逃げる中高年、欲望のない若者たち の商品レビュー
村上龍さんのエッセイです。現代社会の病巣を独特の文体でいじくり回す感じで、とても面白かったです。とにかく氏の歯に衣を着せない物言いが炸裂しています。チクチクした文体が好きな人は読んでみては。「じいさんばあさんの群れ」、「暇を持て余してる風な若いカップル」などなど。
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村上龍が自分が司会を務めるテレビ番組「カンブリア宮殿」や、自分の過去の著書などを取り上げながら、現代の若者、かつて若者だった中高年たちを分析したエッセイ。 若者が政治に無関心なのは当然だとか、今の若者は欲望を必要としていないとか、共感できるところもありましたが、う~んと思うところ...
村上龍が自分が司会を務めるテレビ番組「カンブリア宮殿」や、自分の過去の著書などを取り上げながら、現代の若者、かつて若者だった中高年たちを分析したエッセイ。 若者が政治に無関心なのは当然だとか、今の若者は欲望を必要としていないとか、共感できるところもありましたが、う~んと思うところもありました。 「サイゼリア」の生ハムは食べてみたくなったなぁ。
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作者の「集団に対する違和感」という根っこは共感。 欲望さえ持ちえない境遇。 怒りさえうまく表現でずパワーとできない。 そんな世の中でもサバイバルしていかねばならない若者たち。 そんな時代にどのような生きいく術を身につけさせればよいのか? 子どもを育てることはいつの時代にも難し...
作者の「集団に対する違和感」という根っこは共感。 欲望さえ持ちえない境遇。 怒りさえうまく表現でずパワーとできない。 そんな世の中でもサバイバルしていかねばならない若者たち。 そんな時代にどのような生きいく術を身につけさせればよいのか? 子どもを育てることはいつの時代にも難しい。 「欲望」「好奇心」がキーワードでしょうか。
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久々の「消耗品」シリーズ。十年前は違和感があったが、いまは怒りのポイントが彼とかなり似てきた、と思う。年齢から来てるのだろうか?!(・・;)
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とことん上から目線で若者そして現代社会をクールに批判、そして礼賛するのは失われた過去の音楽や過去の若者だ。と言いつつも過去そのものを美化しているのとも違う。 これを読んで、「ふーんそうなんだ」なんて納得しちゃ負けだと思う。
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このタイトルからしてもうやられたなって感じ やっぱり村上龍のエッセイはガツンと来る! 『成功を考えてはいけない。考えるべきは、死なずに生き残るために方法である』 震災以降だと重いひとことかも。 世の中どうしてこうなっちゃったんだろう?という漠然とした 気持ちを龍さんが今回も分かりやすくすっきりと語ってくれてます。いや、本当に読むと納得。けど私ももう逃げる中高年だな(笑) このくらいレポート書けると良いんだけど。 参考にさせてもらいます。
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自分の中で、もやもやしていることを、的確にわかりやすい言葉で表現してくれる。 曖昧さがなく、自分の立ち位置が明確、世に媚びることがない、憧れの人。
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・若者が退化したなどと書かれるのは心外。そもそも不要な物に踊らされていたのが上の世代だという意識が、我々若者の中にはある。いい方向に進化したといってほしいくらいだ。 ・高度成長期で全ての人がハッピーだったのは、資源の再分配が上手くいっていたからじゃない。経済のパイがどんどん大きくなっていったから、再分配が下手でも上手くいったように見えてただけだろ。 ・誰かが損をして、政治家が恨まれるのは当たり前。むしろその傾向が強くなった今、それでも政治に興味があるという若者は立派なんじゃないのか。 ・幼稚園児だからこそ、旨いものを喰うべきだろう。幼いうちに味覚を養うのは大切なこと。