悪の教典(下) の商品レビュー
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最後までイッキに読ませてしまう面白さはあります。 ただ読後に残るものは・・・ 登場人物が多いのに、それぞれの人物が「立ってない」ので、 誰がどんな殺され方しても、感情移入ができませんでした。 蓮見にしても、作者はあえて「なぜこのような人間になったか」書いてないようですが、それによってすべてが淡々とした薄っぺらい話しになってしまった気がします。 途中、すこし「MONSTER」を思い出しました。
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これはミステリーなのか? というのが読後の感想。 前半は積極的に問題を解決していく教師 蓮実の日々を描いてますがが、行動や言動の節々に不審を感じる記載が目立ちだします。本当の彼の姿が露わになってからは、自分の理想の環境を構築するために淡々と障害を排除する様を書き連ねることで彼の異常性をまざまざと見せつけてくれます。 美彌の殺害から先はバトルロワイヤルを彷彿とさせるスリリングな展開。手際よくシステマティックに獲物を屠る蓮実の没人間性もさることながら、狩られる側の生徒の焦燥や葛藤にも頁を繰る手が止まりません。 序盤から蓮実と距離を置いていた怜花(雄一郎はおまけ)が蓮実打倒の本命、忘れた頃に現れた蓼沼が大穴、かと思いきや、蓼沼はさしたる活躍もなく退場、生き延びた2人の証言にも蓮実にとっては致命打とはなりません。ここでまさか卓馬の行動がキモになるとは…。 様々な喪失の上に成り立った狩られた者たちからの一撃すら、ダークヒーロー蓮実の新たなゲームの始まりに過ぎなかったことを読者に告げ、物語は終わります。 雄一郎と怜花、大丈夫かなぁ…。 それにしてもこいつが事件解決の伏線か?親玉か?って感を匂わせてあっさり退場……、ってとこは意表を突かれました。 先述の蓼沼、釣井、そして圭介。誰が蓮実を倒すのか?というのを推理するといった点ではミステリーなのかも? 著者の貴志さん「黒い家」の作者なのね。著作を見てあのときの読後感を思い出した。
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勢いで読めた下巻。 面白かったけど、流れ的にラストの展開予想が当たってしまい、自分の中で盛り上がりがイマイチ。 蓮見の完璧さが話の軸だったはずが、途中からタガが外れたようになってしまったので、ボロが露見するのは目に見えていたのが残念。 逮捕されるまでにもう少しヤキモキしたかった...
勢いで読めた下巻。 面白かったけど、流れ的にラストの展開予想が当たってしまい、自分の中で盛り上がりがイマイチ。 蓮見の完璧さが話の軸だったはずが、途中からタガが外れたようになってしまったので、ボロが露見するのは目に見えていたのが残念。 逮捕されるまでにもう少しヤキモキしたかったな〜。 ただ上巻の静けさから一転した地獄の幕開けは惹きつけられた。 しかし期待していた猫山教諭の出番が下巻にはなく、せっかくキャラが立っていたのに使い方がちょっと勿体なかったと思う。
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上巻は割と丁寧に描かれている印象だったのに、下巻になると急にテンポアップで1クラスの生徒をザックザックと殺していく。 バトルロワイヤルか?と思うほどの殺しっぷり。 明らかに上巻と下巻では蓮実の様子が違う。上巻では用意周到で冷静、頭脳派だった蓮実が下巻では精神に異常をきたしている印...
