逃げる中高年、欲望のない若者たち の商品レビュー
世の中を批判的に考察していた。好奇心をもつことや、欲望をもってワクワクすることが日本には足りていないという点は、他の作家も似たようなことを書いていたので、やはり日本は最近は元気がないのかなと思った。少し前の希望があった時代といわれている時期はどんな社会だったのか少し気になった。社...
世の中を批判的に考察していた。好奇心をもつことや、欲望をもってワクワクすることが日本には足りていないという点は、他の作家も似たようなことを書いていたので、やはり日本は最近は元気がないのかなと思った。少し前の希望があった時代といわれている時期はどんな社会だったのか少し気になった。社会的に恵まれている人は、謙虚でないといけないということも、ひがまれたり対立を生まないように意識したいなと思った。
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2020.8.15 読了 刺激的なエッセイだった。 村上龍の凄いところは、一歩間違えれば訳の分からないことを言っているただの門外漢の批評家なのだが、日本国民に対する警鐘を世間に漂う雰囲気から鳴らし続けていること。 もちろんサッカーについて述べた部分なんかは「お前なんも知らんやろ」...
2020.8.15 読了 刺激的なエッセイだった。 村上龍の凄いところは、一歩間違えれば訳の分からないことを言っているただの門外漢の批評家なのだが、日本国民に対する警鐘を世間に漂う雰囲気から鳴らし続けていること。 もちろんサッカーについて述べた部分なんかは「お前なんも知らんやろ」となるが、まぁそれとそれでいい。 文才で勝ち残ってきた人が綴る「失われた20年への警鐘」として、視座を高めてくれる本であった。
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タイトルに集約されているとも思える村上龍のエッセイ集。表現にあてる言葉や角度は多少違えど概ね腑に落ちた。村上龍のスタンスは嫌いではない。村上龍はいい人だ。「どうでもいい」は、よく出てくることわり文句なんだけど親切におかしいと思ったことをおかしいと言ってくれる。村上龍はあまりブレー...
タイトルに集約されているとも思える村上龍のエッセイ集。表現にあてる言葉や角度は多少違えど概ね腑に落ちた。村上龍のスタンスは嫌いではない。村上龍はいい人だ。「どうでもいい」は、よく出てくることわり文句なんだけど親切におかしいと思ったことをおかしいと言ってくれる。村上龍はあまりブレーキをかけない。当然、右翼でもないし、左翼でもない。イデオロギーに縛られた印象が無いので左翼的に見えるかもしれないけれど、思考停止した左翼とは根本的に違うし別な意味で硬直的な右翼とも違う。お節介といえなくもないんだけど、現状を認識する考える人の話として面白かった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
村上龍は嘘をつかない。 きれいごとをいわない。 人に期待をしない。 人を高くも見ない。低くも見ない。 そもそもあまり評価をしない。 ただ現実を見て、それにまとわりつくバイアスを全部捨てて、事実だけを提示して見せてくる。 そんな切れ味鋭い村上龍のエッセイは、衰えるところを知らない。 「欲望が衰退していることは、事実であり、悪いことだったり、嘆かわしいことではない。ただ、事実なのである。」 今の若者はけしからんという言葉は、村上龍にとっては無縁な言葉だ。ただ彼が思うのは一つだけ。 「つまらなそうに、辛そうに、生きているなということ」だけ。 彼にとっての欲望とは、人生を楽しむための原動力である。 例えば、遠足の前日にワクワクして眠れないように。輸入盤の貴重なレコードを探してあちこち練り歩くように。 そんな「楽しい」を放棄し、ひたすら「快適」だけを探しているように見えるのだ。 だからそもそも、彼のエッセイに文句を言うのは間違っている。それは事実であり、皆が見たくないものをスッと見据えている人間の言葉だ。 誰もが真っ暗な日本経済や家庭環境や人間関係にうんざりしている今、少しでも暖かい物語を求めている。 だが、それは真実ではない。 常に生きることは困難なことである。そして、その戦いは、「逃避」ではなく「事実を受け止める」ことから始まる。 生きていこうじゃないか。死ぬことだけは否定されるべきだ。この辛い人生を、生きていこう。そして、死なずに生き残ろう。生きているだけで、評価されるような時代が、戦後以来、遂にまたやって来たのである。
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近日中に、イギリスの主要経済メディアの取材を受ける予定がある。きっとまた、「経済でも対中国など外交でも、日本は息も絶え絶えに見えるがだいじょうぶなのか」と聞かれるだろう。即座に「だいじょうぶだ、心配には及ばない」と答えるつもりだが、根拠を示すのに苦労するかも知れない。「武士道精...
