ゴールデンスランバー の商品レビュー
伏線、何度も交錯する登場人物、ストーリー展開全てに引き込まれた。 今まで読んだ数少ない小説のうち、一番好き。
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最近の伊坂作品は現実性と幻想性の狭間で彷徨っていたように思う。「魔王」あたりから社会的事象への問題提起が徐々に増えてきたのだけれど、それを上手く彼本来の持ち味でもある機知に富んだ会話であったり、伏線に伏線を張り合わせたストーリー展開に繋ぎ合わせることができずにいた。 そんな彼がや...
最近の伊坂作品は現実性と幻想性の狭間で彷徨っていたように思う。「魔王」あたりから社会的事象への問題提起が徐々に増えてきたのだけれど、それを上手く彼本来の持ち味でもある機知に富んだ会話であったり、伏線に伏線を張り合わせたストーリー展開に繋ぎ合わせることができずにいた。 そんな彼がやっとの思いで完成度の高い様々なジャンルが組み合わさった物語を作り上げた。それが本作「ゴールデンスランバー」。 国家、マスコミの持ち合わせる病理的な強大さを描き、ともすれば暴走する危険性に焦点を当てることでストーリーは展開される。一般人であった主人公が情報操作によって犯罪者の濡れ衣を着せられてしまう。首相暗殺という馬鹿でかい話から始まる本作であるが、伊坂さんはそれだけこの作品に賭けていたとも言える。本物のエンターテイメントを作り上げるにはやはり拍子抜けするくらいの奇想天外な世界観が必要になる。初期作品で示された圧倒的なるオシャレな会話、そしてそれらの連携、終盤に掛かっての感動。すべての伊坂さんの特徴が混ざり合い、デッカい創造性エンターテイメントが完成した。 ジョン・F・ケネディ大統領を殺害したとされるオズワルド。 ビートルズの楽曲であるゴールデンスランバーの印象的な歌詞。 これらの事実を創造的世界の中で絡み合わせて物語は進む。何度となく作中では「オズワルドにされるぞ」の台詞が囁かれ、主人公がまさに追い詰めら れる姿を照らし出す。ここぞとばかりに響く「Once there was a way to get back homeward」の懐かしさが醸し出された歌詞も作品に音楽的価値観を付与する形で漂っている。 唖々、何てお洒落なストーリーと台詞の繋がり。やはり伊坂さんは素晴らしい。陳腐な言葉だけれど、「お洒落」だとか「近未来文学」だとか、そんな言葉でしか伊坂さんのスゴさは表すしかないみたいだ。 「オーデュボンの祈り」「ラッシュライフ」の発する摩訶不思議な世界観。「陽気なギャング」シリーズでの個性的なメンバーのチームワーク。「グラスホッパー」のような伊坂作品では珍しい暴力、狂気。「魔王」を超える形での社会への挑発。そして、「砂漠」での大学生の、あのモラトリアム時代の偽りのない友情。それら全てを内包している。 本作「ゴールデンスランバー」が今までの伊坂作品の集大成であり完成度の高いものであることは間違いない。「グラスホッパー」以降彼の作風は変化していき、それに多少辟易していた私だったが、伊坂さんの創り出す文学にいま一度魅了され、過去の作品を見返してしまってもいる。 青柳雅春と森田森吾の回想シーンからは本物の友情が伺える。今までの伊坂作品ではある意味敬遠されてきた直接的感動への焦点を当てている。「いいな、こんな関係」と何度もほくそ笑んでしまった。 そして、迎えた最終場面。ドラマのワンシーンのような仄かなロマンチズムさえ垣間見得た。「たいへんよくできました」のハンコは一生色褪せない真っ赤な光を放出していたはずだ。 Golden slumbers kiss your eyes, Smiles awake you when you rise.
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衆人環視の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。 なぜだ? 何が起こっているんだ? 俺はやっていない―。 首相暗殺の濡れ衣をきせられ、巨大な陰謀に包囲された青年・青柳雅春。暴力も辞さぬ追手集団からの、孤独な必死の逃走。行く手に見え隠れする謎の人物達。運命の鍵を握...
衆人環視の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。 なぜだ? 何が起こっているんだ? 俺はやっていない―。 首相暗殺の濡れ衣をきせられ、巨大な陰謀に包囲された青年・青柳雅春。暴力も辞さぬ追手集団からの、孤独な必死の逃走。行く手に見え隠れする謎の人物達。運命の鍵を握る古い記憶の断片とビートルズのメロディ。 スリル炸裂超弩級エンタテイメント巨編。 久しぶりの読書! ずーっと読みたかったゴールデンスランバー♪ あっという間に読み切ってしまいました。 昔の仲間たちとの絆がイイ!! 少し謎に包まれた部分もあるけど(「一介のノンフィクションライターに過ぎない筆者」ってだれのことなのかな?もしかして…??)、やっぱりおもしろかった。 「事件から三ヶ月後」が好きです(*^_^*) 青ヤギさんからお手紙着いた~♪
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期待しすぎて読んでしまった分、ちょっと残念。ちょっと非リアルな感じが頭から抜けきらなかった。でも普通におもしろい。
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最初はボーッと読んでたけど・・ いきなり火がついたように展開が面白くなった!! そこからはあっという間です。 点と点がつながっていく感覚が面白い☆ 日常繰り広げていた友達とのくだらない会話を 思い出し登場人物達の関係がうらやましくなります。 ロックだね。 ちゃっちゃと逃げろ。...
最初はボーッと読んでたけど・・ いきなり火がついたように展開が面白くなった!! そこからはあっという間です。 点と点がつながっていく感覚が面白い☆ 日常繰り広げていた友達とのくだらない会話を 思い出し登場人物達の関係がうらやましくなります。 ロックだね。 ちゃっちゃと逃げろ。 たいへんよくできました!
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あとがきの「風呂敷をたたむのが一番つまらない」というところを読んで納得。 人・時間バラバラに描いて、しかしわかりやすく惹き込むところはやはり凄い。サブキャラクターも魅力的。 どうなるのか最後まで展開が読めないところも、十分に面白い。 涙ぐむシーンも。 ただ、個人的には「たた...
あとがきの「風呂敷をたたむのが一番つまらない」というところを読んで納得。 人・時間バラバラに描いて、しかしわかりやすく惹き込むところはやはり凄い。サブキャラクターも魅力的。 どうなるのか最後まで展開が読めないところも、十分に面白い。 涙ぐむシーンも。 ただ、個人的には「たたむ」展開が好きだなと思ったお話でした。好みの問題かな。
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絵に書いたようなハッピーエンドではないけど、読み終えたあと清々しい気持ちになれる作品でした。 「信頼」という当たり前すぎて普段意識しないものの大切さに気付かされた気がします
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スケールの大きいエンターテイメント。 疾走感たっぷりで読み進める手が止まらなかったし、車の置手紙や、ラストの「大変よくできました」など、ニヤッとしてしまう小ネタが随所に散りばめられてて、それだけでかなり楽しめた。
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「すごく面白い!」という評判だったので読んでみたのですが、割と肩透かしでした。偶然が重なりすぎるとつまらない気がします。
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後半もうちょいハラハラ感が欲しかったかな。。青柳の周りの方が大変そうやったもん。ちょい釈然としない。
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