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もうすぐ絶滅するという紙の書物について の商品レビュー

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93件のお客様レビュー

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2011/05/26

タイトルが大袈裟だが面白かった。久しぶりに、本を語る人たちと接した感じ。大人な対談が、青臭さがなく衒学的でもなく、とてもよかった。

Posted byブクログ

2011/05/24

停電の夜に懐中電灯の灯りで読むと感慨深さが倍増。 デジタルのデータは電気がなかったらもう見れないけど、本だったら、ろうそくの光でも見れるのです。

Posted byブクログ

2011/05/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

この対談は、『もうすぐ絶滅するという紙の書物について』というタイトルである。だから、もうすぐ絶滅するという紙の書物についての内容なのかと思って読んでしまう。 ところが、内容は想像するものとはだいぶ違う。愛書家として本や言語や芸術について語り合うという感じだ。 私は本のタイトルから勝手に電子書籍とこれまでの本というものについての(プラスそこから広がっていく書物というものについての)対談なのかと思ってしまっていた。人はだいたいのことにおいて、予め予測をたててしまうものである。私もすっかり勝手に予測してしまっていた。だから実際に読んでみると、どうしてもしっくりこないのだ。一体何の話をしているのだろう?と読みながらちょこちょことクエスチョンマークが浮かんでしまう。だから対談自体はものすごくおもしろいのに、おもしろかったと言いにくくなってしまう。騙されたとまでは言わないにしろ、ちょっと拍子抜けというか、本としての仕様にすっかりやられてしまったという感じがする。 あとがきを読むと、もともとこの本のタイトルは『N'espérez pas vous débarrasser des livres, Grasset & Fasquelle, 2009』直訳すると『本が離れようったってそうはいかない』というらしい。こっちのタイトルだったらよかったのにと思う。デジタル元年に『もうすぐ絶滅するという紙の書物について』というタイトルで出すのはやっぱりちょっとズルい感じがする。カッコイイ本だし私のようにうっかり手を出す人が沢山でてくる。まぁ内容自体はおもしろいから、いいといえばいいのかもしれないけど。 私はこの本を読んでいて、度々、佐々木中の『切りとれ、あの祈る手を』を思い出した。 どちらも、文学 → 言語 → その起源(宗教、<読む>ことから始まるムハンマドの『コーラン』や『聖書』)、伝わり残るもの、というような相似した内容だと思った。 古い本で今でも読まれ続けている本について(残り続ける本ということで)エーコとカリエールはこう言っている。 「時の流れの中で解釈が豊かになる。人類はずっと以前から生きていて、人類の記憶は書物に添加され、混入する。」と。 なるほどそうだと思う。 この本には、そういう「そうだよな」「なるほどな」と思えることがたくさんある。 終盤からは、本の良さや書棚や図書館の齎す効用など、本をたくさん持つ人の気持ちや拾集する人の気持ちなどがよく分かる話が続く。 私も本に囲まれて暮らすのが憧れである。壁一面の本は落ち着くというか安堵感がある。 これについてとてもいい文章がある。 C:私のある友人は、時分の蔵書を暖かい毛皮に喩えていました。本があれば、間違えたり、迷ったりしないだけでなく、凍えることもないんだそうです。世界じゅうのあらゆる概念、あらゆる感情、あらゆる知識、そしてあらゆる間違いに囲まれることで、安心と安全の感じが得られるんですね。書庫にいれば寒くありません。書物が無知という危険な霜から守ってくれます。(p409より) C:私はよく、本のある部屋へ行って、ただ本を眺めて、一冊も手に取ることなく出てくることがあります。言葉では言い表せない何かを受け取って戻ってくるんですね。不思議ですが、ほっとする一時でもあります。 E:公共の図書館や大型書店で同じような経験をすることがあるかもしれません。棚に並べてある本の匂いを嗅いだだけで、幸せな気持ちになる。それが自分の本でないとしてもです。(中略)本を眺めることでそこから知識を引き出すんです。まだ読んだことがないそれらの本は、何かを約束してくれるようです。(p420-421より) 素晴しい愛書家ふたりの様々な話は本当に面白い。 予測は立てず、愛書家ふたりのつれづれなる対談として読むべき本。 もしくは、エーコやカリエールのファンという人にはいいと思う(ふたりがどんな本を蒐集しているのかが分かるし、ふたり自身のことがよくわかる)。

Posted byブクログ

2011/04/17

とびきりの愛書家二人による古今東西の書物を巡る対談。知のフラクタル、あるいは知の相転移と快哉を叫びたくなるような、人間わざとも思えない博覧強記ぶりに目眩を覚える。知識と知恵と諧謔を兼ね備えるとこうも魅力的になるのかと、うっとりしながらページを繰った。ブックデザインも心地よく、章が...

