電通とリクルート の商品レビュー
広告の話。 主に広告と消費者の関係から社会の変化と広告の影響を著している。(広告の手法ではなく) p.133 かつては大衆は自ら判断できる幅が狭かった。しかし、判断する力は一朝一夕に身につくものではない。 団体旅行の一群が旗を持ったツアーガイドの後をついて歩いている。そして、...
広告の話。 主に広告と消費者の関係から社会の変化と広告の影響を著している。(広告の手法ではなく) p.133 かつては大衆は自ら判断できる幅が狭かった。しかし、判断する力は一朝一夕に身につくものではない。 団体旅行の一群が旗を持ったツアーガイドの後をついて歩いている。そして、ある場所でガイドが言う。 「ここからは、皆さんご自由にどうぞ」 この時を待っていたとばかりに、歩き始める人はごく少数である。多くの人は、周りと相談したり、ガイドにおすすめを尋ねたりしている。誰かがどこかに歩き始めるのを待つ人もいる。
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電通とリクルートが歩んできた道やそれを取り巻く日本経済の状況や日本人の趣向の変化などが分かりやすく書いてある。 電通は「発散志向広告」であり、リクルートは「収束志向広告」であったが、現在はそれらを合わせていく必要がある。これは広告業界全体に言えることである。 一方、情報を受ける側の人間は、情報への期待値を自ら考えなおさなければならない。なぜなら「隠れ家」のように、本来教えられない店情報が平然と出回っているからである。また、インターネットに探したい情報がすべてあると思い込むのはよくない。情報に踊らされずに、自ら自分自身のストーリーを書くことに価値がある。 また、p.97からの幸福の方程式への作者の考えにはなるほどなぁと思わされた。 流して読んだからじっくりまた読んでみたいと思う。
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電通とリクルートという2社の比較の話かと思ったが、もちろんそういう部分もあるが、この30年の広告、マーケティングの変化についての筆者なりの解説。この30年というものは、私もナマに体験していることでもあり、「分集」など、古い言葉もありなつかしい。
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マーケティング/人材育成プランナー・山本直人氏による一冊。やや刺激的なタイトルが付いているが、業界の黒幕の正体を暴くといった類の本ではない。「発散志向広告」と「収束志向広告」を導いてきた二社の成り立ちを振り返り、これからの消費を模索するという、志の高いテーマである。 ◆本書で紹...
マーケティング/人材育成プランナー・山本直人氏による一冊。やや刺激的なタイトルが付いているが、業界の黒幕の正体を暴くといった類の本ではない。「発散志向広告」と「収束志向広告」を導いてきた二社の成り立ちを振り返り、これからの消費を模索するという、志の高いテーマである。 ◆本書で紹介されている、電通とリクルートの対比 ・発散と収束 ・意味の書き換えと検索性 ・変換スキルと編集スキル ・買う人の納得と稼ぐ人の納得 ・マスメディアの元栓と事業主への毛細血管 ◆本書で紹介されている、二社の共通点 ・情報の流れの元栓をしっかり押さえてきたこと ・ネットによって企業ポジションに揺らぎが見えること ・人々が情報を得るコストを大きく下げてきたこと ・「いかに働き、いかに消費するか」ということを考えつづけてたこと 前作「マーケタ―を笑うな」同様、目先の変化に泳がされない、足腰のしっかりした論旨である。今の変化だけを追っていては、見えてこない本質というのがある。様々な領域において、時代の流れは移り変わっていく。マスメディアからソーシャルメディアへ、紙の本から電子書籍へ、物資的な豊かさから精神的な豊かさへ。その中で、移り変わる以前の状態を、嫌悪するでもなく、礼賛するでもなく、謙虚に学びを得ることこそ、今、求められている姿勢ではないだろうか。 情報の受け手が主役の時代。これまでに、送り手側が行ってきた”意味の書き換え”や”編集”は、受け手に委ねられた。電通やリクルートのこれまでの営みに個人が学べることは、さぞや沢山あることだろう。
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戦後の日本の情報産業を代表する二社について掘り下げた考察。それぞれの成り立ちから来る比喩、元栓を握った電通と、毛細血管を押さえたリクルートとの喩えが非常にうまい。二社の比較から始まって現在の広告が抱える問題点をえぐり、混沌の中に新しいコミュニケーションのあり方を考えている様子が窺...
戦後の日本の情報産業を代表する二社について掘り下げた考察。それぞれの成り立ちから来る比喩、元栓を握った電通と、毛細血管を押さえたリクルートとの喩えが非常にうまい。二社の比較から始まって現在の広告が抱える問題点をえぐり、混沌の中に新しいコミュニケーションのあり方を考えている様子が窺える。興味深い内容。
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現代日本において電通とリクルートの二社は、多くの陰謀論に象徴されるように、りゅーこぅやこぉーこくりょーなる悪魔を召喚すべく日夜奮闘している黒魔術師のようなイメージすらある。では、かれらは一体どのような存在なのか。元博報堂社員、つまりは「業界の人」である著者が、その歴史から戦後マ...
現代日本において電通とリクルートの二社は、多くの陰謀論に象徴されるように、りゅーこぅやこぉーこくりょーなる悪魔を召喚すべく日夜奮闘している黒魔術師のようなイメージすらある。では、かれらは一体どのような存在なのか。元博報堂社員、つまりは「業界の人」である著者が、その歴史から戦後マーケティング戦略の変遷まで幅広く扱う。基本は教科書通り、理屈通りで目新しいような内容はないが、実際に現場で修羅場をくぐってきた人の言葉だけにそれなりの重さは感じる。
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