近日中に、イギリスの主要経済メディアの取材を受ける予定がある。きっとまた、「経済でも対中国など外交でも、日本は息も絶え絶えに見えるがだいじょうぶなのか」と聞かれるだろう。即座に「だいじょうぶだ、心配には及ばない」と答えるつもりだが、根拠を示すのに苦労するかも知れない。「武士道精神でがんばる」とか精神論を説くわけにはいかない。そんなつもりはないし、そんなことをしたら海外メディアからは笑われてしまう。具体的な展望を示さなければならないが、現状ではきわめてむずかしい。 「日本は、是帯としてはひっとしたらゆっくりと衰退していくかも知れないが、優れた個人が多数現れているので、文化や科学技術やスポーツなど具体的なぶんやでめざましい成果を上げるだろう。現にあなたの国でも、覇権をアメリカに譲り、政治経済の疲弊が頂点に達したころ、ビートルズが出現したではないか」 そんなことを言うつもりだ。
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現実を隠すためのどうでもよいような抽象的な表現。太平洋戦争では戦争で敗れての撤退を大本営は「転進」と呼んだ。 草食系、勝ち組など 政治家の仕事は外交と資源の再分配。 お前はこれからどうやって生きていくんだ? 好奇心とエネルギーを持つ。 経済的余裕が精神的余裕を生む。...
現実を隠すためのどうでもよいような抽象的な表現。太平洋戦争では戦争で敗れての撤退を大本営は「転進」と呼んだ。 草食系、勝ち組など 政治家の仕事は外交と資源の再分配。 お前はこれからどうやって生きていくんだ? 好奇心とエネルギーを持つ。 経済的余裕が精神的余裕を生む。 しょうがないからそろそろやるか 最大限の力を発揮できれば達成できるポイントに目標は設定する 曖昧な表現を辞める 自らの欲望を肯定し、それが現実になることでワクワクする。遠足の前夜のような興奮が失われている。そのためにも欲望を持つべきだが、駅前で拡声器を使って不特定多数の人に、私は皆さんを幸せにします。などと票欲しさに大声で叫ぶという行為に個人としての欲望を感じることはできない。
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サイゼリアああああ。本心から絶賛してるうう。普段どんだけなイタリヤン食ってんだ?・・・という具合に多分に自己愛認知バイアスに塗れているのが愛すべき特徴なのだな。SMしかりサルサしかりサッカーしかり。中田のサッカーはすべて肯定、という具合にサイゼリアのパスタ(生ハムはいいけど、これ...
サイゼリアああああ。本心から絶賛してるうう。普段どんだけなイタリヤン食ってんだ?・・・という具合に多分に自己愛認知バイアスに塗れているのが愛すべき特徴なのだな。SMしかりサルサしかりサッカーしかり。中田のサッカーはすべて肯定、という具合にサイゼリアのパスタ(生ハムはいいけど、これはさすがに・・)でさえも高級な味として喧伝してしまう脆さと可愛さが、しかし魅力的ともいえる。同じように若い世代に対して同じように社会や政治経済を語っているとすれば少々問題はあるようにも見えるが、なに、この先生はそこまで影響力あるカリスマではない。なりきれない原因は、この自己愛によるバイアスが露見してしまうわかりやすい胡散臭さにあるわけなので、バランス取れた構造だ。そこまで自己相対化して狙っているとすればやはりすごい。先生ならそれもやりかねないところが、また面白いところだ。
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音楽について "国民的な悲しみが消えたときにメロディも消えたのだ。イタリアのカンツォーネも、フランスのシャンソンも、ポルトガルのファドも、アルゼンチンやドイツのタンゴも、ブラジルのボサノバも、懐かしのメロディと化した。メロディが消滅した後に、ビートと言葉だけの音楽が生ま...
音楽について "国民的な悲しみが消えたときにメロディも消えたのだ。イタリアのカンツォーネも、フランスのシャンソンも、ポルトガルのファドも、アルゼンチンやドイツのタンゴも、ブラジルのボサノバも、懐かしのメロディと化した。メロディが消滅した後に、ビートと言葉だけの音楽が生まれるのは当然のことだった。" 聞く音楽がなくてクラシックばかり聞いていた龍さんが出会ったのが、キューバ音楽だったそうな。 へー!!
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社会、経済状況から今の日本の世代論を語る。日本をゆっくりと衰退していくしかないと断じながら、そこで生きる為の希望を模索する。
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数年前に書かれた村上龍のエッセイ。社会や若者を中心に独自の目線で痛快に切っていく。納得させられる点が多々あるのだが、(おそらく)意図的に乱暴な表現が(おそらく意図的に)鼻につく。嫌いではない。 あと、サッカーの話は聞くに値しない批評。いらない。
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