ゴールデンスランバー の商品レビュー
久しぶりに、時間を忘れページをめくる手が止まらないほど、夢中になった作品でした。 個人的には、今まで読んだ作品の中で1.2位を争うくらい好きな物語です。 他の皆さんの感想にも書かれていますが、 核となるのは「人間の最大の武器は習慣と信頼だ」というセリフ。 武器を最大限に使い、...
久しぶりに、時間を忘れページをめくる手が止まらないほど、夢中になった作品でした。 個人的には、今まで読んだ作品の中で1.2位を争うくらい好きな物語です。 他の皆さんの感想にも書かれていますが、 核となるのは「人間の最大の武器は習慣と信頼だ」というセリフ。 武器を最大限に使い、(使いと言っても、本人の人柄が良いためその武器を意識して行動しているわけではない)今までの人間関係を培ってきた主人公の青柳。 逃亡中に出会った怪しい人々にさえ信頼を寄せてしてしまうあたり、お人好しすぎると感じてしまう人もいるかもしれません(笑) その青柳の習慣が「首相暗殺の犯人」というレッテルを覆してしまうほど、関わった人から信頼されていたんですね。 銃やナイフにも劣らない、最強の武器だと思いました。 信頼されるには、まず信頼を、 礼儀を尽くし、思いやりのある行動をする習慣を。 私も今後の人生でこのテーマを心に留めていきたいです。
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平穏な状態では、誰もが正論を吐ける。人権を主張し、正攻法を述べる。が、嵐がはじまればみんな、浮き足立つ。正しいことを考える余裕もなく、騒ぎに巻き込まれる。 「びっくりするくらい空が青いと、この地続きのどこかで、戦争が起きてると、人が死んでるとか、いじめられてる人がいるとか、そうい...
平穏な状態では、誰もが正論を吐ける。人権を主張し、正攻法を述べる。が、嵐がはじまればみんな、浮き足立つ。正しいことを考える余裕もなく、騒ぎに巻き込まれる。 「びっくりするくらい空が青いと、この地続きのどこかで、戦争が起きてると、人が死んでるとか、いじめられてる人がいるとか、そういうことが信じられない」 人間の最大の武器は習慣と信頼
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1.5回読んで、この本の面白さを実感しました。なかなかに考えられた展開です。脳内で違う結論が勝手に妄想され、読み進めていくうちに、あれ?と思い、読み返していました。 そして完読してから、再び戻ってストーリーがつながりました。 頭が悪いだけでなく、著者の構成にハマった。きっと、そう...
1.5回読んで、この本の面白さを実感しました。なかなかに考えられた展開です。脳内で違う結論が勝手に妄想され、読み進めていくうちに、あれ?と思い、読み返していました。 そして完読してから、再び戻ってストーリーがつながりました。 頭が悪いだけでなく、著者の構成にハマった。きっと、そうだ。そのはずに違いない。
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会社の先輩から借りました。 今まで読んだ伊坂作品とはちょっと違うタイプでしたが、続きが気になり一気に読めました。 逃げ切って欲しい、無実を証明して欲しいという気持ちからか、読んでいる間はなんだか苦しかったです。 そして、所々出てくる森田の声に泣けます。。 映画も観にいきた...
会社の先輩から借りました。 今まで読んだ伊坂作品とはちょっと違うタイプでしたが、続きが気になり一気に読めました。 逃げ切って欲しい、無実を証明して欲しいという気持ちからか、読んでいる間はなんだか苦しかったです。 そして、所々出てくる森田の声に泣けます。。 映画も観にいきたいです。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
評判が良かったので読んでみたのだが、下記の点でいまひとつしっくりこなかった。 •市民に過剰な暴力を加える警察官 •手の込んだ証拠のでっち上げ等をやったり、超法規的な措置で犯人を追ってるのに、何度も取り逃がす、現場に警察官を単独で配置させる等の警察のポンコツな対応 •マスコミのアホそうなインタビューや報道 •何もやってないのに何故か逃げ出す主人公の思考回路 もちろんフィクションであり、あとがきで作者も現実とはかけ離れている点があると弁明しているが、かけ離れすぎていてツッコミ所満載だったので、ちょっと物語に入っていくことができなかった。 これがこの作者の作風なのかもしれないが。 あと登場人物の会話のユーモアがあって面白いとの評価もあるが、自分にとっては何が面白いのかよく分からない。。 と言いつつ、物語自体にスピード感はあり、違和感は覚えつつも、わりと一気に読み進めることはできた。
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衆人環視の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。なぜだ?何が起こっているんだ?俺はやっていない―。首相暗殺の濡れ衣をきせられ、巨大な陰謀に包囲された青年・青柳雅春。暴力も辞さぬ追手集団からの、孤独な必死の逃走。行く手に見え隠れする謎の人物達。運命の鍵を握る古い記...
