新世界より(中) の商品レビュー
世界観にどっぷりはまり、本から手が離せない。確かだが1日で読み切ってしまったと思う。 ここらへんで唯一無二の世界観がよく分かる。序盤の「自分たちの世界」と「外の世界」の違い、如何に「自分たちの世界」が異質で、「外の世界」が危険かを思い知らされる。こんなSF世界を描けるなんて凄すぎ...
世界観にどっぷりはまり、本から手が離せない。確かだが1日で読み切ってしまったと思う。 ここらへんで唯一無二の世界観がよく分かる。序盤の「自分たちの世界」と「外の世界」の違い、如何に「自分たちの世界」が異質で、「外の世界」が危険かを思い知らされる。こんなSF世界を描けるなんて凄すぎる、と思うと同時に、日本らしく、唯一無二のこの独特の世界が、全世界で考えてみても、かなり面白い部類に入るんじゃないかと感じ、なんだか誇らしい気持ちになった(笑)
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中盤からも引力を失わず、お話が続いていく。 自分の中の道徳観念とすこし合わないところもあるけど、 お話としてはその世界感にひきこまれる。 なんていうかいい”ギリギリ感”があって、 アクションどーん、ばーん、て感じの派手な描写に力があるからかな。
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アニメで話の流れは分かってるけど、やっぱり小説の方が動機が分かる。気になってたことが書いてあった。 この巻で、覚が早季のことを好きなことは充分伝わったんだけど、それなのに、瞬の幻影がいつまでも付きまとう。早季も同じ。教育委員会に記憶を操作されたはずなのに、顔のない少年Xはぼんやりと思い出せる。記憶の消去は完全にはできないものなのか、早季達の能力なのか。覚と早季が過去に好きだった同じ人にいつまでも囚われているのが不思議。 それにしても、自然界の動物は人間からしたら想像もつかない特性を持っていたりする。自爆する蟻、攻撃抑制が備わったオオカミ、獰猛な塩屋虻… 人間とはほんの小さな世界に住む生き物で、人間の常識など自然界から見ればほんの一部の事象・考え方であり、人間の世界を出れば常識は常識ではないのだと感じる。例えば500歳「も」生きる鮫がいるけれど、それは人間の寿命を基準にしているだけで、その鮫にとってはそれが常識。 人間が自然界の頂点の様に考えるのはとんでもない勘違い。だから温暖化や自然災害やウィルス等によって、度々人間の弱さを認識させられ、自然を蔑ろにすればこうなるんだと警告されている気がする。 瞬との最後は小説だとより具体的で、瞬は両親に命懸けで助けられたけど助からず、自らも命懸けで早季を助けて…なんという残酷な話。業魔とは瞬のように聡明で、だけど人よりも色んな世界が見えてしまう分、一人で多くの悩みを抱えるような子が罹るんだろうか。 この世界では極端に重要視されるけど、心身共に問題なく健康な状態こそ、本当の健康だと言えるのだろう。たとえ身体は病気に罹っていなくとも、心が病んでいる、歪んでいる、不安定であれば、外に現れる。この世界では呪力を暴走させてしまう。それが瞬の言った、本当の恐怖は内側にあるということ。 この物語は、精神疾患とそれに伴う身体的な特徴、欠陥をものすごく極端に表現したものではないだろうか。 中巻で(アニメでも)一番印象に残っているのが、富子さんによる悪鬼Kの回想。悪いと分かった上で攻撃するので救いようがない。後悔や反省がない。それどころか騙したり楽しんでいるようにさえ見える。 精神的には未熟なのに最悪のおもちゃを渡してしまったがために、町が壊滅状態に…教育委員会や倫理委員会が必死で人を選別するのも無理はないと思わせるほど。 もしKが風邪を引いて病院に行かなかったらどうなっていたのか…しかもその病院での出来事がかなりのトラウマ。 テロメアについて初めて知った。どうして短くなっていくんだろう。なぜ完全な長さではコピーできないんだろう。本当に生命って不思議。 短くならないようにする研究ももちろんされているんだろうな。 結末も知っているんだけど、もっと細かい事情が知りたい。特にバケネズミの。 下巻へ。 20200216
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上巻に比べ圧倒的に読み進めるスピードが早かった。 上巻で書かれていた違和感が少しずつ形になっていて、世界の全貌が見えてくるところが面白い。 アニメは昔見た記憶がある。よく理解できなくて記憶は断片的だけど、終わりだけは覚えてる。だからある登場人物がこれから何をするのかが怖い。
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読書初心者だが、一日で全て読み終わってしまうほど読みやすかった。 シナリオや世界観も作り込まれていて没入しやすかった
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続けて中巻も読了。上巻で触れられていたが、1班の仲間たちがだんだんと散り散りになっていく。業魔化した瞬、その影響で変異してしまった愛犬すばるとの再会は切ない。そして真理亜と守も・・・。バケネズミの不穏な動きも絡めながら、物語は下巻へと続く。余談だけど、植芝理一氏のディスコミュニケ...
