本日は、お日柄もよく の商品レビュー
困難に向かい合ったとき、もうだめだ、と思ったとき、想像してみるといい。 三時間後の君、涙がとまっている。二十四時間後の君、涙は乾いている。 二日後の君、顔を上げている。三日後の君、歩き出している。 両親を交通事故で突然亡くした14歳の久美を励まし、 伝説のスピーチライターを目指...
困難に向かい合ったとき、もうだめだ、と思ったとき、想像してみるといい。 三時間後の君、涙がとまっている。二十四時間後の君、涙は乾いている。 二日後の君、顔を上げている。三日後の君、歩き出している。 両親を交通事故で突然亡くした14歳の久美を励まし、 伝説のスピーチライターを目指す決意をはぐくんだ言葉。 久美と一緒に、いつのまにか泣いている私がいました。 打ちひしがれているとき、こんな言葉をかけてもらえたら、どんなに救われることか。 そして、苦しみ涙している誰かに、迷うことなくこんな言葉をかけてあげられたら! 『キネマの神様』では、映画についてのゴウちゃんのレビューだけで あきれるほど泣かされてしまった原田マハさん。 今度はなんと、結婚式のスピーチで、まさかの選挙演説で、こんなに泣かされるとは! 折りしも、この日は安倍首相の所信表明演説の日。 う~ん、さっぱり心に届いてこないなぁ。。。 伝説のスピーチライター久美さんは無理としても、原田マハさんに ブレーンとして参加してもらったら、きっと心を打つ演説になったのに、と思ったりして。 初恋の相手でもあった幼なじみの厚志の結婚披露宴で よりによって、彼の大切なクライアントのスピーチの真っ最中、 睡魔に抗えず、スープ皿に派手な音とともに顔を突っ込んだ、こと葉。 長くて退屈なそのスピーチの後に披露された久美のスピーチに心奪われ、 早速彼女に弟子入りして、スピーチライター修業を始めるのですが。。。 生き生きと動き回ること葉や久美はもちろん、 影に徹して野党党首を地道に支え続け、家族や知人には 忘れられない温かな言葉や思い出を遺した厚志の父、今川篤朗、 気鋭のコピーライターで、与党のブレーンとしてこと葉たちの行く手を阻むと思いきや 変なところで律儀さを発揮し、救いの手を差し伸べるライバルのワダカマなど 登場人物も、相変わらず好きにならずにいられない魅力的な人ばかり。 両親が与えてくれた心と体を大切に育てて 思いを伝えたい相手の心に届き、温める言葉をかけられるひとになりたいと 素直に思わせてくれる物語です。
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思いを寄せる幼馴染の結婚式では大失態、 仕事は毎日定時退社のお気楽OLというダメダメな主人公が、 素晴らしいスピーチに出会い、成長していく…というお話。 私の最も苦手なものの一つがスピーチ、プレゼン。 この本にもう少し早く出会っていたら私の会社員人生は少しましだったかも? お...
思いを寄せる幼馴染の結婚式では大失態、 仕事は毎日定時退社のお気楽OLというダメダメな主人公が、 素晴らしいスピーチに出会い、成長していく…というお話。 私の最も苦手なものの一つがスピーチ、プレゼン。 この本にもう少し早く出会っていたら私の会社員人生は少しましだったかも? おきまりの「只今ご紹介にあずかりました~」も「ご両家のみなさん~」も 確かになくてもいいよな、無い方がすっきりするかも。と目からうろこ。 そういえば、キネマの神様の中のローズバットの最後のスピーチも素敵だったな。 原田マハさん、好きな作家さんの一人になりました。
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2013/1/16 読了。 普通のOLがスピーチメーカーと言う職業になっていく成長物語。初めて聞くスピーチメーカーの仕事、大変だけど、やり甲斐もある職業だと思う。 言葉の力で、人を感動させたりするって凄いと思った。主人公のこと葉が、どんな言葉で日前足に告白したんだろう。気持ちの...
