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谷崎潤一郎マゾヒズム小説集 の商品レビュー

3.5

79件のお客様レビュー

  1. 5つ

    8

  2. 4つ

    22

  3. 3つ

    28

  4. 2つ

    6

  5. 1つ

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2013/01/07
  • ネタバレ

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昔、課題で「少年」を読んで、あまり肌に合わないと思ったにも関わらず、読んでしまった。 何となく流していても、気付いたら絵が浮かんでしまっているあたり、恐ろしい。 好みかは別として、触れておいてよかったと思う。

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2015/12/26

虐められるとか、普通ならいわゆる「モエ」ないであろう様子をすごく称賛してたりとか。谷崎潤一郎の性癖がよくわかりません。

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2012/08/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

私、やっぱり谷崎氏が好き。タイトル見て、全然惹かれなかったのに(表紙には惹かれて買ったけど)、むしろ何回見ても笑えるすごいタイトルやなあ・・・と思ってしまうけど、やっぱりどれも谷崎潤一郎の文章だ。レトロチックで、艶めかしい。 少年・・・子供の視点ってこんなんだったな、と懐かしく思う一方で、なんでこの子たちはこんな痛々しい遊びに嵌っちゃってるんだろう、とストーリーにちょっと不満。 幇間・・・川と花見船の組み合わせが好き。昼の宴会とか。 麒麟・・・中国、歴史、王、麒麟、私がとても好きな言葉、シチュエーション。最後まで退屈しなかった。 魔術師・・・「麒麟」よりもっと好きな世界観。夜のお祭りってわくわくする。暗い照明と雑然とした場所で開放的になる人々。しかも美しい魔術師がありえない魔法を披露するなんて。結末も滑稽で、ちょっと恐ろしいけど好き。 一房の髪・・・ディックの足が気になりつつ、哀れな男三人がどうなるのかと思ったら、災害と事件になってしまった。 地震も女も悪女に引っかかる 男も怖い。 日本におけるクリップン事件・・・本当にあった事だと勘違いしてたけど、フィクションか。最初は、なんか納得いかないけど犬で完結したのか~と思っていたら、夜中になんという寒気のする結末を読んでしまったんだろう。人形は無理。想像すると怖すぎて寝れない。私は夫の心境が未だに理解できない。(20120816)

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2012/08/11

巨匠と呼ばれるレジェンド作家のマゾヒズムに絞った短編集。 谷崎潤一郎ってそういう人だったんだ!そんな衝撃と共に、読み進めていった。一つ一つがライトなものからややヘビーなものまで。 シチュエーションは違えど、モダンな雰囲気は全作品に漂っています。 巻末には解説があり、短編の関連...

巨匠と呼ばれるレジェンド作家のマゾヒズムに絞った短編集。 谷崎潤一郎ってそういう人だったんだ!そんな衝撃と共に、読み進めていった。一つ一つがライトなものからややヘビーなものまで。 シチュエーションは違えど、モダンな雰囲気は全作品に漂っています。 巻末には解説があり、短編の関連や裏付け、谷崎潤一郎自身のことにまで触れており、全く知らない人でも理解できるつくり。企画として面白い。

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2012/08/06

全ての作品が、本当のことのように感じました。 フィクションであるとは、感じません。 その原因は、行動・心理の、近さ、と言いますか、そこで起こること起こること、考えること考えることに違和感を感じないのです。 あの『一と房の髪』での露西亜人に対する描写のなんと麗らかなことでしょう。私...

