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逃げる中高年、欲望のない若者たち の商品レビュー

3.6

70件のお客様レビュー

  1. 5つ

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  2. 4つ

    23

  3. 3つ

    26

  4. 2つ

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2011/11/26

村上龍のエッセイ集。 内容そのものズバリのタイトルである。 今の日本を非常によく表しているし、「私にはどうすればいいのかわからない」と素直に書いているところも良い。 個人的には、中高年にはさっさとご退場いただきたい。少なくとも、意思決定や権力からは身を引いてもらわなければ困...

村上龍のエッセイ集。 内容そのものズバリのタイトルである。 今の日本を非常によく表しているし、「私にはどうすればいいのかわからない」と素直に書いているところも良い。 個人的には、中高年にはさっさとご退場いただきたい。少なくとも、意思決定や権力からは身を引いてもらわなければ困る。某ガス会社の人事担当が、学生からの「ガスはいつかなくなると思うんですけど、大丈夫ですか?」という質問に、「あと30年分はあるから大丈夫です」と答えたというのが象徴的だ。人間は利己的だから、「自分に関係ある間は大丈夫だったら大丈夫」という理屈で動くのは仕方がない。であれば、「自分に関係がある間」が一定以上長い人間を選ばなければならない。 また、バブル時代の年代(現在40~50歳くらい)も、はっきり言って期待ができそうにない。この年代で飛びぬけたビジネスパーソンの出現率は明らかに低い。みんな横並びで、周りに合わせていればなんとかなった時代を過ごした年代だからだろうと思う。 30~40歳くらいのいわゆる氷河期世代は、とても優秀だと感じる。というか、優秀な人しか勝ち残っていないのだと思う。この年代に期待したいが、上が詰まっているのが問題で、やはり中高年にはご退場願わなければならない。 20~30歳くらいの年代は、物心ついてからずっと経済停滞しているので、経済成長なんて信じていない。それでもモノはあふれているから、別に経済成長の必要性も感じていない。そもそも社会や大人に期待をしていない。だから投票も行かないし、年金も払わない。一方で、自力でなんとかしようという考えは強いし、ボランティア精神も強い。しかし、親がバブル世代のアホ親が多い。また、少子化で過保護に育っている場合もある。そういった事情が、欲望のない若者を生んでいる。

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2011/10/04

村上龍さんのエッセイ。 村上龍さんの書かれる文章のイメージが どうしても「暴力的」というのが強くて、ずっと敬遠していた。 (小説の内容のイメージですが、読んだことはない) エッセイはとても率直で、考え方に共感できる部分も多く、 他のエッセイやコラムにも目を通したくなった。 ...

村上龍さんのエッセイ。 村上龍さんの書かれる文章のイメージが どうしても「暴力的」というのが強くて、ずっと敬遠していた。 (小説の内容のイメージですが、読んだことはない) エッセイはとても率直で、考え方に共感できる部分も多く、 他のエッセイやコラムにも目を通したくなった。 村上龍さんのイメージが私の中で よい意味で裏切られたので、読んでよかった。 日本人を冷静に分析しているだけで、 「こうしたほうがいい」「これがいけない」 と意見を押し付けない文体にかなり好感を持てた。 「日本人として」考えさせられるご本。

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2011/09/23

久々に村上龍のエッセイを読んだ。 悲しいことに今の若者達に、一律に用意された明るい未来は無いようだ。 という読後感。漠然としてますが。 高度経済成長という、一律に明るい未来が用意された時代は終わり、サバイバルしなくちゃいけない時代になったんだ。 ただ、一律に用意されないか...

久々に村上龍のエッセイを読んだ。 悲しいことに今の若者達に、一律に用意された明るい未来は無いようだ。 という読後感。漠然としてますが。 高度経済成長という、一律に明るい未来が用意された時代は終わり、サバイバルしなくちゃいけない時代になったんだ。 ただ、一律に用意されないからこそ突出した個が現れるチャンスなのかもしれない。 そう、ビートルズのように。 要は捉え方、ということなんだな。

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2011/09/12

村上龍のエッセイはなんだかんだと読んでいる。希望の国のエクソダスを読んでから、間違いなく僕の思考にはこの人の影響があるし、もやもやとした感情・思考を言葉にしてくれていると思う。 身も蓋もないことばかり、だけど言わなければ始まらない。例えばラグビーは出てこないけど、二勝以上を掲げ、...