衆人環視の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。なぜだ?何が起こっているんだ?俺はやっていない―。首相暗殺の濡れ衣をきせられ、巨大な陰謀に包囲された青年・青柳雅春。暴力も辞さぬ追手集団からの、孤独な必死の逃走。行く手に見え隠れする謎の人物達。運命の鍵を握る古い記憶の断片とビートルズのメロディ。スリル炸裂超弩級エンタテインメント巨編。
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何か巨大な力に自分が押しつぶされそうと思ったとき、何か悪いことに自分が引き込まれそうなとき、どうしたらよいか。 抵抗することでも、相手を打ち負かすことでもない、とにかく逃げることだ。。。
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誰にだって理不尽なことって起きる。 24年間しか生きていない私でも、納得いかないこととか、やるせない気持ちになることとかあるもん。そんな状況で、無条件に自分のこと信じてくれたり応援してくれたりするひとがいるって心強いなぁと感じた。
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ページをめくる手が止まらず2日間で読み合わった!なんで今まで読んでなかったんだろう、、 最初は森田との思い出が出てくる度、なんで序盤で森田がどうなるか書いちゃったの〜と思ったし、樋口晴子との思い出が出てくる度、なんで既婚者子持ちなの〜と切なくなったけど、読んでいくうちに、これも...
ページをめくる手が止まらず2日間で読み合わった!なんで今まで読んでなかったんだろう、、 最初は森田との思い出が出てくる度、なんで序盤で森田がどうなるか書いちゃったの〜と思ったし、樋口晴子との思い出が出てくる度、なんで既婚者子持ちなの〜と切なくなったけど、読んでいくうちに、これも大事なテーマの1つだもんね、、と納得。この前提を最初にドン!と出すことでこちらの期待が残酷にも断ち切られ、「絶対に取り戻すことができない時代」であることがより深く刻み込まれるんだなあ。 結末は賛否あるみたいだけど、最近村上春樹ばかり読んでいた私としては、むしろ前半に「30年後」を入れて事件の結末を見せてくれたあたり親切だとも思った 設定は全然違うけどなぜかショーシャンクを思い出した!
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仙台を舞台に、パレードの最中に爆殺された首相の殺人犯として追われる身となった青柳雅春。巨大な陰謀を実行した強大な力を相手に、青柳雅春は悲喜交々のまじりあった彼の人生のたくさんの断片とそれらで繋がっていた人々との絆を力に変えるようにして逃げ続ける、よき旧友である森田森吾が人生で最大...
仙台を舞台に、パレードの最中に爆殺された首相の殺人犯として追われる身となった青柳雅春。巨大な陰謀を実行した強大な力を相手に、青柳雅春は悲喜交々のまじりあった彼の人生のたくさんの断片とそれらで繋がっていた人々との絆を力に変えるようにして逃げ続ける、よき旧友である森田森吾が人生で最大の武器だと言う「習慣と信頼」、その言葉をたびたび反芻しながら。笑いがあり、涙があり、ドラマがあり、アクションがある。「全部入り」の感すらあります。 無理なく張られている数多の伏線とその回収の仕方がちゃんとストーリーの大切な一部を成していて見事だなあ、と思いました。本筋のおまけとして伏線が張られその回収を楽しむような余興的なものではないのです。効果的に読者を刺激し、しっかりとした快楽をもたらしもする。ギミックって、あなどれません。伊坂幸太郎という作家はその技巧に長けています。 解説を読むと、構造を特に意識して作るような知性的な操作に重きを置いてこの作品以前の作品は作られていたようなところがあるようです。それを、たとえば伏線の回収ばかりに終始しない試みを今作品では試したそうです。本来それが作家の好みでもあったそうなのですが、自分の書き方でもそうしてみることによって、作品に深みというか味わいというかが増したようなのです。 『ゴールデンスランバー』は一大スペクタクルとしてとても楽しめました。息を飲み、続きが気になってどんどん読んでしまいました。おもしろかったです。
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