全ての作品が、本当のことのように感じました。 フィクションであるとは、感じません。 その原因は、行動・心理の、近さ、と言いますか、そこで起こること起こること、考えること考えることに違和感を感じないのです。 あの『一と房の髪』での露西亜人に対する描写のなんと麗らかなことでしょう。私にはその露西亜人の体の全てが、手に取るようにわかります。 三人の男の心理も同様に、私には理解ができます。 それと、『一の房の髪』の◯◯の部分はなんですか!超気になります。読めないんですかね。 『魔術師』について、ちょっと思うところを書いておこうと思います。 あの魔術師は、手品師であると同時に催眠術師である。つまり、手品師+催眠術師=魔術師になりうるのです。 どういうことかと申しますと、ご存知の通り、催眠術師は、人を自由に操り、猿だの、象だの、何か動物などに変えて、その人を操ることができてしまいます。 しかし、それを外から見ている人間は、催眠術にかかっていませんから、当然、その人が、滑稽な真似事をさせられているように感じます。 ここで、観衆全てに催眠術をかけられたらどうでしょうか。 催眠術を、「メインに」かけられる人、と「サブで」かけられる観衆。この構図では、術師以外のすべての人間が、催眠術にかかってしまいます。 メインにかけられる人は、「◯◯になりなさい」と、暗示をかけられ、サブにかけられる(実際の催眠の深度としては、とても深く、催眠深度としては、メインをも超越しなければならないと思います。ここで言う、「サブ」とは役割のことです)観衆は、「あの暗示をかけられている人間は、◯◯だ」という暗示をかけられるのです。 ここまでの深い催眠を、あの情景のような、大きな場所で、大人数に対して一斉にかけるというのは、いささか不可能のように感ぜられるでしょう。 しかしながら、それを、可能にするための、まさしく「ギミック」が、「手品」なのです。 手品では、催眠状態なしで、不思議な事が、現実に起こります。 それを信じてしまう観衆は、もはや催眠導入にはもってこいの状態になるのです。 更に、言えば、術師の美貌や、劇場の場所(木々が怪物に見えるなど、すでに軽い催眠状態であります)も重要で、それを、術師は完全に計算し尽くしていたと思えます。 谷崎はどういうつもりで、これを書いたのでしょう。とても催眠・催眠状態のことを知らない人間が書いたとは思えないのですが……。

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2012/07/22

マゾヒストに執って―或いはサディストに於いても―、相手は道具でしか無く、自分の内で描いたシナリオに愉悦、美を求めている。それが叶わないのなら、その相手は不要となる。 "マゾヒストは精神的の要素を含まない"と云う谷崎の価値観には、大いに賛同せざるを得ない。それを...

マゾヒストに執って―或いはサディストに於いても―、相手は道具でしか無く、自分の内で描いたシナリオに愉悦、美を求めている。それが叶わないのなら、その相手は不要となる。 "マゾヒストは精神的の要素を含まない"と云う谷崎の価値観には、大いに賛同せざるを得ない。それを履き違える者が、此の世に多過ぎる事も。 マゾヒズムもサディズムも、表裏一体であり、何れも各々の価値観を識らなければ、其処に官能的美学は産まれない。それがSMと称されるものの本質であると、以前から私も感じていた。 此の一冊は短編集で構成されているが、中でも「魔術師」と「少年」は私の中では途轍も無く官能美を備えている様に思う。「一と房の髪」は、「痴人の愛」の簡易ver.の様で、それならば「痴人の愛」を読み耽る方が幾らか愉しめる様に思う。 虐待等の過去から生じるマゾヒズム(或いはサディズム)の性質は、無感動にその行為に悦びを感じ、そして僅かな切欠と共に反転する事もある。 それがSとMが或る種同義である事を物語っている。 谷崎の作品は、登場人物の中で格別に美しいものより、それを"利用"した者の動きが綿密に描かれている。其処が、他作品よりも秀逸な点だろう。 一見、利用されているかの様に思わせる男女関係だが、マゾヒスト達はその"美"を「(谷崎の言葉通り)利己主義」な主人公の脚本の為に利用しているに過ぎない。 それを如何に捉え、エロティシズムを感じ取る事が出来るかが、読者の感性に懸かっている。

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2012/05/12

2012.5.12.sat 【経路】 紀伊国屋のオススメの棚からジャケット買い。谷崎潤一郎の耽美小説は一度読んでみたかったので。 【感想】 SとかMなんて「ごっこあそび」だから楽しいのであって精神的な支配じゃないよねーって考えてたので、耽美の大御所の谷崎潤一郎も同じこと考えて...

