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谷崎潤一郎マゾヒズム小説集 の商品レビュー

3.5

79件のお客様レビュー

  1. 5つ

    8

  2. 4つ

    22

  3. 3つ

    28

  4. 2つ

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2019/01/16

なんつーかドMだよね。 かわいい表紙に騙され谷崎を買ってしまったが、いやいやMじゃないですか。って題にもマゾヒズムと書かれているので文句を言う筋合いはないのだが。 一話目が一番おもしろいかな。 少年たちが何も知らない状態から本能的なものを嗅ぎわけ、そして背徳の喜びへと・・・とい...

なんつーかドMだよね。 かわいい表紙に騙され谷崎を買ってしまったが、いやいやMじゃないですか。って題にもマゾヒズムと書かれているので文句を言う筋合いはないのだが。 一話目が一番おもしろいかな。 少年たちが何も知らない状態から本能的なものを嗅ぎわけ、そして背徳の喜びへと・・・といった運びがすばらしい。 あれ?なんだか気持ち、いい?・・・そんな感じ。 そのほかの話はなんだか言い訳くさい感じがして好きになれんかった。 魔術師の話が特に微妙かなぁ。 終盤・結末は好きなのだが、そこに至るまでがマゾヒズムに浸る言い訳がましい。 気のせいか?

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2010/11/17

「痴人の愛」の読後感があまりにも衝撃的だったので買った。あえて言うなら「幇間」「日本に於けるクリップン事件」。谷崎文学は人を自由にしてくれるような気がする。愛の可能性を極限まで高めて放出している。きっとどんな人にも潜んでいる愛の非道性?のようなものがあるのだとおもう

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2010/11/09

享楽的かつ無惨なマゾヒズムの世界が眈々と描かれていた。時に美しくも惨たらしい変態性癖の描写に鬼気を感じ、ぞくりとさせられた。嫌悪感の無い純粋な動揺だった。誰しもが持ちあわせるマゾヒスト的な一面を刺戟されたのかもしれない。マゾヒズムには人を魅惑する恐ろしさがある。多くの人はそれを感...

享楽的かつ無惨なマゾヒズムの世界が眈々と描かれていた。時に美しくも惨たらしい変態性癖の描写に鬼気を感じ、ぞくりとさせられた。嫌悪感の無い純粋な動揺だった。誰しもが持ちあわせるマゾヒスト的な一面を刺戟されたのかもしれない。マゾヒズムには人を魅惑する恐ろしさがある。多くの人はそれを感じながらもおぞましいその感情に目を背け押し殺す。 作中のマゾヒストを精緻に描写する谷崎もまた、マゾヒズムの世界に共感し、魅惑される自らに動揺や衝撃を感じ、告白として筆をとったのかもしれない。

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2010/10/26

谷崎潤一郎のマゾ的な小説大好き。(『痴人の愛』とか)最初の『少年』が特に面白かった。子供ならではの純粋な「ごっこ」がどんどん発展して、最後には光子のサディストさ加減が爆発。こういう谷崎らしいストーリー展開が好き…。

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2010/10/20

感想を一言で述べると、「共感」。これに尽きるね。 『少年』『幇間』『麒麟』『魔術師』『一と房の髪』 『日本に於けるクリップン事件』

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2010/10/19

中村氏のイラストとタイトルにつられて購入。 狂気への好奇心というのは甘美なものでしたが 実際にふれると熱を持ってるようでした。 読み終えた今は軽い火傷をしたようなヒリヒリした感覚がやけに生々しく私の心に引っ掛かります。 胸に走る苦々しい不快感に対し、頁をめくる手はとまらない。これ...

中村氏のイラストとタイトルにつられて購入。 狂気への好奇心というのは甘美なものでしたが 実際にふれると熱を持ってるようでした。 読み終えた今は軽い火傷をしたようなヒリヒリした感覚がやけに生々しく私の心に引っ掛かります。 胸に走る苦々しい不快感に対し、頁をめくる手はとまらない。これが谷崎氏の力なのか…それとも私もマゾヒズムなのか。 ・・・あえて考えないことにします。笑

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2010/10/10

これだけ著名な作家でも、年代を経るごとに作品の質があがるんですね。 「魔術師」と「一と房の髪」は、踏み込んでは行けない領域に惹かれてしまう危うさが、とても魅力的に描かれていて作品世界にのめり込んでしまった。 他の著作も読んでみたいと思います。

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2010/10/06

OK自分はその気がないことがわかった。 読んでてちょっと気持ちが悪くなったりした。 これはなかなかの収穫だった。秋の収穫祭だ。いい踏み絵だった。 そんな中で「少年」が面白かった。 ごっこ遊びをしてたつもりのガキンチョ達の無邪気なSとMが 徐々に開発・開花・エスカレートしていき、...

OK自分はその気がないことがわかった。 読んでてちょっと気持ちが悪くなったりした。 これはなかなかの収穫だった。秋の収穫祭だ。いい踏み絵だった。 そんな中で「少年」が面白かった。 ごっこ遊びをしてたつもりのガキンチョ達の無邪気なSとMが 徐々に開発・開花・エスカレートしていき、 沸点に達したところでまさかのリバ、という展開は 現代やおい文学に通じる普遍性を感じたよ。明治時代でも変わらない。 好きなものは好きだからしょうがないんでしょうか。ちょっと古いですね。 妖しげな夜の洋館の雰囲気の出し方が生々しく気持ち悪い。 強く印象に残った。 やっちゃいけないって言われてることもやりたくなったりすることはある。 "ペンキ塗りたて触るな"って書いてあったら人差し指の先っちょで 一瞬だけピッと触れてみたくなる衝動を押えきれないし、 公園で"芝生進入禁止"って書いてあったらウキウキ側転しながら侵入して レジャーシートを敷き、お弁当広げてピクニックしたくなる。 あと「今日一日口笛吹くの禁止」とか言われたら 5分後には今にも口笛を吹きそうな感じで唇をとんがらがせて 1時間後にはついには吹いてる自信がある。課長バカ一代じゃないけど。 「タブーは破るためにあるとなぁ!」とどこかの御大将が言ってた。 でも本当にやっちゃいかんことはやらないけどね。 ちなみにカバーイラストは中村佑介さん。いいね。すごく。雰囲気出てる。 自分的に中村佑介さんのカバーイラストの小説を買うのは 森見登美彦氏「夜は短し歩けよ乙女」、 石田衣良氏「親指の恋人」に続き3冊目。多分。

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2010/10/05

「人間の足は塩辛い酸っぱい味がするものだ。」(「少年」より) 恥ずかしながら谷崎潤一郎の作品を読むのは初めてなのだが、果たしてこのセレクションは良かったのか悪かったのか…。 「少年」「魔術師」「日本に於けるクリップン事件」が個人的に面白かった。 特に「少年」は、少年少女の純粋...

「人間の足は塩辛い酸っぱい味がするものだ。」(「少年」より) 恥ずかしながら谷崎潤一郎の作品を読むのは初めてなのだが、果たしてこのセレクションは良かったのか悪かったのか…。 「少年」「魔術師」「日本に於けるクリップン事件」が個人的に面白かった。 特に「少年」は、少年少女の純粋で残酷であやうい魅力が詰まった傑作だと思う。 基本的にグロテスクな描写は無いので、その点も読みやすくていい。 なんつーか、SとMは紙一重ってホントだよな。

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