上巻は割と丁寧に描かれている印象だったのに、下巻になると急にテンポアップで1クラスの生徒をザックザックと殺していく。 バトルロワイヤルか?と思うほどの殺しっぷり。 明らかに上巻と下巻では蓮実の様子が違う。上巻では用意周到で冷静、頭脳派だった蓮実が下巻では精神に異常をきたしている印象。 少しずつ精神の異常がヒートアップしていき戻らなくなっていったという事かな。 釣井先生が怜花を陥れる為に練った策は一体何だったのか。 蓼沼君はもう少し粘ってくれるかと思った。 早水君ももう少し頑張って欲しかった。 と、反撃はあっさりとかわされてしまっていて蓮実の強さばかりが目立ってしまっていた。 生き残った3人は蓮実が死刑にならない限りおびえて暮らすことを余儀なくされるんだろうと思うと苦しくなる。 全体的に読み易く、下巻は一気読みだったけど失速感も感じた。 【高校を襲う、血塗られた恐怖の一夜。極限状態での生への渇望が魂を貪りつくしていく。風雲急をつげる超弩級のエンタテインメント。】
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とにかく怖かった。こういう人がいないとも限らないことが本当に怖い。宮部みゆきの「模倣犯」に通じるものもあると思うが、模倣犯の犯人の方がまだ人間らしかった。
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前半の、得体の知れない恐怖感/焦燥感は面白かったのに...後半のロワイヤルぶりが少し残念。総じて面白かったけど。 呵責を抱えて生きるツリーの方がよっぽど人間的とは、皮肉な事で。
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下巻の後半、クライマックスのところで少し疲れてしまった。サスペンスは好きだけど、猟奇ものは苦手だからかもしれない。 ただ、最後の最後までなぜか蓮実を応援、というか蓮実の肩を持つ気持ちが拭えなかったのは、物語に感情移入していたからかな。そういう意味で、やはり貴志祐介の作品は面白いし...
下巻の後半、クライマックスのところで少し疲れてしまった。サスペンスは好きだけど、猟奇ものは苦手だからかもしれない。 ただ、最後の最後までなぜか蓮実を応援、というか蓮実の肩を持つ気持ちが拭えなかったのは、物語に感情移入していたからかな。そういう意味で、やはり貴志祐介の作品は面白いし読みやすくて好きだ。
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上巻ではある意味、淡々と進んだが、下巻では一気呵成の展開。徹夜本です。賛否分かれるかもしれませんが。 『新世界より』とは全然違う雰囲気。『黒い家』を思い出させるなぁ。本当にこの作者はフトコロが深い。 最後までココロの何処かで、主人公を応援しているじぶんがいるところに、作者の力量を...
上巻ではある意味、淡々と進んだが、下巻では一気呵成の展開。徹夜本です。賛否分かれるかもしれませんが。 『新世界より』とは全然違う雰囲気。『黒い家』を思い出させるなぁ。本当にこの作者はフトコロが深い。 最後までココロの何処かで、主人公を応援しているじぶんがいるところに、作者の力量を感じさせる。
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このミス1位ということでお借りした一冊。学園に悪魔がいた。サイコキラーな先生が暴れまくる。狂気に生徒が気がついたときは、もう既に遅しとばかりに殺戮の荒野と化した学校。バトルロワイヤルのような世界観で、ノンストップで読んでしまった。謎を解くのではなく、恐怖をリアルに描写しようとし...
このミス1位ということでお借りした一冊。学園に悪魔がいた。サイコキラーな先生が暴れまくる。狂気に生徒が気がついたときは、もう既に遅しとばかりに殺戮の荒野と化した学校。バトルロワイヤルのような世界観で、ノンストップで読んでしまった。謎を解くのではなく、恐怖をリアルに描写しようとしつつもサイコな主人公を冷静な記述で表すことで、返って怖い。
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どうなるのだろう? と思っていたら最悪の展開に。 この教師、蓮実聖司は狂ってしまっている。 最終的にクラス全員を何とかしなければ…という発想がおかしいもん。 助かった生徒がいても素知らぬ顔。ここまでくれば人間というより悪魔だ。第9章でカラスの羽のイラストが乱れていたので嫌な予感は...
どうなるのだろう? と思っていたら最悪の展開に。 この教師、蓮実聖司は狂ってしまっている。 最終的にクラス全員を何とかしなければ…という発想がおかしいもん。 助かった生徒がいても素知らぬ顔。ここまでくれば人間というより悪魔だ。第9章でカラスの羽のイラストが乱れていたので嫌な予感はしたけれど、気味悪いと思いながら最後まで一気に読んでしまった。
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