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木暮荘物語 の商品レビュー

3.7

436件のお客様レビュー

  1. 5つ

    70

  2. 4つ

    159

  3. 3つ

    144

  4. 2つ

    13

  5. 1つ

    2

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2021/10/12

築数十年の木暮荘にはこの古い佇まいを好む人々が住んでいる。住んでいる人にスポットをあて短編集になっている。それぞれが色んな思いで暮らしている。実際、ありそうでなさそうで面白い。

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2021/09/18

「もしかしたら、こういう日々、こういうやりとりこそが、死を目前にした後藤が望んでいたものの本質なのかもしれない。なにごともなく、けれど家族でも友人でも同僚でも恋人でもないひとと、しゃべって笑って関係を築いていく日常。」(78ページ) 古ぼけた小さなアパートの、さまざまな背景を持...

「もしかしたら、こういう日々、こういうやりとりこそが、死を目前にした後藤が望んでいたものの本質なのかもしれない。なにごともなく、けれど家族でも友人でも同僚でも恋人でもないひとと、しゃべって笑って関係を築いていく日常。」(78ページ) 古ぼけた小さなアパートの、さまざまな背景を持つ住民達。 誰しも人は、誰かと繋がり、求め、求められることを望んでいる。 そんな小さな繋がりが生まれるアパートの物語り。

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2021/09/01

小暮荘に縁のある人々の話。小暮荘の住民や大家、住民の職場の夫婦や元恋人など。 三浦しをんさんの作品は会話に人間味があっておもしろい。あと復讐の様子が恐い。

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2020/12/11

一度読んだことがあることを忘れて、図書館から借りてきて再読。 まぁでも好きな本は何回読んでもいいよね。 人の心の繊細な部分や、人には言えない気持ちとか、たぶん誰もが抱えているであろう葛藤やモヤモヤとか、そんな色んなものを優しく包み込むようなお話でした。

Posted byブクログ

2020/10/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ボロアパート木暮荘の住民とその周辺の人たち。 木暮荘の住民の繭の元に3年ぶりにあわられた元彼の並木と 今彼との3人で過ごした時間。 大家さんの木暮爺さんのセックスをしたいという願望と デリヘル嬢と奥さんの禁断の対面を 女子大生に助けられた騒動。 駅のホームにできた奇妙な突起が縁で知り合った トリマーとその筋の人が飼い犬をトリミングしてもらいつつ 徐々に確信した共通点。 カフェを経営する無口な夫が 夜な夜などこかに出かけていることに目を瞑っていたけれど ついに決心して浮気現場に踏み込んだ花屋さん。 仕事に不満を持つサラリーマン青年が 女子大生の部屋を覗くことで人生に充実感を得て 覗かれていることを知りながら、彼に助けを求めてみた 女子大生との意外な交流。 生理なない女子大生がひょんなことから 世話をすることになった赤ちゃんに抱いた感情。 繭に振られた並木の未練と、 嘘の味に敏感な不思議な雰囲気の女性とのわずかな同居生活。 長くなった。 面白かった〜。 みんな人間臭くて、どこか抜けてて憎めない。 生まれつき子供が産めない女子大生が いい加減な友人から預かった赤ちゃんを 大切に育てて自分の子にできたらと願う 張り裂けるような祈りが、なんだか切なかった。 もっと読みたい〜。

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2019/11/22

「心身」が面白すぎてもうその時点で星5だった。他の短編もどれもおもしろくニヤニヤほっこりしながら読んだ。自分は不器用なエロい話大好き人間なんだなと実感した。

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2019/09/23

人により評判が大分違う作品に感じる。読んでみて納得。 人の心の描写が丁寧で、引き込まれるのはいつもの感じだが、性描写が割と爽やかなまでにあけすけな展開に、好みが分かれたのだろう。 個人的には、登場人物の一人一人を丁寧に描き、伏線を回収する物語が好きなので、とても楽しく読めた。ど...

人により評判が大分違う作品に感じる。読んでみて納得。 人の心の描写が丁寧で、引き込まれるのはいつもの感じだが、性描写が割と爽やかなまでにあけすけな展開に、好みが分かれたのだろう。 個人的には、登場人物の一人一人を丁寧に描き、伏線を回収する物語が好きなので、とても楽しく読めた。どんな人にも事情があり、弱いところもあり、強いところもある。いろいろな角度から描かれる人間模様が、なんというか、心に染みた。

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2019/08/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

木暮荘の住人や、それに関わりのある人たちの短編集。 性がテーマのお話で、女子大生から会社員、老人、熟年夫婦など、色々な世代・年齢の人たちが抱えている性の悩みが描かれる。 女子大生の光子が、赤ちゃんが産めない体なのに、ひょんなことから1週間、友人の赤ちゃんを預かることになってしまい…という話、胸が痛くなった。。

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2019/05/21

 熱いコーヒーを飲み、ラジオから流れる甲子園《こうしえん》の試合の様子に耳を傾けた。西のほうでは雨は降っていないらしい。佐伯さんは、愛媛《えひめ》代表は故郷の宇和島《うわじま》の高校だと言って、試合経過に一喜一憂した。 (P37)  並木が現れてちょうど一週間目の日曜日に、三人で...

 熱いコーヒーを飲み、ラジオから流れる甲子園《こうしえん》の試合の様子に耳を傾けた。西のほうでは雨は降っていないらしい。佐伯さんは、愛媛《えひめ》代表は故郷の宇和島《うわじま》の高校だと言って、試合経過に一喜一憂した。 (P37)  並木が現れてちょうど一週間目の日曜日に、三人で神宮《じんぐう》球場へナイターを見に行った。金もないのにどうやって手に入れたのか、土曜の晩に並木が人数ぶんのチケットをローテーブルに並べ、繭と晃生を誘ったのだ。  ヤクルト対中日戦だった。三塁側の外野席はそこそこの入りで、頻繁《ひんぱん》にまわってくるタンクを背負った売り子を呼び止めては、三人で思うぞんぶんビールを飲んだ。  晃生は中日がヒットを放つたびに立ちあがった。選手の名も妙によく知っていた。 (P37)

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2019/04/27

日本人って、性のことになるとちょっと身構えてしまい、食や仕事や遊びなどと同じ視線で語れない国民性があるような気がします。 だけど、この物語は、人々が普通に食事をとるように、仕事をするように、遊ぶように、性のことも交えた日常生活を切り取っている。ヘンにエロでなく、そうかといって特別...

日本人って、性のことになるとちょっと身構えてしまい、食や仕事や遊びなどと同じ視線で語れない国民性があるような気がします。 だけど、この物語は、人々が普通に食事をとるように、仕事をするように、遊ぶように、性のことも交えた日常生活を切り取っている。ヘンにエロでなく、そうかといって特別扱いするのでもない。そのバランスが気持ちいいです。

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