チーズと塩と豆と の商品レビュー
わたしはそのとき頭ではなく体で知った。解決を待つあいだに、不正を暴くあいだに、平和を訴えているあいだに、正義をふりかざしているあいだに、空腹で人は死ぬのだ。一年後、五年後、すべての未来は、今日という日を乗り越えなければ永遠にやってこないのだ。
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どれも思っていたよりザラッと舌に残る。後味濃いめ。 雰囲気が似ているからか、一気に読むと各編の登場人物が混ざって少し混乱した。
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4人の作家による短篇集、舞台は海外。 ミネストローネの回は心にきてしまって切なかった。いつか自分にもこんな日が来るんだと思ってしまった。そんな日が来ることを知ってしまった。こわい。
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ヨーロッパの田舎の情景と、食べ物にまつわる短編集である。 そこそこの土地での人間模様、食に対する出来事、思いなどが感じられたものであった。 自分で誰かに食事を作り、おいしいといってもらえることは、お互いにとっていい気分になると感じ、また作りたいなという気持ちにもさせてくれると思う...
ヨーロッパの田舎の情景と、食べ物にまつわる短編集である。 そこそこの土地での人間模様、食に対する出来事、思いなどが感じられたものであった。 自分で誰かに食事を作り、おいしいといってもらえることは、お互いにとっていい気分になると感じ、また作りたいなという気持ちにもさせてくれると思う。 ひとというのは、最初にあった出来事は覚えているが、時間がたち、忙殺されていく日々の中で二回目以降のことは印象に残らないのだなと感じてしまう。
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ザラザラする、乾いたようなヨーロッパを読んでいる間感じた。男女の視点、家族、たべもの。温度感のないような、でもざらざらした…そんな感想。
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この手の企画もののアンソロジーってあんまり好きじゃなくて手に取っていなかったけれど、私の好きな作家ぞろいな事だし気が変わって読んでみた。 そうそう、思い出した! これってNHKの紀行番組の企画だったんですよね。 当時(って今もだけど)BSの見れない我が家だったから、番組を見れなく...
この手の企画もののアンソロジーってあんまり好きじゃなくて手に取っていなかったけれど、私の好きな作家ぞろいな事だし気が変わって読んでみた。 そうそう、思い出した! これってNHKの紀行番組の企画だったんですよね。 当時(って今もだけど)BSの見れない我が家だったから、番組を見れなくて悔しい思いをしたんだった。 筆を取るのは今をときめく四人の直木賞受賞作家。 角田光代、井上荒野、森絵都、そして江國香織。 さすがにみなさん力があります。 ヨーロッパの田舎が舞台になって登場人物も日本人ではなくヨーロッパの人々という縛りがあるから設定も雰囲気も似たりよったりだけれど、それぞれの作品に作家の個性が出てますね。 読み比べるとホント面白い。 私が一番好きだったのは井上荒野さんの「理由」。 圧倒的に他の作品より良かったと思う。 彼女独特のえぐ味がイタリア人気質やイタリアの風土に妙に馴染んで。 森絵都さんはよく分からないけれど、角田さんや江國さんの小説の中にも食べ物はふんだんに登場している。 でも井上さんの書く食べ物が断トツで美味しそうだなと日頃から思っていた。 今回も登場するミネストローネがなんとも美味しそうで。 こっちまで匂ってきそう(笑) 角田さんと森さんの作品は内容も似ているけれど、作品自体も日本人作家が書きましたーって感じかな。 ヨーロッパが舞台なのが無理があるというか。 森さん、久々に読んだけれどなんだか爽やかだな。 四人の中では一番アクがない。 他の作品も読んでみようかな。 江國さんの話、これ読んだことあるー!ご自身の短編集に入ってるのね。 楽しみにしてたのに・・・。いや、良いんですけどね。 あ、江國さんは日本が舞台だろうと外国が舞台だろうと気になりませんね。 どこが舞台でもふわふわと非日常的なのは変わりないから(笑) 読み終わってみて・・・。 やっぱり番組が見たかった! 自分の好きな作家が実際に異国を旅して美味しいものを食べてそれをドラマにして。 うーん、悔しい。
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スペイン語ができたらなぁと思う。 (フランス語は、ダヴィンチコードにはまった時に少しだけそう思ったけど。) スペイン語の世界って、こんな感じなのかなぁ。 実体験でのほんの少しのスペイン語の世界は、ただただ明るいそれを感じただけだったので、この本の中にあるそれぞれのストーリーから感...
スペイン語ができたらなぁと思う。 (フランス語は、ダヴィンチコードにはまった時に少しだけそう思ったけど。) スペイン語の世界って、こんな感じなのかなぁ。 実体験でのほんの少しのスペイン語の世界は、ただただ明るいそれを感じただけだったので、この本の中にあるそれぞれのストーリーから感じる様子はなかった。 でも。 こういうストーリーが背景にあるときのスペイン語の世界観はこんな感じなのかな? などとばかり考えてしまいながら読んだ。 時々出てくる料理はおいしそうだなぁと思ったけれど。 次はがっつり系の小説がよみたいとそろそろ思い始めてしまいました。
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四人の直木賞作家の書き下ろしアンソロジー。という事で、角田光代さん井上荒野さん森絵都さん江國香織さんの短編集。 この四人の中では、今までに江國香織さんの小説しか読んだ事がありませんでしたので、その他の方々はお初になります。たまたま図書館で目に止まり借りてきましたが、思いの外良か...
四人の直木賞作家の書き下ろしアンソロジー。という事で、角田光代さん井上荒野さん森絵都さん江國香織さんの短編集。 この四人の中では、今までに江國香織さんの小説しか読んだ事がありませんでしたので、その他の方々はお初になります。たまたま図書館で目に止まり借りてきましたが、思いの外良かったです。 ヨーロッパの田舎を舞台にした食と愛にまつわるお話。 とにかく出てくる食事がとても美味しそうなんです。豆のスープやミネストローネ、ガレットなど。なんていうか、アルプスの少女ハイジに出てくるパンにチーズが乗っかっているだけなのにそれがとても魅力的に見えるみたいな感じで。 4人の作家さんたちがそれぞれ現地に滞在して書き上げたそうで、なるほど〜と納得しました。この4作品は似てるというか、同じ様な空気があったので。 井上荒野さんのはちょっと重かったけど、どの作品も素敵でした。
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ヨーロッパを舞台にした「食」にまつわる4人の女流作家さんの小説集。なんとなく手に取った本だったけど、美味しい物をいとしい人と食べたくなりました。
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角田光代『スペイン・神様の庭』豆のスープと家族のクラブ★★★★井上荒野『イタリア・理由』ミネストローネと老いた夫★★森絵都『フランス・ブレノワール』クレープと古里★★江國香織『ポルトガル・アレンテンージョ』ゆで卵と奔放なマヌエル★★★
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