新世界より(中) の商品レビュー
早紀と倫理委員会の長が接触することで、世界の真相がまた一段明るみになった。 ようやく悪鬼と業魔に関する説明が為された。 こんな風に、中巻では子どもと大人の世界が少しずつ繋がっていく感じがあった。(そして大人の都合によって、子どもたちが圧倒的な不条理を受けていたことが分かってしまう...
早紀と倫理委員会の長が接触することで、世界の真相がまた一段明るみになった。 ようやく悪鬼と業魔に関する説明が為された。 こんな風に、中巻では子どもと大人の世界が少しずつ繋がっていく感じがあった。(そして大人の都合によって、子どもたちが圧倒的な不条理を受けていたことが分かってしまう。) 上巻での謎を解消しつつ、確実に下巻にバトンを渡す形となっている。 一方で、早紀たち5人がバラバラになってしまうのが悲しくてたまらなかった。 上巻では5人の運命共同体とも言えるほどの結束を見てきただけに、辛い気持ちで読んだ。 一足先にすべてを理解して身を引いていく瞬に、心が締め付けられた。 この世界の都合のせいで真理亜と守が離れていく様に、やるせなさを感じて仕方なかった。(でも、これがまさか下巻への伏線になっていくとは…。) 中巻では、真相が明らかになっていく部分もあれば、より謎が深まっていく部分もあり、その塩梅がなんともちょうどいい。 全く中だるみすることがなかった。むしろ、より引き込まれた。 あと、瞬と覚、真理亜と早紀の間で、恋愛感情と言うか性的な接触があるのが個人的にはよかった。 物語の中で説明があるけど、彼らがそのような性的志向を持つようになったのって、あくまで人為的と言うか、文化人類学的な原理をベースにしている。 なので、その具体的な描写があることで、SF小説としての幅が広がっていたように思えた。
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個人的な感情に邪魔されずに物語を読みたいのに、有無を言わさず怒りや悲しみに支配された。 共感でも同情でもなく、他人を認める心と正しい知識が平和を作り出すと思う。疑いの目で教育され、知識さえ制限されている子供たちがどうやって健やかで曇りなき大人になるというのだろう。 徹底的に管理された人間がほとんどの世界。本当の悪魔は誰なのか、しばし考えた。人によって答えは異なるんだろうと思う。
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ますますバケネズミが非情なネズミ男に思えてくる。 上巻の冒頭が早希の手記である事を言明しているから早希は生きている。覚もきっと生きている。 バケネズミは…いなくてもいいかな…
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とにかくこの世界観に圧倒されます。完全な管理下に置かれているように見える子供たちですが、記憶の操作までされて管理されても、大人の言うなりになっているばかりではありません。生じるひずみ。何もかもが計算通りにはいかないのです。一番恐ろしいものの正体は見えてきたようですが、外の世界はま...
とにかくこの世界観に圧倒されます。完全な管理下に置かれているように見える子供たちですが、記憶の操作までされて管理されても、大人の言うなりになっているばかりではありません。生じるひずみ。何もかもが計算通りにはいかないのです。一番恐ろしいものの正体は見えてきたようですが、外の世界はまだはっきりとしてきません。今後の彼らはどうなるのか。読む手を止められるはずもなく、このまま下巻へ。
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ついに下巻をブックオフ100円コーナーで見つけ、上巻から読み始める事ができるようになった。 中巻 上を読了し続けて読み始めた中巻。 3冊中一番ページ数が少ない本巻だったが、上ほどのワクワク感はやや薄れたものの、この作品の世界観には改めて感服する。 いつものエロさが物語の最後に出てきて、さすがエロいハゲ親父(賞賛)の貴志祐介である。
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迫ってくるようなスリル、臨場感。物語が核心に近づくにつれてどんどん引き込まれていく。ファンタジーなのに、リアルな設定。別世界のようで、私たちの世界にも実際にあり得そうで、ときどき背筋がぞくっとする。 上巻とは比べ物にならないほど一気に加速していくスピード感が心地よかった。
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文庫本、上、中、下、全て読み終えてからの感想です。 上巻は、比較的ドキドキしながら読み進めておりました。この先、どうなるんだ?ミノシロモドキ、マジやべえ!とか思いながら。 でも、この中巻から、うーむ、、、ダメでしたね。個人的には、まあ、どんどんと面白くなくなっていきまして、うーむ。あかんな、多分これは、俺は、楽しめないな、ってのが、徐々に徐々に確信になりつつある中で、下巻まで繋いでいった巻だったな、という感想でしょうか。貴志さん、すみません。楽しむことができませんでした。 え?瞬、そんなに早くに死んじゃうんや?ってのは、感じましたね。「僕は業魔になったんだよ」って言われても、まあ、なんで瞬が業魔になるの?って理由が全然わからんかったんで、なんだかなあ、、、って思ったりしてましたね。業魔化した瞬に、早季が会いに行って、んでなんだか、ここ山場でっせ、な感じの場面があって、瞬が早季を助ける場面、とか、アレってこう、感動する場面なんだろうなあ、とは思うんですが、まあ、なんだかなあ、、、って思いながら、読んでました。ゴメンナサイ。なんだかなあ、、、って感じやった。 学校見学に来た鏑木肆星は、真理亜をジックリ眺めてたやないですか。アレってホンマに、「この子、、、可愛いなあ、、、ぐへへ」的な変態的気持ちで眺めてたんですかね?あの場面、なんだったんだろう。意味わかんなかったですね。あの描写、必要だったのか?ホンマ意味わからんかった。その後、意味あったと全然思えなかったし。 まあ、この中巻。なんとか、下巻、面白くなってくれよ。頼むよ。そう思いつつ、ひたすら耐えながら読んでいた感じですね。とにかく、肌に合わないなあ、、、って感じで、ホンマごめん貴志祐介さん。あなたの作品、基本的には好きなの多いんです。でもコレは、無理やったわあ~。なんか、とりあえず困った時は呪力に頼る。で、なんだか、色んな設定も、後付け無理くり感を感じまくる。瞬の存在そのものを、記憶改ざんで、みんなに忘れさせる、とか、そんな設定とか、うわあ、なんか杜撰やねえ、ご都合主義やねえ、とかね、そうとしか思われへんかったよ。 まあ、自分にとっては、そんな作品なんです。ホンマごめんなさいね。
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上巻で張り巡らせた伏線や世界観の謎が、この巻で一気に解き明かされる。正直、下巻まで引っ張ると思っていたのでこれは意外だった。だが面白味を損なうことなく、明かされた謎が悲劇的結末を予感させながら下巻へと続いていく。主人公の初恋の人を介しての関係は美しく、それでいて切ない。
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どんどん物語の世界へ深く引きずり込んでいく。 世界の均衡がギリギリのところで保たれているようで不気味。
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登場人物達の苦悩や起こる出来事が、読み進めていくのが苦しくなるほど 繊細に丁寧に書かれている さすが貴志さんだなぁと 読みごたえも十分あって早く下巻を読みたいと思う 最後まで展開が予想できないため どうなるか楽しみだ
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