2013/1/16 読了。 普通のOLがスピーチメーカーと言う職業になっていく成長物語。初めて聞くスピーチメーカーの仕事、大変だけど、やり甲斐もある職業だと思う。 言葉の力で、人を感動させたりするって凄いと思った。主人公のこと葉が、どんな言葉で日前足に告白したんだろう。気持ちのこもった一番のスピーチだったんだろうな。
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平凡なOLが、幼なじみの結婚披露宴でのスピーチライターのスピーチを聞き、その職業に惹かれ、弟子入り。 友人の披露宴スピーチを始めに、幼なじみの選挙戦の手伝いと、次々に仕事をこなしていく。 ちょうど衆院選の際に読んでいたことで、内容も身近に感じた。 言葉に秘められた魅力が満載の一冊...
平凡なOLが、幼なじみの結婚披露宴でのスピーチライターのスピーチを聞き、その職業に惹かれ、弟子入り。 友人の披露宴スピーチを始めに、幼なじみの選挙戦の手伝いと、次々に仕事をこなしていく。 ちょうど衆院選の際に読んでいたことで、内容も身近に感じた。 言葉に秘められた魅力が満載の一冊。 2012.12.16
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原田マハ二作目。 平凡なOLが友人の披露宴での出来事をきっかけにスピーチライターを目指す話。 ストーリー自体は都合良くポンポン進んで行きますが、所々に出てくるスピーチがかなり良くて、心温まります。
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その切り口できたか、と。原田さんの作品を読んだ中ではいつもよりハイテンポな作品でした。仕事に、恋に、家族に、仲間に、と。出会った人たちが主人公にとって、良い影響を受け、そして与え成長していく様。一般的にも役に立つスピーチの極意。単純に、ああ読んで良かったな、と思うと同時に、スピー...
その切り口できたか、と。原田さんの作品を読んだ中ではいつもよりハイテンポな作品でした。仕事に、恋に、家族に、仲間に、と。出会った人たちが主人公にとって、良い影響を受け、そして与え成長していく様。一般的にも役に立つスピーチの極意。単純に、ああ読んで良かったな、と思うと同時に、スピーチのコツと知識も備わり、お得な一冊。 余談ですが。過去に私は友達の結婚式でスピーチを頼まれました。この作品に出会っていたらもう少しマシなスピーチができたのに、と。
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平々凡々なOLが結婚式のスピーチをきっかけに、伝説のスピーチライターと出会い、言葉の持つ魅力に惹かれて自らもスピーチライターを志すようになる。言葉で人の心を動かすという手法を駆使し大義を成功に導いていく中、凡庸だった自らの人生もサクセスストーリーへと変貌を遂げていく。 登場人物が...
平々凡々なOLが結婚式のスピーチをきっかけに、伝説のスピーチライターと出会い、言葉の持つ魅力に惹かれて自らもスピーチライターを志すようになる。言葉で人の心を動かすという手法を駆使し大義を成功に導いていく中、凡庸だった自らの人生もサクセスストーリーへと変貌を遂げていく。 登場人物が活き活きとしており、痛快な読み心地である。 奇しくも私自身が結婚式のスピーチを頼まれ苦心している時に出会った作品であるため、心得、立ち居振る舞いなどリアルに学ぶことができ、また主人公や登場人物にたいへん勇気づけられた。 スピーチをする予定があるが未だ自信の無い方、また言葉の持つ力とはどのような事を意味するのか、興味のある方はご一読されてはいかがだろうか。
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初出「本とも」に加筆修正して単行本化。 原田さんの作品も久しぶりですが本作は極上のエンターテイメント小説に仕上がっていてタイトルのように心が晴れやかになる作品です。 幼馴染の披露宴での失態から人生が変わった主人公こと葉。その後知り合った人を通じて“スピーチライター”のお手伝いを...
