電通とリクルート の商品レビュー
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予想していた内容(どのようにしてこれらの会社ができたか)ではなく、広告と情報を題材にした本だった。 正直微妙だなあ・・・と思っていたが、中盤からは広告の移り変わりなどを示していて、なかなか楽しめた。 口コミランキングの部分は確かに!と思った。
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電通を発散志向広告(マスメディア)、リクルートを収束志向広告(情報誌)と定義。異なる2社をモチーフにし、人々の消費行動の変遷を分かりやすく解説。情報との付き合い方を考えさせる一冊である。
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電通の発散志向とリクルートの収束志向の「広告」という対比的な文脈で書かれた本であるけれど、決して二項対立的な位置づけではなく、むしろ相互補完的な二つの役割を担うシンボリックな企業として語られていて、とても面白かった。特にリクルートの果たしている役割というのが自分のイメージでは、職...
電通の発散志向とリクルートの収束志向の「広告」という対比的な文脈で書かれた本であるけれど、決して二項対立的な位置づけではなく、むしろ相互補完的な二つの役割を担うシンボリックな企業として語られていて、とても面白かった。特にリクルートの果たしている役割というのが自分のイメージでは、職に関するものに限定されていたけれど、本書を読んで、その既成概念が取っ払われ、とても視野が広がったと思う。
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日本の広告および情報産業というものを理解する上での必読書。なぜ?電通が広告業界トップなのか、リクルートが情報産業をリードしてきたのかが腹落ちする感覚を持って理解できます。 特にR系の企業文化を持つ会社にお勤めの人であれば「なるほど!」が連発だと思います。
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両者の特徴というよりは、両者が生活者の変化にどう関わっていたかということが生活者中心で描かれている。 ちょっと読む目的とずれてたから、とりあえず積んどく
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広告業界の変遷も含めて、2社を比較して整理されて書かれている印象。 発散志向広告 電通 収束志向広告 リクルート 「元栓のうまみ、毛細管の凄み」なんていい方はぴったりあてはまるイメージですね。 過去から現在までの変遷について、思い込みもあるとは思いましたが 一読の価値はあったかなと。
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元博報堂の著者が元栓型の電通と、毛細血管型のリクルートについて、人の心の変化をベースに歴史を記している。リクルートを人材派遣サービス、編集業だと認識している人にとっては広告という視点で描かれているので面白いかも。私もフツーに読みました。図書館で借りた。 以下メモ •電通は日本広...
元博報堂の著者が元栓型の電通と、毛細血管型のリクルートについて、人の心の変化をベースに歴史を記している。リクルートを人材派遣サービス、編集業だと認識している人にとっては広告という視点で描かれているので面白いかも。私もフツーに読みました。図書館で借りた。 以下メモ •電通は日本広告株式会社、リクルートは大学新聞広告社が創業時の社名。 •サントリーが金曜日にはワインを買いましょうというキャンペーンを1972年に行った。金曜を木曜の次の日、というだけでなく、ワインを買う日と定義しようとした。また、ワインをぶどう酒だけでなく、家族で金曜に飲むもの、と定義づけた。広告の役割は辞書の書換。 •土用の丑の日、も同じ。 •より多くの人の辞書が書き換わることでより大きな市場の変化が起きる。 •広告の対象物自体が大きく変わらなくても辞書は書き換えることができた。 •百貨店はモノを作っているわけではなく、広告で特定の店で買うことになんらかの意味を持たせようとしたのが、西武やPARCOの、不思議大好き、や、おいしい生活。 •書き換え広告の頂点が、JR東海のクリスマスエクスプレス。単なる新幹線を、恋人達を結ぶ列車にした。 •広告クリエイターは変換スキルが求められる。新幹線は京都に連れて行ってくれる乗り物、ともいえるし、環境に優しい移動手段という位置づけもされた。 •人々は広告になかなか踊らされない。踊ってもいい曲をずっと待っていて、これならば、というときに踊る。 •クリスマスエクスプレスは新幹線の定義を書き換えただけでなく、キリスト教イベントのはずのクリスマスの日本的定義、好きな人と一緒に過ごす、を作ってしまったと言える。そしてそれを多くの女性が納得した。 •リクルートは徒歩1分80mというルールを作り出し、瑕疵物件や囮広告の審査機能を強化して、住宅情報、を作った。 •テレビ番組をただで見るコトができ、不動産の購入や結婚転職情報を調べるにはインターネットをみれば良い。こういうコトが可能になったのは電通やリクルートが頑張った結果。がしかし、わざわざ感謝しようとする人はいない。それどころか、広告は常に批判的な文脈にさらされる危険を持っている。陰で何かを仕組んでいるというイメージ。 •近年の広告論は、人々に情報を届ける技術、ばかりだった。情報を受ける人々の心の変化について論じなければならない。水路の技術ではなく、人々はどうしてコンクリートのようになったのか。人々の心を理解しなければ、どんなに上手に水路を作っておいしい水を届けても意味がない。皆蛇口を開けようとしないし、せっかくのおいしい水をおいしいと思わないから。 •ここ最近は、商品自体に革新性がなければ広告だけで付加価値をつけるコトは困難。UNIQLOは有名人を起用したイメージ広告によってブランドイメージを高めたかもしれないが、毎週印刷される数千枚のチラシとその価格と品質を実現するイノベーションがあったから支持された。昔のファッション広告とは違い、企業の総力でカジュアルファッションの定義を書き換えた。 •食べるラー油もそう。調味料を食べるもの、と定義し直した。商品自体に極めた広告的要素があった。 •オリンピックなどで、感動をありがとう、という声が目に付く。なぜ、おめでとう、ではないのか。自分の感動の期待値を満たしたコトによる感謝。食べログでのコメントも、自分の期待値についてどうだったか、のコメントばかりになっている。
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電通とリクルートの二つの企業を、「広告」という共通項に基づいてその歴史や、そういった歴史を生んだ社会的な背景を書いた本。 電通はテレビや新聞などのマスメディアを利用した発散志向広告であるのに対し、リクルートはインターネットや情報誌などを利用した収束志向広告という風に対比し、その...
電通とリクルートの二つの企業を、「広告」という共通項に基づいてその歴史や、そういった歴史を生んだ社会的な背景を書いた本。 電通はテレビや新聞などのマスメディアを利用した発散志向広告であるのに対し、リクルートはインターネットや情報誌などを利用した収束志向広告という風に対比し、その時代に人々はどういった情報を必要としていたのか、それに対して広告がどういったスキルでもって作られたのか等々について書かれている。 今まで、リクルートは人材サービスというイメージが強かったため、広告という違った切り口での捉え方、電通との比較は興味深かった。
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2011/6/30読了。 日本人の消費行動の変化を、電通とリクルートという広告業界の変遷と、人々の欲求の変遷から考察した1冊。 電通のようなマス広告が得意とする発散型の広告と、リクルートが始めたライフステージ毎の重大な決断に必要な情報を集めた収束型の広告の隆盛は、それ自体が消費...
2011/6/30読了。 日本人の消費行動の変化を、電通とリクルートという広告業界の変遷と、人々の欲求の変遷から考察した1冊。 電通のようなマス広告が得意とする発散型の広告と、リクルートが始めたライフステージ毎の重大な決断に必要な情報を集めた収束型の広告の隆盛は、それ自体が消費社会の姿を映す鏡であり、そこに社会的な趣向の変化を見出すことが出来る。単なる物質的な豊かさから選択できる豊かさへとシフトしてきた趣向が、今はその"選択"自体もある種の幻想であることが見えてきた時代であり、発散型と収束型の融合という広告の新たな地平が、人々をどう動かしていくか見ものである。 この本の中で一番印象的だったのは、現代の消費が、ランキングや権威のお墨付きという情報から得た"期待"の"答え合わせ"になっているという部分である。ホテルやレストランだけでなく、就職活動も一例にあげられており、振り返れば思い当たる節があった。消費そのものを喜びに感じる、つまりは自分で消費の価値を決めるという原点に立ち返ろうと感じた。
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C0236 元博報堂なのに第3者的視点なのが気になりますが、前半はよく出来ているかと思います。マス広告で夢を拡散させて、収束型で(辛い)現実に向き合わされるのは、なるほどと思いました。
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