奇跡の教室 の商品レビュー
初めて書店でこの本を見たときは、「奇跡」という文字とあからさまな表紙に胡散臭いなと思ったが、「この本は評判が良い」と友人が言っていたことで、興味が湧き手にとることになった。 私立学校だからこそ出来た3年間で1冊の本を読み上げるという独特の手法で国語教育を展開したエチ先生こと橋本武...
初めて書店でこの本を見たときは、「奇跡」という文字とあからさまな表紙に胡散臭いなと思ったが、「この本は評判が良い」と友人が言っていたことで、興味が湧き手にとることになった。 私立学校だからこそ出来た3年間で1冊の本を読み上げるという独特の手法で国語教育を展開したエチ先生こと橋本武先生。子どもに指導するということはどういうことなのか、それを改めて考えさせてくれた。橋本授業を受けてきた生徒たちがどの大学に入り、どの職についたのかということは結果論であって、それに関してはここで強く触れたくはないと思う。そういった結果よりも、当時中学生という多感な学生たちを古典作品で魅了することが出来たその技術や教師としての姿勢に対しては非常に感銘を受けた。日ごろ、国語に関しては自分も苦手教科だったために生徒にどう指導していくべきかについて悩んでいたのだが、年数をかけて1冊の本を読むということではなくても、数ヶ月で1冊の本を一緒に読んでいくということや、新聞記事などを毎回一緒に読むなどということをすることで、もしかすると効果的な学習方法になるかもしれないと発見させてもらった。その代わり、やはり生徒と読む分、私自身の学びが必要ではあるが、生徒と読んでいくという前提であれば実践していくことも苦ではないと思えた。 日ごろ、生徒には様々な感情をもらっている。しかしながらどの生徒を見ても、何かを一貫して突き通す力や、探求心に関しては良い印象を得ない。「オタク」という言葉が嫌なイメージになっており、何か一つを徹底的に調べたり理解するということで「オタク」と周りから言われることを案じているのだ。KYという言葉が流行したように、いわゆる空気を読む文化の日本だからこその影響なのかもしれないが、そういった考えを自分の生徒だけは払拭してくれるよう、『奇跡の教室』のエチ先生の取り組みから学ばさせていただきたいと思っている。
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4月から新任として子供たちの前に立ってきたが、自分の中にひっかかかる『何か』がかなり具体的に見えたような気がする。 一冊の本を三年間かけて勉強する。おそらくそのようなことをしている教師は日本中をみてもいないのではないだろう。しかし、そこで行われていることこそ、今の日本、今の子供た...
4月から新任として子供たちの前に立ってきたが、自分の中にひっかかかる『何か』がかなり具体的に見えたような気がする。 一冊の本を三年間かけて勉強する。おそらくそのようなことをしている教師は日本中をみてもいないのではないだろう。しかし、そこで行われていることこそ、今の日本、今の子供たちに大切なことなのではないだろうか。子どもたちが、身を持って学ぶ。授業のきっかけを子どもたちの興味や関心の中からうまく引き出す。日本の伝統的な習わしや季節感を大切にする。この橋本先生の積み上げてきた経験には到底及ばないが、それでも橋本メソッドを少しでも自分のこれからに生かしていきたいと強く思わせてくれた一冊。
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なるほど、参考になりました。ありきたりの感想ですが、これは教師の方によっぽどの力量がないとできないなと思います。
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中学生の国語の教科書で教材があったか覚えているか? ・・・・。答えに窮する。 「銀の匙」を中学3年間の唯一国語教材した灘校名教師、橋本武氏追う。なぜ、どのように、そしてその教え子達がその後どうなったか? たった一冊の本で、3年間。脱線に継ぐ脱線。興味の赴くままに調べる、調べる。そ...
中学生の国語の教科書で教材があったか覚えているか? ・・・・。答えに窮する。 「銀の匙」を中学3年間の唯一国語教材した灘校名教師、橋本武氏追う。なぜ、どのように、そしてその教え子達がその後どうなったか? たった一冊の本で、3年間。脱線に継ぐ脱線。興味の赴くままに調べる、調べる。そうしたスローリーディングが、真に「銀の匙」の世界観を蘇らせる。随所に橋本先生の心が込められた何気ない、さりげない言葉が美しい。心洗われる一冊。
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御歳98才?の元国語教師のお話。 おしゃれでステキな先生。 いくつになっても好奇心は持ち続けたい、と感じました。
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エチ先生こと橋本武先生が、勤務校・灘で行った「奇跡」の授業を紹介した本。 本当に「紹介」ということばが相応しく、そういった意味で、やや薄く感じた。 ただ、そういう薄さこそが、 本書の言う「スロウ・リーディング」を実践させるという意味で、策略に嵌めている感もあるな。 ところで、ど...
