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「怖い絵」で人間を読む の商品レビュー

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76件のお客様レビュー

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2024/04/30

 怖い絵シリーズで人気の中野京子さんの著作の中でも最初期の本。  帯の絵はハプスブルク家が繰り返していた近親婚の影響で病弱な王子の肖像。ただのかわいい子どもの絵ではない。悪魔が幼い王子の命を奪わないように(王子だとわからないように)女の子の服を着せられている。要するにそれだけ、幼...

 怖い絵シリーズで人気の中野京子さんの著作の中でも最初期の本。  帯の絵はハプスブルク家が繰り返していた近親婚の影響で病弱な王子の肖像。ただのかわいい子どもの絵ではない。悪魔が幼い王子の命を奪わないように(王子だとわからないように)女の子の服を着せられている。要するにそれだけ、幼くして死んでしまう男系の皇位継承者が多かったということ。日本でも明治時代の女の子にクマとかシカとか名前を付けていたのも魔除けだし、昔は死んでしまう子どもが多かったんだろうね。一昔前にワイドショーで、子どもに悪魔と付けた裁判が話題になったことがあるけど、呪術という面では理解できなくもない。社会性に問題はあるけど。

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2023/01/29

「怖い絵」シリーズのうち、私のデフォルト。周辺から絵に矢印で解説がつくのが、別出版社版との違いか。解説は、この生活人新書のものが一番好き。 元々このテーマを扱ったNHKの番組で、ベックリンの「死の島」をバージョンごとに比較していたのを見て興味を持ち買ったものだけど、この生活人新書...

「怖い絵」シリーズのうち、私のデフォルト。周辺から絵に矢印で解説がつくのが、別出版社版との違いか。解説は、この生活人新書のものが一番好き。 元々このテーマを扱ったNHKの番組で、ベックリンの「死の島」をバージョンごとに比較していたのを見て興味を持ち買ったものだけど、この生活人新書版には5バージョンがすべて掲載されている。(戦災で失われたもの含めて) 角川文庫の「泣く女篇」でも、ベックリンの「死の島」は取り上げられているけど、バーゼル美術館所蔵のものだけだった。

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2023/01/09

怖い絵、といってもオカルトや呪いの類ではない。絵が描かれた時代背景や、当時の鑑賞者の背景を学ぶことで絵が映し出す生の人間の凄み、怖さを知ろうという本である。 読みやすい文体で、ほぼ事前知識がなくても描かれた当時の風俗事情を知ることができ、歴史読み物としてだけでも面白い。 ハプ...

怖い絵、といってもオカルトや呪いの類ではない。絵が描かれた時代背景や、当時の鑑賞者の背景を学ぶことで絵が映し出す生の人間の凄み、怖さを知ろうという本である。 読みやすい文体で、ほぼ事前知識がなくても描かれた当時の風俗事情を知ることができ、歴史読み物としてだけでも面白い。 ハプスブルク家など、当時の貴族事情や、宗教画の裏にある当時の信仰についてなど興味深い内容が多かった。 そういった絵画のナラティブをすると、実際に美術館で見てみたくなるな。これから機会を探っていこう。

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2021/04/29

出来れば各章の最初か最後に図版をまとめて欲しかった(文を読んでいるとき、単語の途中で頁をめくってすぐに次の文字が目に入ってこないとダメな質なので)。他書の内容とかぶる部分も多いが今作も興味深く読んだ。

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2019/07/04

予備知識なしに何かを体験することが苦手です。 絵画でもお芝居でも音楽でも。 解説としてとても役に立つし、さらに掘り下げて知りたくなるので怖い絵シリーズは好きだなと思います。 これはキリスト教と西洋史に特化した本ですが、日本史や仏教に関した美術書も読んでみたいです。 長いことピア...

予備知識なしに何かを体験することが苦手です。 絵画でもお芝居でも音楽でも。 解説としてとても役に立つし、さらに掘り下げて知りたくなるので怖い絵シリーズは好きだなと思います。 これはキリスト教と西洋史に特化した本ですが、日本史や仏教に関した美術書も読んでみたいです。 長いことピアノを習っていましたが、背景についてもっと知識があればもう少し楽しめたかな?

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2019/04/22

「怖い絵」シリーズで有名になった中野京子先生の本を初読。 面白い!ただ名画を見て「きれいだな。すごいな」と読むのとはわけが違う!奥に秘められた物語を知っているのと知らないのでは、こんなに違うのか!そりゃ東京の「怖い絵展」に行列が出来るわけだわ。 これから「怖い絵」シリーズに手を出...

「怖い絵」シリーズで有名になった中野京子先生の本を初読。 面白い!ただ名画を見て「きれいだな。すごいな」と読むのとはわけが違う!奥に秘められた物語を知っているのと知らないのでは、こんなに違うのか!そりゃ東京の「怖い絵展」に行列が出来るわけだわ。 これから「怖い絵」シリーズに手を出していこうっと。

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2019/01/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2019年の読み初め。 「怖い絵」シリーズはこれまでに何冊か読んでいたけど、この本はカラーなのでとても分かりやすかった。 他の怖い絵シリーズで取り上げられていたのと同じ絵画も何点かあったけど、「運命」とか「憤怒」とか、テーマにそった解説だったので、これはこれで繋がりが見えてよかった。 なかでも一番怖い!と思ったのは、ハプスブルク家の系譜だったかな。王族を描いた肖像画なのに、死相しか見えないんだものな。 西洋絵画の解説書ばかり読んでいたから、そういう学者さんだとばかり思っていたけど、著者の中野京子さんって作家で独文学者だったのね。 他の著書で、「中世ヨーロッパは識字率が低かったので、聖書の内容を教えるために、教会に宗教画を飾った」って解説してあって、目から鱗が落ちる思いだった。 カタカナの名前が苦手で、世界史を真面目に勉強してこなかったんだけど、「イワン雷帝は織田信長と同時代の人物」って補足なしに読めるように読めるようにならないとね。

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2018/07/15

世界史もろくに勉強したことがなかったけれど、わかりやすく背景となる歴史について書かれてあり、興味深かった。

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2018/03/24

相変わらず面白い。 これ読んだなってエピソードもあるけど。 子供もコルセットを着けていた事に驚き。 絵の中にある絵が何の絵なのか知りたい。本物でも見えない位なんだとは思うんだけど。 まずNHKでの放送があって テキストがあって そのテキストを再編集したもの。 でも怖い絵シリ...

相変わらず面白い。 これ読んだなってエピソードもあるけど。 子供もコルセットを着けていた事に驚き。 絵の中にある絵が何の絵なのか知りたい。本物でも見えない位なんだとは思うんだけど。 まずNHKでの放送があって テキストがあって そのテキストを再編集したもの。 でも怖い絵シリーズを読んだ方も楽しめるとあるってことは 怖い絵シリーズは既に出版済み? なのに絵に矢印つけて解説したから楽しめるってのは傲慢ではないだろうか。 最後のミニ小説は好きじゃない。

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2017/11/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「怖い絵展」の帰りの電車で読了。満喫しました。 と言ってもこの本で関係あったのはマリー・アントワネットくらいでしたが。 運命の章や呪縛の章辺りが好みです。 未読のものがあるのでこれからも中野京子さんの本は読んでいきたいです。

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