街場のメディア論 の商品レビュー
(著者の中では繋がっているのかもしれないが)飛躍のしすぎなのではと思う点や、著者の個人的な体験を一般化しすぎているように思う点、いささか乱暴ではと感じる論の展開もあり、同意できない部分があった。 2010年出版の書籍なので、現在からするとズレを感じるのも仕方ないかなという感。
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キャリア教育について 現在の支配的な教育観は、「自分ひとりのため」に努力する人間のほうが、競争的環境では勝ち抜くチャンスが高い。しかし人間が才能を開花させるのは「他人のため」に働くとき。自分のしたいことや適性はどうでもよくて、任された仕事に対して「私がやるしかない」という状況が人...
キャリア教育について 現在の支配的な教育観は、「自分ひとりのため」に努力する人間のほうが、競争的環境では勝ち抜くチャンスが高い。しかし人間が才能を開花させるのは「他人のため」に働くとき。自分のしたいことや適性はどうでもよくて、任された仕事に対して「私がやるしかない」という状況が人間の覚醒を導く。自分が果たすべき仕事を見出すのは、本質的に受動的に経験によるものだ。 メディアについて 昨今のメディアの劣化について様々な角度から論じている。メディア独自の個性的でかつ射程のひろい見識に触れて、一気に世界の見通しが良くなった、というようなことを筆者は久しく経験していない。それが無理ならせめて、複雑な事象を複雑なまま提示するというくらいの気概はしめしてもよいのではないか。 メディアの危機に際会して 資本主義社会の商品とサービスが行き交う市場経済の中で、「なんだかわからないもの」の価値と有用性を先駆的に感知する感受性はすり減っていく。どのような「わけのわからない状況」も、そこから最大限の価値を引き出そうとする人間的努力が必要であり、今遭遇している事態を「自分宛ての贈り物」として好奇心を持って迎入れる人間だけが危機を生き延びることができる。
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まえがきがあまり堅苦しさもなかったので、何となく読み進めていたらどんどんのめり込んで、気がついたら読み終えた一冊。教育論から本筋のメディア論等一冊で取り扱うテーマは多岐に渡っていたように感じます。基本的に目の前にあるものがこの世の正義として疑わないスタイルのため、はっとする言葉に...
まえがきがあまり堅苦しさもなかったので、何となく読み進めていたらどんどんのめり込んで、気がついたら読み終えた一冊。教育論から本筋のメディア論等一冊で取り扱うテーマは多岐に渡っていたように感じます。基本的に目の前にあるものがこの世の正義として疑わないスタイルのため、はっとする言葉によく巡り会うことができました。
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内田先生が教授を務めていた神戸女学院大学での講義をベースに書籍化したもの。メディアに関する授業であり、メディア志望の学生が多く聴講している授業であるが、メディアに対して、楽観的ではない論調の授業である。 医療と教育という、市場主義やイデオロギーをベースにものを語ってはいけないはず...
内田先生が教授を務めていた神戸女学院大学での講義をベースに書籍化したもの。メディアに関する授業であり、メディア志望の学生が多く聴講している授業であるが、メディアに対して、楽観的ではない論調の授業である。 医療と教育という、市場主義やイデオロギーをベースにものを語ってはいけないはずのものに対して、メディアがずっとそのように語ってきたこと。メディア自体も、医療や教育と同じく市場主義で語ってはいけないはずのものであったことに、メディア自体が気づいていないこと、そういったことにより、メディアの将来は決して明るくない、ということを書いている。 私はわこの本を電子書籍で電車の中で読み終えた。kindle unlimitedで読んでいるので、私にとって、本書を読むことの追加コストはゼロだ。また、私は図書館で本をよく借りる。それも、基本的にはコストゼロだ。そういった状況に対して異論をとなえる人たち、すなわち、図書館がなければ、自分の本を購入してくれて自分に印税をもたらしてくれていたはずなのに、それがなくなったために、自分は損をしている、と考える人たちがいることを内田先生は本書内で紹介している。それに対して、内田先生は、自分は全く構わないという考えを紹介している。 それは、もともとものを書く目的は、自分の考えを広く知ってもらうためであり、図書館で多くの人に自分の本を読んでもらうのは嬉しいことであること。まず読んでもらわないと、自分の本の中身を読者は知ることが出来ず誰も自分の本を買おうとしないはずであるが、図書館ではそのような機会を作ってもらえること。そういったことが、内田先生の考えの根拠である。内田先生が書いたものを、自分にとっての贈り物と考えてくれる人たちがいること、そもそも何かを書くというのは、まず商売ベースの動機で始まっているわけでもないだろうということでもある。 こういう考え方を初めて読んだが、なるほど、と思える考え方であった。
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医療と教育は市場原理にのせてはいけないものなのに、その路線でメディアが論じてきてしまったこと、学生や患者が、最上の努力で最大の効果を得ようとしていること、批判をすることが権利であり貢献していると錯覚していること、そしてそれを善意に基づいて行っているという刷り込まれた無自覚な意識と...
