木暮荘物語 の商品レビュー

三浦しをん【著】

2025/02/25

　本書を読み始めたときは、あくまで木暮荘で繰り広げられる人間ドラマを主とした物語かと思っていたが、実際にはそれももちろんあるものの、木暮荘から離れた広いところにも話が及んでいき、しかしながら全体の軸として性愛や、名前も無いような愛を取り巻く人々の感情の機微がまっすぐ存在している。これらは、すっと浸透してくるような、そんな易しい表現ではなく、読者の経験にも依存するような複雑な揺れ動きとして描かれている。

　では木暮荘の役割はというと、もちろんいくつかの話にとっては不可欠な舞台装置でもあるが、ある人にとっては帰りを待つ場所で、またある人にとっては心を照らしてきたシンボルで、姿を変えずにそこに存在してくれていることが人々の心の寄り添いになる、そんなアパートなのだろう。

　何かに打ちひしがれたとき、ふと思い立って足を運んだ先に、思い出の詰まった場所が昔と変わらず穏やかに佇んでいることがどれだけ嬉しいことだろう、と改めて気づかせてくれる作品だった。

　以上、ほんっとうに拙い言葉ではあるものの、本書を読んだ上での感想となります。自分がもっと酸いも甘いも知ったときに、もう一度読み返したい作品だと思いました。

2024/11/22

小暮荘の6室アパート住人は4人、日常的にある部屋の様子でも何かあったかい､最後の並木さん。海外に行くことが決まって居たが、恩師の桑田の事が気になることと、ニジコの事も気になりどうするのだろう　金があっても少しでいいから働いたらと思うけど世の中とつながるため　親の金を使うのが趣味らしいから仕方がない。

2024/08/03

悪い人は出てこないし、いい話なんだが、
シモよりなのが…。
生命の根源に関わる重厚で深遠なテーマを軽やかにコミカルに描写、とも言えなくもないかもしれないが、
なにぶんにもシモよりなのが…。

2024/07/26

小暮荘に暮らす人とその周囲の人たちの話。
全編性に関する話題が絡んでいて、外で読んでいたので微妙に気まずい気持ちになりながら読み終えました。

変な人たちの生活が淡々と描かれていて面白かったです。
「嘘の味」が1番好みでした。
繭と並木が好きなのかも。

2024/05/16

小暮荘に関わるひとたちの話。
＞うまい、深い、面白い。三拍子揃った会心作。
この本書の紹介文がまずテキトーだし、そんなうまいことも深いことも書いてあったかな。
ビッグコミックとかヤング系漫画みたい。嫌いじゃないけど好みの話でもなかったので何も考えずに読むことにしました。

佐伯の夫が本当に浮気していたのは「マジか」と引きました。

2024/01/20

すごい変な人達が住んでるんだけど。
（普通の人もいる）
こういう変な人しか世の中にはいないのかもしれない。
でも、悪い人はいなくて、みんな優しい。
ほっこりした。

2023/11/27

なかなかクセの強い楽しい作品。安普請極まりない全６室のぼろアパート・木暮荘。住人は４人。そして近所に住む人々とのぬくもり繋がり。それぞれの視点でどんどん展開していくので、いろんな側面が垣間見れて面白かった。

2023/07/24

大家の木暮さん、おじいちゃんになってもセックスしたくなったりするんだなぁ、わいまだ四十代やけど全くそんな欲望なくなってしまったなぁ。

そして木暮装の住人は癖が強すぎるから住みたくはないですなぁ。遠巻きに見てる位が丁度良さそう。

2023/07/12

ぼろアパートの住人周辺を主人公にした短編集。軽く読みやすいし、面白くないわけではないけど、もっと読みたい深みは私にはなかった。

2023/02/13

おんぼろアパート木暮荘に住む人々の人間ドラマ
読んでいくうちにじわじわとくる作品でした。
重すぎず軽すぎず…話に共通するのは性事情。
セックスに関するあれこれも三浦しをんが書くと
不思議といやらしさがない。

しをんさん短編も上手いなぁ_φ(･_･