2012.5.12.sat 【経路】 紀伊国屋のオススメの棚からジャケット買い。谷崎潤一郎の耽美小説は一度読んでみたかったので。 【感想】 SとかMなんて「ごっこあそび」だから楽しいのであって精神的な支配じゃないよねーって考えてたので、耽美の大御所の谷崎潤一郎も同じこと考えてたんだ!と変に感動した(笑) みうらじゅんさんの鑑賞に共感。 SMのSは「サービス」のSで、Mは「身勝手」のM。逆に思われがちだけど、MがSを教育するんだな、と。(笑) 「愛が深まれば深まるほど、常識から激しく逸脱していくわけだから、つまり究極の愛というのは究極と変態なのだ、と僕は思う。おそらく、こういう本当の愛を知っている人は十万人に一人もいないだろう。本当の愛は変態でないと味わえないものだから」 ごもっとも。 【内容メモ】 ■少年 無邪気でその異常性に無自覚なままに、次第にエスカレートさせてゆく子供たちの遊びの空間。未知の世界に引き込まれる快感。マゾの萌芽。 ■幇間(ほうかん) 男芸者の、詰られることの快感。 「女にバカにされたいという欲望」をもった男のプロフェッショナルな笑い。 ■麒麟 聖人孔子の「徳」をもってしても南子夫人の肉体的な魅力には敵わない。 ■魔術師 大人の御伽噺。 妖しい魅力の虜となって開ける新しい快感。 ■一と房の髪 同族の近しさと魅力のある大胆な女に振り回される男三人。 震災で火事となったときに女の本性があらわれて、愛ゆさと憎しみに男がとった行動は‥ ■日本におけるクリップソン事件 マゾヒストは支配されてみえるのを悦ぶのであって、ほんとうに精神を支配されたままでは関係に行き詰まってしまうという極端な衝動の事件。 •女優と気弱な夫の話。 •愛故に折檻する女性を犬が悪魔と捉えて攻撃した話。 •手作りの慰めに使われた人形が捨てられていた話。

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2012/04/22

《購入済》以前から谷崎潤一郎の描く耽美で背徳的な世界観に惹かれていたのも勿論だが、踏み込んだきっかけはやはりジャケ買い。入門書としては調度いい短編集だった。『魔術師』と『日本に於けるクリップン事件』は繰返し読みたくなる。恍惚としたのは『一と房の髪』。

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2012/02/29

初の谷崎作品。 中村佑介イラストの表紙に釣られて買ってしまったのだけど、 いつかは読みたかったからよしとしましょう。 収録されている「少年」「魔術師」と加虐されることに目醒めて いく過程が描かれているけれど、読んでる間、俺はやっぱりMでは なくてSなんだなと再確認してしまった。...

初の谷崎作品。 中村佑介イラストの表紙に釣られて買ってしまったのだけど、 いつかは読みたかったからよしとしましょう。 収録されている「少年」「魔術師」と加虐されることに目醒めて いく過程が描かれているけれど、読んでる間、俺はやっぱりMでは なくてSなんだなと再確認してしまった。 むしろ「幇間」のラストに至る部分の精神的なマゾヒズム的の 方が共感できるというか、悲哀を感じずにはいられなかった。 これを機に他の谷崎作品も読んでみるとしよう。 そして巻末のみうらじゅんの文章は笑えた。

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2012/01/26

別にマゾヒストというわけでも無いのだが、いや、これは仕方ないよねと即決して、レジへ。そのまま一気に読む。 もうね、ひたすらに官能的。めくるめく甘美な世界にようこそ。谷崎さんの文章は、こう、押入れの中にひっそりと隠れて、襖の戸を少しだけ開けて覗いている感じなのだけど、いやあ素晴...

別にマゾヒストというわけでも無いのだが、いや、これは仕方ないよねと即決して、レジへ。そのまま一気に読む。 もうね、ひたすらに官能的。めくるめく甘美な世界にようこそ。谷崎さんの文章は、こう、押入れの中にひっそりと隠れて、襖の戸を少しだけ開けて覗いている感じなのだけど、いやあ素晴らしい。 最近安売りされている感があるけど、本来、狂気や倒錯とはこういうものだと思う。

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