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砂の王国(下)
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砂の王国(下)
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商品レビュー
3.5
110件のお客様レビュー
大ボリュームのエンタメ大作。ざっと書くと元証券マンがホームレスにまで地に落ち(ここからスタート)そこから這い上がり新興宗教団体を立ち上げ、崩れていく様を描く物語。言うなればホームレス期が1部、宗教黎明期が2部、衰退期が3部といったところか。とにかくホームレス時代の語りが面白い。地...
大ボリュームのエンタメ大作。ざっと書くと元証券マンがホームレスにまで地に落ち(ここからスタート)そこから這い上がり新興宗教団体を立ち上げ、崩れていく様を描く物語。言うなればホームレス期が1部、宗教黎明期が2部、衰退期が3部といったところか。とにかくホームレス時代の語りが面白い。地に落ちた主人公の絶妙ならざる語りが流石の荻原浩さんと思える。中盤で出て来る競馬の場面は圧巻。ある意味でこの小説の最大の盛り上がり場所かと思われる。 下巻では勢いを増してきた宗教「大地の会」とは裏腹に主人公である山崎(木島)の心労と体調がどんどん悪くなっていく様子が描かれる。それに加えて彼の過去が小出しに少しずつ出て来るようになり、何故宗教なのかが分かり始める。この物語のとんでもない所は過去の掘り返すことが極端に少ない点。これだけのページ数で主役3人の過去身辺が殆ど描かれないのは異例といってもいいくらい。ラストの不気味さも含めすべてがあいまいで虚構に満ちた作品に仕上げたい荻原さんの考えがあったのかもしれない。人間の「業」をまざまざと見せつけられた怪作。
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率直な感想としては、怖い、が適当かと。 暴走していく組織をどこか冷めた目で見つめる様は不気味でもある。 最後まで読ませる力はさすがだと思うが。
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三人で作り上げた宗教、大地の会は急膨張していき、ついには、手に負えないものへと変貌していく。全てを手に入れ、そしてまた全てを失っていく。ただし、悲壮感はなく、金があるときよりも生き生きとして、たくましく歩き始める。
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