砂の王国(下) の商品レビュー
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なぜ人は宗教に依存するのか。マルチやネズミ講と一緒にしてはいけないのかもしれないけど、どこかに共通するものを感じてしまう。 結局、主人公はお話の最後のほうにはひどい目に会ってしまうけど、少し希望も残っててうまい終わらせ方だと思った。
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大変おもしろかった。ただし星5つは多すぎたと反省。 一人称視点と三人称視点が混ざる点や、教団が急に大きくなるのがちょっと不自然だなあ、とおもわれることや、教主がそこまで魅力的か、という疑問を感じることなど、結末できちんと伏線が回収されていたのが見事。
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上巻は面白くて一気読み。下巻に入ると世界観が広くなりすぎてなんかちょっと興ざめした部分もあり。最後が読めちゃう感もありで★3つに。なんかもうちょっとって感じだったんだよね。でも印象に残る作品です!
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自分が作りあげたと思っていたものが一人歩きしていき、どんどん自分の手にはおえなくなっていく感じがよく描かれていた。後半は手に汗握るサスペンスで、読んでいて恐かった。
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序盤ポエムすぎて笑い、あとからすこし寒気が襲う。 後半、急上昇が止んで歯車が狂い始めてからはどう終わるかが気になって気が気じゃなかった。過去のカウンセリングの記憶が描写されてからは、最悪の展開を予想して止まなかったが、果たして最悪の展開とは何なのか。 幸せって何なんだろうかと考えさせられる。再びホームレスとなり追われる身に転落した山崎は、そうなってみれば会運営時よりも確かに幸福なのかもしれない。 また、宗教ってこういう風に肥大して、こういう風に人って耳障りの良い言葉に騙されていくんだなと思ったらぞっとした。 会を脱会したはずの卓人がまた教団を結成したのには、それしか縋るものがない状況に鳥肌が立つ。 ------------------------- あらすじ 大地の会はさらに信者を獲得し、新たな建物へ移動しさらに拡大していく。芸能人、スポーツ選手。会員を新たな有権者層として狙う政治家までも現れ、一人で必死になる木島(本名・山崎)と、龍斎・仲村の間に亀裂が生まれる。ついに仲村の過去が明かされ、アスペルガー障害であることや女の愛人であったことが判明する。 ここまで来ると展開は早く、龍斎・仲村によって会を追われる身となってしまう。会からは出馬者すらもが出る。 しかし、許しがたい教義違反者として追われる山崎は会運営中よりも体調はよく、睡眠もとれていた。 ネット上では大地の会初期に脱会となった卓人やKAZZが会への復讐へ動き出し、新たな教団を作り上げようとしていたが、山崎にとって強く関心をそそられることでもなかった。
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一気に読みました。 上下巻ですが、ページを捲る手が止まらず。 壊すために創られた、壊れやすいはずの砂の塔を造っていくお話。 荻原さんやっぱりすきです。面白かった!
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信者(会員)はどんどん増え、いろいろな人間が係わるようになり、山崎の手に余るようになってくる 教祖にした中村が茫洋としているのはアスペルガー症候群のためであるという過去も語られる そしてついに龍斎が山崎を追い出し「大地の会」を乗っ取ってしまう 再びホームレスになった山崎の再起はあるのか ちょっと荻原浩らしい終わり方ではなかったけれど、文庫本になるときにもうちょっと書き足してくれるかな
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これだけの長編を最後までぐいぐい読ませる筆力はさすが。人間の本当の「幸せ」って何なんだろう、としみじみ考えてしまった。主人公の木島こと山崎は、他人が羨むような状況では本人がちっとも幸せではなく、他人が思わず目をそむけるような悲惨な状況の方がかえって幸せなような人物。まぁ人それぞれ...
これだけの長編を最後までぐいぐい読ませる筆力はさすが。人間の本当の「幸せ」って何なんだろう、としみじみ考えてしまった。主人公の木島こと山崎は、他人が羨むような状況では本人がちっとも幸せではなく、他人が思わず目をそむけるような悲惨な状況の方がかえって幸せなような人物。まぁ人それぞれってのはそうなんだろうけど、こらぁあまりに不幸すぎ;架空の設定ながら、思わず同情してしまった;; 読み終わった直後は、木島こと山崎と元妻の関係への書き込み具合が足りないような気がして少々不服だったのだけど、他人に一切心を許さずすべてを抱え込むという山崎の人物設定からあえてそうしたのかな、という気もしてきた。 長さなりの満腹感のある一篇でした。
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昨日と今日で一気読み。 追い詰められた路上生活者が新興宗教の立ち上げていく。そしてそれは正に彼にとっては砂の王国だった・・・。 ネタ自体は確か篠田節子さんの小説に似たものがあった。「あれ、読んだことのない本なのに、似た感じのがあったよなぁ」と思いながら読み進めた。 ただ、こちらの方が、主人公がまじめ。母親が新興宗教にはまって家庭が・・・という経歴があるだけに「だましている」という罪悪感と、「また路上に戻るのは嫌だ」という気持ちにさいなさまれて、登っていく途中もおだやかではない。もともと完璧主義なところがあるようだし。 作り上げた新興宗教が、作った本人の手を離れて暴走していく、というのは同じ。 長編ではあるけれど話の流れがおもしろいので、サクサク読めます。でも、やっぱりちょっと二番煎じかな。 ドラマにしたらおもしろいかも。
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ホームレスから新興宗教を立ち上げて、人生うまく行き始めたと思いきや、裏切りに合い命までねらわれる羽目に。ホームレスに逆戻り。見た目は元に戻ったが、精神的に強くなった木島改め山崎がいた。山崎はこれからどこへ行く?
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