村上龍のエッセイはなんだかんだと読んでいる。希望の国のエクソダスを読んでから、間違いなく僕の思考にはこの人の影響があるし、もやもやとした感情・思考を言葉にしてくれていると思う。 身も蓋もないことばかり、だけど言わなければ始まらない。例えばラグビーは出てこないけど、二勝以上を掲げ、もしかして届くかもしれないと思えたカーワンの目標の設定とジャパンのラグビーも。あるいは福島は死の街だと、まずは認識しなくてはなにも始まらないことも。 震災以後、これまで以上に村上龍の言葉が届く人も多いのではないかとも思う。いつからか、村上龍は日本のことを考えると憂鬱だと繰り返していた。先々のことを考えると、僕も憂鬱で、未来が見えなくて、堪らない。それでも毎朝起きて、会社に行って、生活してるのは、その絶望を認識しきれていないならのか、それとも。

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2011/08/30

恥ずかしながら著者の村上龍氏に対してはカンブリア宮殿のイメージしかなかったので、どんな考え方なのか知りたくて読んでみた。 口調としてはかなり強めに書かれているものの、中身としては何か特別な切り口であるとかそういう類いではなく、ただただなんとなく読んでしまった。

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2011/08/30

10年前から知っていたよ! 村上龍ってなんでこんなに暗いの? ここまでいうならお前もなんとかしてくれよ。W

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2011/07/30

村上龍さんの小説は高校時代からどっぷり ハマって読んでいるが、最近は雑誌などを 含め、エッセーに触れることが多い。 元々、この方には世の中に対しての圧倒的な 欠乏感があるのだな、と若い頃から感じて いたが、こんな時代になってしまい、 完全に笑えなくなってしまったから辛い。 正...

村上龍さんの小説は高校時代からどっぷり ハマって読んでいるが、最近は雑誌などを 含め、エッセーに触れることが多い。 元々、この方には世の中に対しての圧倒的な 欠乏感があるのだな、と若い頃から感じて いたが、こんな時代になってしまい、 完全に笑えなくなってしまったから辛い。 正直、龍さんは好きだが、この本を読んでも 憂鬱しか生まれない。そんな感覚になると いうことは、少しだけ僕も著者と同類なの だろうか。 この著書では「草食系」という言葉を別の表現で 示している。過激すぎてこの場では書けないが、 まさにそうだと思う。要は「控えめ」ではなく、 「存在」そのものを感じないということ。 日本という国家自体は間違いなく衰退している。 でも、それでも、諦める必要はない。 気付く人間、そして、実行する真に強い人間は 必ず出てくるし、実際に出てきている。 でも、今の世の中はそんな人間に対して 「圧倒的な肉食系だよね」という言葉で 片付けるのだろう。 そんな事を平気で語れる人間が成人というのだから、 そりゃ、笑えないのである。 本のレビューぽくなくなってきたが、 結局、村上龍さんは憂鬱なのである。 で、僕もそうなのである。 でも、頭と手は動かしている。 それでも圧倒的な好奇心と欲望があるからだ。

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2011/10/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

日本の現状を俯瞰して語っています。独断的ではありますが 小気味よいのが村上氏の個性なのだろうと思いました。

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2011/05/26

内田センセイの邪悪な…の次に読みましたが、選ぶ言葉は違えどもヤングに対して相通じるメッセージがある気がしました。内田センセイが武道家で相手の攻撃さえも自分ひとりではなしえなかったパワーとして活用しようといえば、村上龍さんは、自殺の選択肢をとるかわりであれば、(村上龍さん自身は共感...

内田センセイの邪悪な…の次に読みましたが、選ぶ言葉は違えどもヤングに対して相通じるメッセージがある気がしました。内田センセイが武道家で相手の攻撃さえも自分ひとりではなしえなかったパワーとして活用しようといえば、村上龍さんは、自殺の選択肢をとるかわりであれば、(村上龍さん自身は共感しない)趣味嗜好を楽しんで生きた心地がするのであれば積極的に(その趣味嗜好を)肯定したい風な展開。このご時世はとかく生きにくい?という前提のもと、ヤングの身のこなしを指南する本が良く出版され、ついついこちらも誰かがぐっとくる言葉発してくれるのではないかと期待して読んでしまいます。

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2011/05/20

久しぶりのエッセイ。人の視点と意見に触れるのはいつも新鮮。エッセイは肯定も批判もしないスタンスですが、納得をする部分が多かった。

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