鏡の偽乙女 の商品レビュー
面白かったです。昭和三十年代がご専門(*^_^*) の朱川さんが珍しく大正ホラーに挑戦。朱川さんご自身、38年生まれということで、元々、資料を下敷きにしての作話だったと思うから、ある意味、昭和でも大正でもオッケーっていうところがあるのかもね。で、大正って、改めて面白い!と思いまし...
面白かったです。昭和三十年代がご専門(*^_^*) の朱川さんが珍しく大正ホラーに挑戦。朱川さんご自身、38年生まれということで、元々、資料を下敷きにしての作話だったと思うから、ある意味、昭和でも大正でもオッケーっていうところがあるのかもね。で、大正って、改めて面白い!と思いました。江戸時代を知っている人もいるくらい昔であると同時にモダンな風も吹いていて、昭和の戦争の困窮にはまだちょっと間があるという・・。妙にデコラティブな感じがよく出ていて楽しんで読めたという。主人公は、絵描きを目指す金持ちの坊ちゃん・巧次郎。で、ひょんなことから知り合った雪華というやはり画家の青年の住む蟋蟀荘というアパートの隣の部屋に住むことになるのだが・・・。巧次郎自身も雪華も異界のものが見えてしまうという特異体質で、念を残して死んでいった者たちのある意味救済に当たるという設定が優しくて好きだった。そして、なんと言っても、雪華とはいったい何者なのか? 功次郎は雪華に会ってから異形のものを観れるようになった、ということで、もしかしたら、雪華自身が妖しい存在なのでは、という暗示が至るところに。ネタばれ入ります。一冊読み終わっても、雪華の正体は明らかにされずこれは続編があるっていうことですね、ととても楽しみ。そして、功次郎は無事に画家になれるのか。雪華のアドバイスのもと、画家修行に励み、段々ステップアップしている様子なのも嬉しい。
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父と衝突して家出した画家志望の青年。 豪雪に苦心している中で人をおちょくるような男と出逢うが 彼の描く絵に度肝を抜かれ、いつしか友人となる。 しかし彼の周りには次々と面妖な出来事が起こる。 大正時代が舞台の怪奇ファンタジー。 物悲しいけれど、読後には温かいものがココロに残る。 ...
父と衝突して家出した画家志望の青年。 豪雪に苦心している中で人をおちょくるような男と出逢うが 彼の描く絵に度肝を抜かれ、いつしか友人となる。 しかし彼の周りには次々と面妖な出来事が起こる。 大正時代が舞台の怪奇ファンタジー。 物悲しいけれど、読後には温かいものがココロに残る。 シリーズ化しそうなラストなので、次も楽しみ。 【図書館・初読・9/10読了】
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