とびきりの愛書家二人による古今東西の書物を巡る対談。知のフラクタル、あるいは知の相転移と快哉を叫びたくなるような、人間わざとも思えない博覧強記ぶりに目眩を覚える。知識と知恵と諧謔を兼ね備えるとこうも魅力的になるのかと、うっとりしながらページを繰った。ブックデザインも心地よく、章が進むほどに込み入ってくるタイトルの飾り罫といったさりげない遊びも本書のコンセプトにマッチしていてニヤリとさせられる。

Posted byブクログ

2011/04/03

紙の本こそ残る、というのが私の信念。 それはともかく、この対談は良かった。稀覯本についていろいろ書かれていて、興味深かった。また、馬鹿と間抜けと阿呆については笑ってしまった。

Posted byブクログ

2011/10/22

 『もうすぐ絶滅するという紙の書物について』という、なかなかに臭味のあるタイトルの対談本が刊行された(阪急コミュニケーションズ)。仏語版原書では「本から離れようたってそうはうまくいかない」というほどの意味のタイトルで出版されたのだそうだが、本書は、KindleやiPadなど台頭著...

 『もうすぐ絶滅するという紙の書物について』という、なかなかに臭味のあるタイトルの対談本が刊行された(阪急コミュニケーションズ)。仏語版原書では「本から離れようたってそうはうまくいかない」というほどの意味のタイトルで出版されたのだそうだが、本書は、KindleやiPadなど台頭著しい電子書籍リーダーに背を向け、「とにかく紙の書物がいいのだ」などという、聞き飽きた主張を又ぞろ高らかに宣誓するための本なのだろうか。  イタリアの記号学者・作家ウンベルト・エーコと、フランスの脚本家ジャン=クロード・カリエールによる、450ページ超におよぶすばらしい長時間対談。日本語版ではネームバリューを考慮したのか、エーコが先に表記されているが、原書では年功序列なのか姓のアルファベット順なのか分からないが、1才年上のカリエールの名前が先になっているようである(そんなことどうでもいいか)。  じつを言うと、本書は「看板に偽りあり」という点がおもしろいのだ。たしかに、紙の書物から発せられる離れがたい誘惑のことが語られ、電子による耐久メディアがいかに脆弱で移ろいやすいものであるかが、本書序盤で主張されてはいる。つまり、フロッピーディスクやMO、ZIPといったメディアに保存したまま、(ドライヴ機の衰退、絶滅によって)読み出し不能となったデータやドキュメントを、どなたもが多少の差こそあれ、空しくデスクの引き出しに保管しておられないだろうか。2人の論客は、そのことを強調している。いずれDVDを再生できなくなる日だって遠くはないだろう、ともエーコは述べている。  ところがそんな話題(宿題?)は、本書の序盤でササッと取り沙汰されて、片が付いてしまう。あとは稀覯書、古文書、奇書、愚書といった、2人共通の大好きな話題でひたすら盛り上がっているのだ。爽快なほど「看板に偽りあり」である。  先日の東日本大震災では、尊い人命はもちろんのことながら、どれほど多くの芸術作品、一点物の品、貴重な書籍・文献といったものも被災し、永遠に私たち人間の瞳から奪われてしまったのか、今はまだそのおそるべき被害の全貌は、まったく明らかとなっていない。たとえば、岡倉天心ゆかりの六角堂は、海の藻屑と消えたそうである。そうした喪失に思いを馳せつつ、思考を強靱に続行させるためのエンジンに、本書はなってくれるのではないかと思う。 P.S. 近年ではミロス・フォアマンの『宮廷画家ゴヤは見た』の共同シナリオで力を見せたジャン=クロード・カリエールだが、公開中のアッバス・キアロスタミの最新作『トスカーナの贋作』に出演し、そこそこいい味を出している。

Posted byブクログ

2011/03/21

西欧文学の基礎知識が無いので途中ところどころ話についていけなかったが、古書愛好という趣味と博識を垣間見るという点で雑学的に面白かった。 読まなきゃいけない本ではないが、暇があれば読んで損は無い本。

Posted byブクログ

2011/03/10

中身じゃなくて 書物としての外見のはなし中心ですので 昨今の電子書籍がどうとか というはなしはほんのちょっとで たぶん書名から想像する内容ではございません 装丁 かっくいーです

Posted byブクログ

2011/02/27

スゴ本のレビューが素晴らしい→http://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2011/02/post-d8a2.html 一見しただけではわからないが、装丁に力を入れている。

Posted byブクログ

2011/02/21

タイトル通り、書物礼賛の色が濃い対談。 とにかくエーコとカリエールの博覧強記さ(会話が成立しているのが不思議!)に圧倒される。 デジタルとアナログ、ものすごいスピードで過ぎ去っていく現代、終身学習刑に処せられた現代人、炎による検閲、など書物にまつわる歴史を中心に書物を、そして現...

タイトル通り、書物礼賛の色が濃い対談。 とにかくエーコとカリエールの博覧強記さ(会話が成立しているのが不思議!)に圧倒される。 デジタルとアナログ、ものすごいスピードで過ぎ去っていく現代、終身学習刑に処せられた現代人、炎による検閲、など書物にまつわる歴史を中心に書物を、そして現代をユーモラスに語り合う。 装丁の凝りようは、タイトルと内容からしても注目すべき点だ。書籍として、とても完成度が高い。 読書の楽しみにドップリ浸かりたい人にうってつけの一冊。

Posted byブクログ