってよかった! 序盤は確かにこの世界の説明をしなきゃいけないし、なじまなきゃいけないので退屈と感じる...
帯と、レビューの高さに惹かれて購入 SFとかファンタジーはあまり読まないし、読んでみても挫折してしまうことが多いからちょっと警戒しつつ上巻だけとりあえず買ってみることに 結果買ってよかった! 序盤は確かにこの世界の説明をしなきゃいけないし、なじまなきゃいけないので退屈と感じる方もいるかもしれないけど中盤からはぐんぐん読めます まぁでも私は序盤もそんなに退屈とは感じなかったです 悪鬼・業魔・バケネズミなど興味をひかれますし 全体としてはまだまだ序盤ですが、以降もすごく気になるので中・下巻はいっきに購入してきました
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初めて読む作者だったのでとりあえず上巻だけ買ってみた。 気づいたら中巻・下巻も買ってた。 作品の紹介 第29回日本SF大賞受賞作品 変わり果てた未来社会。「呪力」こと、念動力を獲得した子供たちは、野心と希望に燃えていた。それは自らが背負う闇に、全く無知であるが故の自由...
初めて読む作者だったのでとりあえず上巻だけ買ってみた。 気づいたら中巻・下巻も買ってた。 作品の紹介 第29回日本SF大賞受賞作品 変わり果てた未来社会。「呪力」こと、念動力を獲得した子供たちは、野心と希望に燃えていた。それは自らが背負う闇に、全く無知であるが故の自由であった。
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貴志祐介作品のダークファンタジーは、あまり圏内ではなかったけれどこれははまった。梅原克文の「二重螺旋の悪魔」にはちょっと及ばないけど、SFとして申し分ない傑作。主人公が重松清の「きみの友だち」の恵美ちゃんとかぶる。
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なかなか読み応えあったけどほぼ一気読みしてしまった。終盤のハラハラドキドキな展開もおもしろかったけど。個人的には初〜中盤までの世界観の展開の巧みさに感動した。ここまで綿密に世界を構築していくのに一体どれほどの労力をかけたのか。野生の生物一つ一つのディテールや集落の慣習、決まりなど...
なかなか読み応えあったけどほぼ一気読みしてしまった。終盤のハラハラドキドキな展開もおもしろかったけど。個人的には初〜中盤までの世界観の展開の巧みさに感動した。ここまで綿密に世界を構築していくのに一体どれほどの労力をかけたのか。野生の生物一つ一つのディテールや集落の慣習、決まりなどどれも事細かに考えられていて非常に読み応えがあった。 続き気になる~、あとで買ってこよ
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どんな結末にもっていくのか読めない。 世界観に入って行くまでに少々の時間を要した。 が、テーマは興味深く、中下と読み進めようと思う動機付けは完璧。
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貴志祐介の「クリムゾンの迷宮」にハマった人にオススメ。上中下の3巻で前巻ハリポタ、中巻ナウシカ、下巻アキラといった感じ。前半がダルいけど、前巻の後半ぐらいからテンポがよくなり、あとは一気読み。6時間ぐらいで読めます。
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