なぜ君は絶望と闘えたのか の商品レビュー
司法を変革させるに至った光市母子殺人事件を9年間追ったドキュメンタリー。 本村さんの強さには感服するほかなかった。他人の私でさえ何度も涙がこぼれ読み続けるのは精神的に堪えた。私の心情など比較する事すら失礼なのですが。本村さんの生き抜いた過酷さは言葉では形容できないものだろう。...
司法を変革させるに至った光市母子殺人事件を9年間追ったドキュメンタリー。 本村さんの強さには感服するほかなかった。他人の私でさえ何度も涙がこぼれ読み続けるのは精神的に堪えた。私の心情など比較する事すら失礼なのですが。本村さんの生き抜いた過酷さは言葉では形容できないものだろう。 目を背けたくなるような凄惨な事件の性質上、情けなくも深く知るのは避けたい気持ちがあったが最終的に読めて良かったと思える。それ以上に日本の法制度、死刑制度について深く知りたい気持ちが芽生えた。むしろ国民の一人として考えなければならない義務と感じた。 忌むべきは事なかれの風潮、被害者軽視、現場を鑑みない実態でしょうか。私も含めて責任を逃れたいと思っている限り何も変えらなれないんだと痛感しました。 ご遺族の方々に平穏な生活が戻ること、こんな事件が二度と起こらないことを願います。
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死刑確定を受けて読んでみた。この事件の概要が時間を追って書かれている。最高裁で差し戻されて高裁で死刑判決が出るまで。 遺体の第一発見者として取調対象となり,わけもわからず茫然とする本村さん。妻の遺体を抱きしめてやれなかったことに自責の念。絶望から復讐に燃え,次第に冷静さを取戻...
死刑確定を受けて読んでみた。この事件の概要が時間を追って書かれている。最高裁で差し戻されて高裁で死刑判決が出るまで。 遺体の第一発見者として取調対象となり,わけもわからず茫然とする本村さん。妻の遺体を抱きしめてやれなかったことに自責の念。絶望から復讐に燃え,次第に冷静さを取戻し犯罪被害者の立場を変える運動に取り組んでいく。彼が最後まで闘えたのは,この運動に熱心にかかわってきたからなんだろう。 この事件,そんなにリアルタイムで注目していたわけでなく,職場が新日鐵だったということも初めて知った。妻子の葬儀の世話や,辞表を預かりにするなど会社の助けも大きかったようだ。でも,父親が協力会社の従業員だったために犯人が同じ社宅に住んでて,それで事件に巻き込まれたんだよなぁ。
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本を読んで久しぶりに泣いた。こういうルポは本当に活字でなければ残せないものなんだろうな。本村さんの、私と2歳しか変わらない頃から2008年までの心境の変化が緻密に描かれていた。アメリカの少年死刑囚との会話の件は特に、心が痛む。 「上辺だけのヒューマニズム」にならない報道ってなんだ...
本を読んで久しぶりに泣いた。こういうルポは本当に活字でなければ残せないものなんだろうな。本村さんの、私と2歳しか変わらない頃から2008年までの心境の変化が緻密に描かれていた。アメリカの少年死刑囚との会話の件は特に、心が痛む。 「上辺だけのヒューマニズム」にならない報道ってなんだろうと、問題提起をさせられた作品です。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
光市母子殺害事件の遺族である本村洋さんに、著者が事件直後から取材し続けて書かれたドキュメンタリーです。 今まであまり意識していなかったのですが、本村洋さんは私と年齢が同じです。という事は同級生の妻とも同じ年。当時23歳だったんですよ。そんな若さで妻と11ヶ月の娘を惨殺された。 しかも犯人は18歳で少年法に守られている。 そんな彼が、少年法や司法の壁に立ち向かおうとする経緯や、周りで支えていた方々の事を知る事ができます。 この本を読むと死刑について本当に考えさせられます。 是非多くの方に、読んで色々と考えて欲しいです。 死刑制度の是非・マスコミ報道・少年法などについて。 この事件によって変わった様々な事、変わってない事について。 この事件によって良い方向に変わった事も多い、本村さんの努力・信念によって好転した事も多いと思います。 だけどその改変のためにはあまりに大きすぎる犠牲だった。 残虐な事件が起きてからでは遅いのです。
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愛する妻子を奪われた本村さんの長い闘い。 この犯人は動機からして反省しようが何しようが 個人的には絶対許せないんやけど、でっちあげみたいな供述がさらに許せない。 司法は誰のためにあるのか?も考えさせられた。 弁護士の子に意見聞いたら、それでも弁護する側は100%の気持ちで 被疑...