医療と教育は市場原理にのせてはいけないものなのに、その路線でメディアが論じてきてしまったこと、学生や患者が、最上の努力で最大の効果を得ようとしていること、批判をすることが権利であり貢献していると錯覚していること、そしてそれを善意に基づいて行っているという刷り込まれた無自覚な意識と行為が、医療と教育を崩壊させている…。 もやっとすることを、内田先生は論理的にわかりやすく整理してくれています。 12年経ってますが、全く色褪せてないです。
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まえがき 第一講 キャリアは他人のためのもの 第二講 マスメディアの嘘と演技 第三講 メディアと「クレイマー」 第四講 「正義」の暴走 第五講 メディアと「変えないほうがよいもの」 第六講 読者はどこにいるのか 第七講 贈与経済と読書 第八講 わけのわからない未来へ あとがき ...
まえがき 第一講 キャリアは他人のためのもの 第二講 マスメディアの嘘と演技 第三講 メディアと「クレイマー」 第四講 「正義」の暴走 第五講 メディアと「変えないほうがよいもの」 第六講 読者はどこにいるのか 第七講 贈与経済と読書 第八講 わけのわからない未来へ あとがき クレーマー論 患者様と呼んだことによって変わったこと
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贈与で社会は成り立っているということと、"紙媒体の"本とを絡めた話が好きだった。 (読んだか読んでないかは別として、そしてそれは必ずしも重要ではなく)自分の本棚が、自分や他人にどう思われたいか、どういう人間になりたいか、という主観ありきで作っていけるところ。...
贈与で社会は成り立っているということと、"紙媒体の"本とを絡めた話が好きだった。 (読んだか読んでないかは別として、そしてそれは必ずしも重要ではなく)自分の本棚が、自分や他人にどう思われたいか、どういう人間になりたいか、という主観ありきで作っていけるところ。買って、積んで、並べて見ること。が紙の本を買うことの醍醐味だなと思いました
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ビジネスマインドに頭から爪先まで浸かった結果、何事にも適用可能なマインドと勘違いしてしまう。 ビジネスマインドで考えてはいけないことがあることを気付くという意味で非常に有益な一冊。
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メディアの問題に関して、「ビジネス」としての商取引モデルをもとに考えるのではなく、価値の贈与返礼モデルをもとに考察した内容。 メディアの問題点に関してはおおよそ同意できた。医療や教育の崩壊も、商取引モデルに当てはめると説明されるという著者の指摘は非常に興味深いものだった。 優れた...
メディアの問題に関して、「ビジネス」としての商取引モデルをもとに考えるのではなく、価値の贈与返礼モデルをもとに考察した内容。 メディアの問題点に関してはおおよそ同意できた。医療や教育の崩壊も、商取引モデルに当てはめると説明されるという著者の指摘は非常に興味深いものだった。 優れた内容の本だが2010年に出版されたものであり、(マスメディアが変化したかどうかはともかく)新興メディアの出現や新たなデバイス・サービスの出現により、当時とは環境は大きく変化した。著者も指摘しているが、この点に関しては注意して読む必要がある。
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自分のやりたいことより、周囲からお願いされることを優先しよう 医療崩壊のきっかけ 市場原理主義を病院にも導入したから
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