続けて中巻も読了。上巻で触れられていたが、1班の仲間たちがだんだんと散り散りになっていく。業魔化した瞬、その影響で変異してしまった愛犬すばるとの再会は切ない。そして真理亜と守も・・・。バケネズミの不穏な動きも絡めながら、物語は下巻へと続く。余談だけど、植芝理一氏のディスコミュニケーションの世界観をちょっと思い出すのは私だけか。
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【感想】 上巻を読み終わった後、続きが気になって間を置かずにすぐに読み終えました。 窮地から帰還し、封印された呪力を取返すことに成功した早季たち。 無事日常に戻れたかと思われたが、そんな中、グループ一の能力を持つ瞬が業魔化してしまう。 また、親友である真理亜との別れも・・・・ 結局は、保守的な大人たちの為に子どもが選別されていく。 勿論、組織の存続の為とはいっても・・・・ こういった事が積み重なって、上巻で書かれていた「最悪の状況」へと世界は進んでいったのでしょう。 上巻に引き続き、世界観もキャラクターも設定も非常に完成度の高い1冊でした。 ただ、上巻に続いて、「この時は、〇〇のようなことを想像もしていなかった」など、期待を煽る記述が本巻にも多かったのには些か閉口(笑) ちゃんと伏線回収しているんだけど、そんなに期待煽られちゃうと、気になりすぎて読むことを中断できなくなるんですけど・・・・ この勢いのまま、下巻も読みます。 【あらすじ】 町の外に出てはならない―― 禁を犯した子どもたちに倫理委員会の手が伸びる。 記憶を操り、危険な兆候を見せた子どもを排除することで実現した見せかけの安定。 外界で繁栄するグロテスクな生物の正体と、空恐ろしい伝説の真意が明らかにされるとき、「神の力」が孕(はら)む底なしの暗黒が暴れ狂いだそうとしていた。 【引用】 1.「呪力は、常に漏れ出している。僕らは、ある意味では無意識の命ずるままに、周囲の世界を改変し続けているんだよ」 「八丁標は『穢れ』、つまり漏出した呪力を外に放出するための心的装置なんだ」 2.瞬が業魔に・・・ 呪力の漏出が止まらないんだ。それも、どんどん激しく、制御不能になりつつある。 無意識の暴走により、呪力の異常漏出が起きて、周囲のものすべてが破壊的な影響を受け、異形化してしまう。 これが橋本・アッペルバウム症候群だ。 僕は、業魔になったんだよ 3.真里亜からの早季への手紙 町を離れてみて、はっきりとわかったことがあります。 わたしたちの町は、異常です。 そうは思いませんか?町の安定と秩序を維持するために、子供たちを殺し続ける町が、人間の社会としてまともでしょうか? ミノシロモドキの話では、今の状態に至るまでに、血みどろな歴史があったということでした。 でも、今の町は過去のどんな暗黒時代と比べても、自慢できるような代物じゃないと思います。 それは、大人たちが、心の底から、子供たちを恐れているという事実です。 【メモ】 新世界より 中 p97 自ら真言(マントラ)を唱えることで呪力を取り戻したときには、してやったりという気分だった。 タブーを犯しながらも、まんまと大人たちを出し抜き、ついに再び神の力を得ることができたのだから。 それが、とんでもない錯覚であるとは、想像だにしなかった。 p187 「呪力は、常に漏れ出している。僕らは、ある意味では無意識の命ずるままに、周囲の世界を改変し続けているんだよ」 「早季は一体、八丁標(はっちょうじめ)は何のためにあると思ってた?外から何かが襲ってきた時、あの注連縄(しめなわ)が防ぎになると思うか? 八丁標は外敵ではなく、内なる敵に対処するために作られたんだ。この場合の敵は、絶えず漏出している僕らの呪力だ。悪鬼にせよ業魔にせよ、僕らにとって恐怖とは、内からやって来るものなんだよ」 「八丁標は『穢れ』、つまり漏出した呪力を外に放出するための心的装置なんだ」 p190 「わかるだろう?これが、僕におきたことの結果なんだよ。 呪力の漏出が止まらないんだ。それも、どんどん激しく、制御不能になりつつある。