愛する妻子を奪われた本村さんの長い闘い。 この犯人は動機からして反省しようが何しようが 個人的には絶対許せないんやけど、でっちあげみたいな供述がさらに許せない。 司法は誰のためにあるのか?も考えさせられた。 弁護士の子に意見聞いたら、それでも弁護する側は100%の気持ちで 被疑者の言い分を信じないといけないって言ってたけど、この場合は冤罪じゃないし、やっぱり感情としてそれは無理だ。。 本村さん、これから先は自分の幸せを見つけてほしいと思います。 >>って書いた後に知ったけど、本村さん再婚されたんですね。 彼の長すぎた戦いと、もう帰ってはこない愛しい人々を思えば、一緒にこれからの人生を歩んでいける人に出会えたことは本当に大きいことだろうな。今度こそ幸せに。。
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”「遺族だって回復しないといけないんです、被害から。人を恨む、憎む、そういう気持ちを乗り越えて、また優しさを取り戻すためには・・・・・・死ぬほどの努力をしないといけないんです」”
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「光市母子殺人事件」を追ったドキュメンタリー。 少年法、加害者の人権ばかりが重視され被害者が置き去りの裁判、相場主義に凝り固まった裁判官などと戦う本村を記録するが、同時に凶悪犯の弁護、死刑制度の存廃、いったん方向が定まると「死ね」の大合唱になるマスコミ報道など、考えさせられるテ...
「光市母子殺人事件」を追ったドキュメンタリー。 少年法、加害者の人権ばかりが重視され被害者が置き去りの裁判、相場主義に凝り固まった裁判官などと戦う本村を記録するが、同時に凶悪犯の弁護、死刑制度の存廃、いったん方向が定まると「死ね」の大合唱になるマスコミ報道など、考えさせられるテーマばかりが次々と登場する。 それにしても被害者の夫・父である本村はすごい。 TVでインタビューを見たことがあるが、その時は「弁舌爽やかすぎて胡散臭い」って印象だった。でも一読して、平穏な生活と引き換えに司法の重い扉をこじ開けてきた人なんだなあと意識を改めた。 願わくばこんな事件が二度と起きませんように。
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たくさん泣きました。あのひどい事事件は、同じくらいに子供を持った事もありずっと気になっていました。あんなひどい犯人を作り出す原因のひとつは親にあります。愛してくれる親がいれば人間としてひどい事は出来ません。世の中、みんな愛し愛されていたら凶悪事件は起きないと思います。もう二度とあ...
たくさん泣きました。あのひどい事事件は、同じくらいに子供を持った事もありずっと気になっていました。あんなひどい犯人を作り出す原因のひとつは親にあります。愛してくれる親がいれば人間としてひどい事は出来ません。世の中、みんな愛し愛されていたら凶悪事件は起きないと思います。もう二度とあのような事件が起きませんように祈ります。本村さんはあの若さで頑張って来られて本当にすごいと思います。尊敬します。
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私はもちろん本村氏を応援しており、この本もそうなのだが、 それが全面に出すぎてドキュメント本としてはちょっと公平でない感じがした。 本村氏の「殺人を犯した人間が死刑判決を受け、 自分のした罪を心から悔い、残りの人生を 贖罪と社会貢献に捧げたいとまで生まれ変わったのに、 その命を...
私はもちろん本村氏を応援しており、この本もそうなのだが、 それが全面に出すぎてドキュメント本としてはちょっと公平でない感じがした。 本村氏の「殺人を犯した人間が死刑判決を受け、 自分のした罪を心から悔い、残りの人生を 贖罪と社会貢献に捧げたいとまで生まれ変わったのに、 その命を社会が残酷に奪うことで、社会が命の重さを理解しその責任負う。 それが死刑の意義である(から廃止してはならない)」 みたいな発言が印象深い。 「冤罪の可能性があるから死刑は良くないのでは」という意見が多いし、 実際死刑の是非は最終的にはそれにつきると思っているが (私がどっち派かはさておき)、 本村氏の社会側が責任を負うとする発言にははっとさせられたし、 そう言えるまでに本村さんがどれだけ傷ついてきたのかと思うと涙が出る。
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光市母子殺害事件を追ったノンフィクション。wowowのドラマの時も感じたが、加害者が法に守られ被害者は放置されてた事実に憤る…そんな司法の壁を破った彼の信念に心打たれる。内容が全て事実だけに辛い、でも読み応えがあった。
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