そうか、もう君はいないのか の商品レビュー
泣きました。若い夫婦が読めばお互いへの接し方が変わり、老夫婦が読めば共感の涙を流し、高校生が読めば未来の伴侶への希望を抱く、そんな作品でした。
Posted by
城山さんの作品はこれが初めて。 黒木亮さんの『リスクは金なり』を読んで城山さんのことが 紹介されていたので、本屋で物色。 あえて小説から読まなかったのにはそれなりに理由がある。 くしくも解説で児玉清さんが書いているような理由で。 今朝、早朝MTGの開始まで少し間があったので...
城山さんの作品はこれが初めて。 黒木亮さんの『リスクは金なり』を読んで城山さんのことが 紹介されていたので、本屋で物色。 あえて小説から読まなかったのにはそれなりに理由がある。 くしくも解説で児玉清さんが書いているような理由で。 今朝、早朝MTGの開始まで少し間があったので、読んでいて、 最期のシーンにさしかかったところで思わず涙が出そうになりました。 結婚して8年目。30超えたあたりから(いや高校生の頃からか)、 徐々に現実味を帯びてくる死。 小説とかほとんど読まないので、こんな作品がほかにあるのかは 知らないですが、一読お勧めします。
Posted by
城山三郎さんが亡くなった妻との出会いから別れを書いた一冊。淡々とした文章だが、城山三郎さんの妻に対する愛が伝わってくる。当事者でもないのに、妻を亡くなったときの喪失感を感じてしまうぐらいな文章。こんなに人を愛せたら、愛されたら、いいなーとつくづく思える本だった。
Posted by
天から舞い降りた妖精のような妻との出会い。結婚し、大学で教鞭をとりながら作家を目指す日々。文筆に専念するようになってからの取材旅行。妻の病気と入院、かけがえのない人との最後の日々。 妻と共に歩んできた日々が描かれた作品は、清々しい、静かな何かを心に残した。
Posted by
経済小説家としての城山三郎には、戦争を経験した反骨の昭和の男、頑なまでに体制におもねることなく、民衆の視線を貫き通した頑固さを感じていた。本書には奥様への出会いから晩年にいたるまで、城山三郎の不器用さとやさしい眼差しが溢れていました。
Posted by
「五十億の中で ただ一人『おい』と呼べるおまえ」 天真爛漫。末尾の解説で児玉清がその言葉で表現しているが、まさにぴったりの言葉だ。 城山三郎の妻はとても愛らしい。その妻を心から愛する城山。一遍の夫婦愛物語である。 情景描写も上手く、自分に同化できるので、妻を亡くしたことを想像す...
「五十億の中で ただ一人『おい』と呼べるおまえ」 天真爛漫。末尾の解説で児玉清がその言葉で表現しているが、まさにぴったりの言葉だ。 城山三郎の妻はとても愛らしい。その妻を心から愛する城山。一遍の夫婦愛物語である。 情景描写も上手く、自分に同化できるので、妻を亡くしたことを想像すると涙が止まらない。 死後に発見された原稿を編集者がまとめたというが、かなりの腕前であると思う。
Posted by
城山さんの作品はまったく読んだことがないのだけれど、タイトルと帯に惹かれて購入。晩年についてのエッセイと思ったら予想外に出会いや新婚の頃からの思い出も綴られており、奥様への穏やかで深い愛情が感じられて読んでいてたいへん心地が良い。その分だけ、残された悲哀がしみじみ静かに迫ってきま...
城山さんの作品はまったく読んだことがないのだけれど、タイトルと帯に惹かれて購入。晩年についてのエッセイと思ったら予想外に出会いや新婚の頃からの思い出も綴られており、奥様への穏やかで深い愛情が感じられて読んでいてたいへん心地が良い。その分だけ、残された悲哀がしみじみ静かに迫ってきます。お嬢さんによる補足の文章と、児玉清さんの解説もしみじみ。近しい人を見送ったことのある人には、読む薬になる一冊。悲しいけれど読後感は至極爽やかです。
Posted by
2007年に亡くなった城山三郎の遺稿をまとめた本。 2000年に最愛の奥様を亡くしてからの城山は、自宅に戻れず、ワインを飲みながら職場で暮らす、抜け殻のような生活だったという。そんな生活の中で、綴った亡き奥様への愛の叫び。出会いから亡くなるまでが薄い本の中に描かれていて、その中に...
2007年に亡くなった城山三郎の遺稿をまとめた本。 2000年に最愛の奥様を亡くしてからの城山は、自宅に戻れず、ワインを飲みながら職場で暮らす、抜け殻のような生活だったという。そんな生活の中で、綴った亡き奥様への愛の叫び。出会いから亡くなるまでが薄い本の中に描かれていて、その中に一貫して流れる奥様への愛情。その奥様はすでにいないという現実との葛藤。 こんなにも愛せること自体が幸福だ。こんなにも愛されることが幸福だ。 徹底的に取材をして、真実をえぐり出すような城山の小説は、奥様への愛情から発したものだった。奥様に愛されているという安全地帯からの挑戦だった。 どんなに愛し合った夫婦も同時に死ぬことはできない。最後はどちらかが、一人になる。 しかし、最後の7年間、城山の心には間違いなく、奥様が生きていた。
Posted by
亡くなった奥さんとの思い出がひたすら淡々と描いてあって、なんでこんなに淡々としてられるのかってびっくりする程だけど、大事な人を喪ったら、こんな感じになるのかもしれない。
Posted by
城山三郎のそうか、もう君はいないのかを読みました。城山三郎が自分の妻との出会い、新婚時代、子育ての時代、そして別れまでを書いたエッセイでした。城山三郎の奥さんに対する愛情がにじみ出してくる文章を読んで、こういう夫婦だったらいいなあ、と思ってしまいました。ふと、亡くなった奥さんに話...
城山三郎のそうか、もう君はいないのかを読みました。城山三郎が自分の妻との出会い、新婚時代、子育ての時代、そして別れまでを書いたエッセイでした。城山三郎の奥さんに対する愛情がにじみ出してくる文章を読んで、こういう夫婦だったらいいなあ、と思ってしまいました。ふと、亡くなった奥さんに話しかけようとしてしまい、それに気づいてもなお、奥さんに「そうか、もう君はいないのか」と話しかけてしまう、というくだりが心を打つのでした。
Posted by