無意識の暴走により、呪力の異常漏出が起きて、周囲のものすべてが破壊的な影響を受け、異形化してしまう。これが橋本・アッペルバウム症候群だ。 僕は、業魔になったんだよ」 p418 ・真里亜からの早季への手紙 町を離れてみて、はっきりとわかったことがあります。 わたしたちの町は、異常です。 そうは思いませんか?町の安定と秩序を維持するために、子供たちを殺し続ける町が、人間の社会としてまともでしょうか? ミノシロモドキの話では、今の状態に至るまでに、血みどろな歴史があったということでした。 でも、今の町は過去のどんな暗黒時代と比べても、自慢できるような代物じゃないと思います。 それは、大人たちが、心の底から、子供たちを恐れているという事実です。
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中巻に入り世界の全容が見えてくる。 同時に早季、瞬、覚、真里亜と守の五人の関係に大きな変動が訪れる。 上巻では はからずも理想的な社会と思ってしまう部分もあったが社会は少なくない人々の犠牲の上でバランスが保たれていた! また、バケネズミの社会と神栖66町の人々の関係というもの...
中巻に入り世界の全容が見えてくる。 同時に早季、瞬、覚、真里亜と守の五人の関係に大きな変動が訪れる。 上巻では はからずも理想的な社会と思ってしまう部分もあったが社会は少なくない人々の犠牲の上でバランスが保たれていた! また、バケネズミの社会と神栖66町の人々の関係というものはかつての私達の世界でも起きていた出来事だったかもしれないと少し想像してみると・・・ 何れにしても下巻が楽しみ!
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61 中巻も面白い、息つく暇もない! 最初同性愛のシーンがあってビックリしたけど笑 ご飯食べるのも忘れて読んだ。 瞬のシーンが、夢のような美しい描写で、 情景が目に浮かぶ。こんなに美しい殺害シーンある? 基本的人権が17歳まで確立してないって言う言葉が一番ぞわっと来た。 20190825
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早紀と倫理委員会の長が接触することで、世界の真相がまた一段明るみになった。 ようやく悪鬼と業魔に関する説明が為された。 こんな風に、中巻では子どもと大人の世界が少しずつ繋がっていく感じがあった。(そして大人の都合によって、子どもたちが圧倒的な不条理を受けていたことが分かってしまう...
早紀と倫理委員会の長が接触することで、世界の真相がまた一段明るみになった。 ようやく悪鬼と業魔に関する説明が為された。 こんな風に、中巻では子どもと大人の世界が少しずつ繋がっていく感じがあった。(そして大人の都合によって、子どもたちが圧倒的な不条理を受けていたことが分かってしまう。) 上巻での謎を解消しつつ、確実に下巻にバトンを渡す形となっている。 一方で、早紀たち5人がバラバラになってしまうのが悲しくてたまらなかった。 上巻では5人の運命共同体とも言えるほどの結束を見てきただけに、辛い気持ちで読んだ。 一足先にすべてを理解して身を引いていく瞬に、心が締め付けられた。 この世界の都合のせいで真理亜と守が離れていく様に、やるせなさを感じて仕方なかった。(でも、これがまさか下巻への伏線になっていくとは…。) 中巻では、真相が明らかになっていく部分もあれば、より謎が深まっていく部分もあり、その塩梅がなんともちょうどいい。 全く中だるみすることがなかった。むしろ、より引き込まれた。 あと、瞬と覚、真理亜と早紀の間で、恋愛感情と言うか性的な接触があるのが個人的にはよかった。 物語の中で説明があるけど、彼らがそのような性的志向を持つようになったのって、あくまで人為的と言うか、文化人類学的な原理をベースにしている。 なので、その具体的な描写があることで、SF小説としての幅が広がっていたように思えた。
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