良質のものが低価格で手に入るようになるのは素晴らしい。何かが失われるって、なんだおい、懐古厨か。 ・23歳は若いよ。自分が小説書いたからって何なんだろう。この人が若かったころだって、23歳が大学出たての新米ばかりだったことは変わらないだろうに。 ・好奇心の弱体化となんでも知っているという考え、その2つがどうつながるのか分からない。知らないことは知らないままでいいと考える事の何が問題なのか。 ・日本に学ぶものがないとなったら、かの国は国土を狙ってくると思いますがね。正直あの国の民度を見るに、そんなことはありえないとは思いますが。 ・そもそも搾取されている現状に気づいていない若者が多いだけなんじゃないかな。怒るやつは怒っているし、もう上の世代を見限っているのもある。後期高齢者医療制度が「長生きするな」なんてのも的外れ。 ・オタクの若者を気持ち悪いと考えるようなメンタリティの人かぁ…自殺より健全というのは疑問。オタク文化のために生きながらえている自分は、死んだほうが世のため人のためだと思う。 ・普段接するのはおもにマスメディアの人間っておい。そいつらは規制産業の中でぬくぬくいい思いしてた連中じゃねぇか。ようやく市場原理の波が押し寄せるようになったわけで、一般大衆からしたら得だろう。 ・代表批判のコラムは爆笑。W杯でいい結果残しちゃったけどな!そしてまた出た、「何か」をつかんだ。この人の文章が決定的に合わないのは、感情で論を運びすぎなことが原因なんだと思う。 ・共産党と社民党が貧者の味方?ハッ 大体若者が政治に興味が無いって、そもそも若者の人数が絶対的に少ないからだろ。爺婆が牛耳ってるこの国で何を言う。 ・成功者を増やして、そこから得た税収でセーフティネットを貼るようにすればいーんじゃねーの!? ・20代前半で仕事に就いて、20代後半で結婚し、子供を作り、30代になって新居を構えるというのは贅沢でも何でもない!?世界的に見ても十分すぎるほどに贅沢だわ!そりゃ昔の景気のいい日本はそれができたかもしらんがね!現状認識狂ってる。 ・合コンやら整形やら、そんな即物的なものがなんで自殺と結びつくのか分からない。まるで、そういう精神安定のための何かが無いと、みんな自殺してしまうような書き方。 ・有効な政策を打ち出すのに資金が無いというが、ばらまきの発想だよねこれは。社会構造そのものを変革する必要があるんだよ今は。 ・競争に敗れた人が出るのは健全なことだし、なにより小泉改革の間には格差が減っている。 ・すべての人の生活は向上している。技術の進歩によって 希望の無さから生まれる陰鬱さは十二分に伝わった。タイトルから期待してた、逃げきり中高年への批判がないのは不満。若者は~とか言ってるけど、その若者が生きる社会構造を生み出したのは貴様らだろうがと言いたい。まぁこの人も逃げきり中高年だからな結局。
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この手の経済や政治をベースにしたエッセイは、一応サラリーマンとして生活している身としては、うなずく部分が多々あります。ただ、「居酒屋で他のお客さんの迷惑を考えずにバカ笑いするサラリーマンは寂しい」というのにはドキッとした。私はよく、そんな状態になっているから、、、
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村上龍も説教臭くなっちゃったなあが一番の感想。確かに今の若者の現状などについて言葉でしっかり言い当てているのはさすがだと思うけど、当たり前だが視点や価値観が親父目線なのでいまいち共感できない。いいこと言ってるんだけどね、まあ、って感じ。 ●うつ状態にならないためには「この先かなり...
村上龍も説教臭くなっちゃったなあが一番の感想。確かに今の若者の現状などについて言葉でしっかり言い当てているのはさすがだと思うけど、当たり前だが視点や価値観が親父目線なのでいまいち共感できない。いいこと言ってるんだけどね、まあ、って感じ。 ●うつ状態にならないためには「この先かなり大変な事態が続きそうだがまあ何とかなるだろう」と思うことが重要らしい。 ●自らの欲望を肯定し、それが現実になることでわくわくしている人をほとんど見なくなった。 ●何かが楽しみでわくわくするために必要なのは、欲望だ。 ●社会と個人の欲望が枯渇していく、それはゆっくりと衰退する国家の特徴なのかもしれない。
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