エチ先生こと橋本武先生が、勤務校・灘で行った「奇跡」の授業を紹介した本。 本当に「紹介」ということばが相応しく、そういった意味で、やや薄く感じた。 ただ、そういう薄さこそが、 本書の言う「スロウ・リーディング」を実践させるという意味で、策略に嵌めている感もあるな。 ところで、どういった授業が行われていたかというと、 それは中学3年間を通じて一冊の文庫本を読むというもの。 検定教科書は用いず、中勘助『銀の匙』を3年かけてじっくり読んでいく。 こういった試みは確かに異例であり、従来の「国語」からすれば異質のもの。 でも、本書の中でインタビューに答える橋本先生のことばを見る限り、それは決して異質ではない。 橋本先生自身は「当たり前」のことをしようとしているに過ぎないわけです。 だから、橋本先生のことばにも特に目立った新しさは感じない。 生徒に疑問を持たせたいことや、じっくり調べ、考えて欲しいことなど・・・。 どれも、ともすれば「よく言われること」なのだ。 にもかかわらず、その授業が「奇跡の教室」を作り上げたとなれば、 当然そこに凄みを感じざるを得ません。ぐぅ。 さて、しかし本書のつくりは、やや残念だ。 冒頭にも述べたように、表層だけを追っている感がありあり。 また、橋本先生の実践を「東大合格」につなげるのもナンセンスだなあ。 この本の最後らへんにも、 「我々は、教師の言う「結果」とはすなわち、「進学実績を上げること」だと認識していた。」 という反省が書かれているわけですよ。 にもかかわらず、 のっけから「橋本先生のおかげで灘校は日本一の進学校になった」みたいな含みを持たせる。 進学実績とか、学力とかを中心に据えるのは時代なのだとはいえ・・・。 たとえば、大村はまの実践は素晴らしい、という文脈があったとしても、 それは決して合格実績云々にはつながらない。 じゃあ、何で橋本先生の実践はそこにつなげちゃうの?っていう疑問は拭えないよね。 変に実用的な部分もあり、なんか昨今のビジネス書ブームとかの弊害を垣間見た気がした。 【目次】 はじめに 第1章 「追体験」が風を吹かせた 第2章 「エチ先生」以前 第3章 『銀の匙研究』ノート 第4章 主人公との往復書簡 第5章 横道こそが王道 第6章 『銀の匙』の子どもたちの快挙 第7章 見果てぬ夢 終わりに あとがき 橋本武
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この本を読んで、是非エチ先生の授業を受けたいと思いました。今の自分に足りない、忍耐力、集中力、探究心、読書力、我慢、感受性。等々、実はこうやって身に付けるのだと今になって改めて認識しました。 会社の後輩には、答えをあえて言わず、考えさせる事を意識して接していますが、それは正しい...
この本を読んで、是非エチ先生の授業を受けたいと思いました。今の自分に足りない、忍耐力、集中力、探究心、読書力、我慢、感受性。等々、実はこうやって身に付けるのだと今になって改めて認識しました。 会社の後輩には、答えをあえて言わず、考えさせる事を意識して接していますが、それは正しいのだとも思えたのが救いです。 現代日本の問題点を、解決する唯一無二の方法がココに集約されていると思います。 本当に多くの人に読んでもらいたい一冊です。
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「国語って、いったい、どうやって勉強したらいいのか、どんなふうに教えたらいいのか、わかりにくい教科」とは、よく聞くお母様方のお言葉です。さて、あの名門灘校で伝説の国語教師と言われた橋本武先生が、『銀の匙』という1冊の薄い文庫本をじっくり、ゆっくり横道にそれながら3年間かけて読み、...
「国語って、いったい、どうやって勉強したらいいのか、どんなふうに教えたらいいのか、わかりにくい教科」とは、よく聞くお母様方のお言葉です。さて、あの名門灘校で伝説の国語教師と言われた橋本武先生が、『銀の匙』という1冊の薄い文庫本をじっくり、ゆっくり横道にそれながら3年間かけて読み、でも確実に「学ぶ力」と「生きる力」をつけ、東京大学合格者数日本一を導いたと言われる、その授業を覗きみることができるのが本書です。
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とっても素晴らしい本。 銀の匙を通じて、幅広く遠回りしながらでも深堀することが必要だということを教えてくれる書籍。 自分自身もとことん深掘出来るようになる。 頻繁に読み返したい、久しぶりのスマッシュヒット
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そうそうたる教え子、確固たるお考え、理論、すばらしいです。灘中学の生徒たち、橋本先生に御教示いただいた方々、うらやましい限りです。自分自身が漠然とそうだな、とも思っていたのですが、やはりすべての教科の基本は国語力、そしてその力を得るには読むこと、読み込むことですね。娘たちにもその...
そうそうたる教え子、確固たるお考え、理論、すばらしいです。灘中学の生徒たち、橋本先生に御教示いただいた方々、うらやましい限りです。自分自身が漠然とそうだな、とも思っていたのですが、やはりすべての教科の基本は国語力、そしてその力を得るには読むこと、読み込むことですね。娘たちにもそのように教え、カミサンに読み聞かせを赤ちゃんの時から頑張ってもらっていました。その成果は、、??ですが(^-^;) いつかは実を結んでくれるんでしょうかねえ(。_・☆\ ベキバキ
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