初出「本とも」に加筆修正して単行本化。 原田さんの作品も久しぶりですが本作は極上のエンターテイメント小説に仕上がっていてタイトルのように心が晴れやかになる作品です。 幼馴染の披露宴での失態から人生が変わった主人公こと葉。その後知り合った人を通じて“スピーチライター”のお手伝いをしていきます。 たかが小説なれど、本作ほど冒頭からラストで心の内面が成長し輝いた主人公は少ないと思います。 本作は選挙小説としてもエッセンスとノウハウが詰まっていて楽しめます。フィクションでありながらかなりリアルに描かれています。 伝説のスピーチライター、久美だけでなく登場する男性たちの素敵さも特筆ものですね。幼馴染で選挙に出る厚志、そして敵であり将来の○でもあるワダカマ。 2人の度量の大きさがこの物語を支配していて、そうですね男性読者の私も惚れそうだから女性読者は惚れちゃうでしょうね。 やや心残りだったのはラストが少し唐突だったかな、もう少し意地らしい恋愛模様も観たかった気もしますが私が贅沢な読者だからでしょうか。 もし選挙期間中に本作を読めば感動度がもっと増したかもしれません。 でも幸せな気持ちにさせてくれる作品であることには間違いなく、本作を読み終えた人は必ず人に対して“噛みしめて言葉を発する”ようになるのでしょう。 最後につけ加えておきたいのは、ところどころで語られる作中のスピーチ、本当に素敵で胸が締め付けられ作者の独壇場状態です。 原田さんの文章の読みやすさは定評のあるところですが本当に洗練されています。
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あぁこの人はなるべくして小説家になったのだな。 人の胸を打つ文章を表現することができる、登場人物のスピーチライター、つまりは作者に嫉妬してしまう。 こんな素敵な言葉を紡げる人間になりたいと思った。 言葉ひとつで人は恋に落ち、励まされ、傷ついて・・・言葉をうまく操ることができた...
あぁこの人はなるべくして小説家になったのだな。 人の胸を打つ文章を表現することができる、登場人物のスピーチライター、つまりは作者に嫉妬してしまう。 こんな素敵な言葉を紡げる人間になりたいと思った。 言葉ひとつで人は恋に落ち、励まされ、傷ついて・・・言葉をうまく操ることができたならどんなにいいだろう。 ストーリー自体はテンポよく進むので読みやすい。小説というよりはビジネス書のカテゴリでもいいのでは? 下手なスピーチ指南書より頭に入りそう。 「カフーを待ちわびて」は全く心が動かなかったけど、これはいい作品。
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初、原田マハ作品。おー、何という、秀作。言葉を生業とする人々すべてに読んでほしい作品だ。 言葉は、人の心を動かす。人の心が変われば、その人の周りが変わり、やがて世界が変わる。なんと底知れぬ力を持っているのだ、言葉というものは・・・ こと葉が、なぜあんなに久美に可愛がられ、...
初、原田マハ作品。おー、何という、秀作。言葉を生業とする人々すべてに読んでほしい作品だ。 言葉は、人の心を動かす。人の心が変われば、その人の周りが変わり、やがて世界が変わる。なんと底知れぬ力を持っているのだ、言葉というものは・・・ こと葉が、なぜあんなに久美に可愛がられ、ワダカマに好かれたのか、謎のままだが、彼女が言葉に真摯に向き合う様は魅せられた。千華への結婚式でのスピーチ、あれは素人のスピーチではなかった。普通の素人さんなら、「えー。あー。」って言うよ。むしろ、鈴木社長が普通だよ。 そこからまさか選挙に移行とは・・・びっくりしたが、たしかに、そこは、スピーチの本領発揮の場だものな。舞台としては格好の場所だ。 政治家のあの演説。一人で作れない。今までそんなこと、考えたこともなかったけれど、この作品を通してスピーチライターという職業があるのを知って、人の影となり、人の言葉を作ることができる職業があるのを知って、それをかっこいいと思わずにはいられなかった。 はばかりながら私も、言葉を生業とする職業に就く身だ。問題を提起し気づかせ、集団を、個人を、改善していく業務を担う職業に就く身だ。その際に使うのが、言葉。いかに人の心を掴むか、いかに人を説得するかは、言葉にかかっている。分かっていたつもりだったけど、日常に忙殺されて、最近は、自分の操る言葉と真剣に向き合ってこなかったかもしれない。こと葉の行動を見て、そう感じざるをえない自分がいた。 個人に向けてにしろ、集団に向けてにしろ、誰かに何かを伝えるということは、とても難しいことだ。言葉で人の心を動かすことは、一筋縄ではいかないことだ。けれど、だからこそ楽しい。止められないほどわくわくする。 これからも私は、良い聞き手でありたいし、100回スピーチする中で、一人か二人くらいは、人の心を動かしたい。 文章や言葉で、人は、世界は変わるのだと信じ、文章と言葉を愛し続ける者の一人として、これからも、真摯に言葉と向き合っていきたいと思う。 次にスピーチするときは、めーっちゃ気合入れて臨んでやるぞ!!
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